飛行機内にて鑑賞。小さくそんなに良いモニターではありません。
ブラッド・ピット主演作ということで派手な宣伝が行われていましたが、映画自体は地味目でした。
トム・クルーズの出た『アウトロー』に雰囲気が似ていた。少し影のある主人公…ダークヒーローの活躍。でも、いまいちどんな人物だかわかりにくくもある。キャラクターが弱い。
世界観自体は恰好良くはあるけれど、少し地味すぎた。

ここで?と驚いてしまうような終わり方も中途半端で、もう一盛り上がり欲しかったような物足りなさが残った。97分作品なので、もう2、30分くらい付け足して派手な見せ場が欲しかった。


ウォシャウスキー姉弟とトム・ティクヴァというダブル監督作品。172分とかなりの長丁場ですが、六つの時代が描かれていて、それがバラバラに映画に組み込まれているのでそれほど長さは感じない。一つ一つの作品を順番にやっていたら三本目か四本目くらいで飽きそうだけど、この方式だと短編を六本一気に観させられたような感じ。それぞれまったく違う時代だし、美術や話のトーンも違うので、話がごちゃごちゃになることはない。

元々、輪廻がテーマになってるという情報しか入れていなくて、確かにトム・ハンクスとハル・ベリーは過去に会ったことがあることをなんとなく感じているみたいだったけどこの二人だけじゃないか、と思っていたら、エンドロールで実は誰がどの役演じてましたみたいなのが出て驚いた。特殊メイクやちょい役すぎるなどの理由でまったく気づかなかった。それを踏まえた上でもう一度観たいけれど、やっぱり173分に尻込みしてしまう。見始めたらそんなに長さを感じないことはわかっていても覚悟がいります。
以下、ネタバレです。








ただ、その演じている役が同じ人がその時代でのその人なのかというのがよくわからない。例えば、ベン・ウィショーはある時代では作曲家を演じていて、別の時代ではレコード屋の店長を演じていた。それは音楽という繋がりがあるし、生まれ変わりなのかなとも思うけど、未来の韓国人ビジネスマンはまったく関係ないし、ちょい役すぎて本編からは削られているらしい。そういったお遊び的な配役と本当に輪廻なのかというのが不明。でも、ベン・ウィショーの女装はもう一度観たいです。

ベン・ウィショーが好きなせいもあるけど、彼が主役のエピソードはもっと長く観たかった。あれだけで映画一本作ってほしい。できれば、次の時代で結ばれてほしかったけれど、死んだ時期が違うと生まれ変わる時期も違ってしまうんだろうか。ハッピーエンドにはならなかったけど、苦悩の表情とナイーブさで、悲劇が似合う俳優だと思う。

ペ・ドゥナのエピソードは未来のイメージがダサいっちゃダサいんだけど、どことなく昔懐かしさすら感じて、それが逆に心地良い。ペ・ドゥナが量産型娼婦みたいなのをやるのは『空気人形』から何かしら影響を受けているのかなとも思った。もともと無表情女優だとも思うけど、あのつるっとした感じが可愛い。

一つ一つのエピソードはそれぞれ面白いけれど、観終わったときに、いまいち一貫したテーマが見えてこないのが残念。
輪廻の面でのそれぞれのキャラクターの繋がりや因果関係が明確にわかって、はっとする瞬間が欲しかった。過去の記憶が蘇ったりはしないまでも、何かしら、匂わせるようなものは欲しい。私の理解力が足りないだけかもしれないけど。

太 平洋航海記、クラウドアトラス六重奏、紋章のような痣、ソンミ様など、ところどころ、キーワード的なものは受け継がれていても、それが大きな力を持ってこない。全ての時代を貫く何かが欲しかった。そのため、面白かったのに、なんとなくもやっとしたものが残った。整理するためにパンフレットを購入して読んでみたけれど、各時代がまとめられていて、資料としてとてもよくできていた。映画だけよりも、この作品のことが理解できた気がする。

原作を読んだらもう少しわかるだろうとも思うけど、パンフの出演者インタビューを見てると、原作読んでもわかりづらいみたいなことを言っている人が多くてここでも尻込み…。でも、もう一度、映画は見直したいです。

『キャビン』


 『アベンジャーズ』を監督したジョス・ウィードンが脚本、製作で関わってます。公開や撮影時期は『アベンジャーズ』の少し前。
若い男女が人里離れた場所でいちゃいちゃしている間に次々と襲われて…という定番中の定番のホラー設定だったけれど、そのままそのような映画ではないことは知っていた。でも、じゃあ、どんな話なのかというのはまったく耳に入れないようにしてのぞみました。この映画、予告編や公式サイト、ポスターまでがネタバレだというので、観る前にはかなり気をつけた。その結果、実際のストーリーは予想してたものとは二回転くらい違ってて、驚きとともに楽しめました。
以下、ネタバレです。







よくある定番ホラーの始まり方だった。肌色多めのギャルがちょっと恋愛について悩んだりしながら女友達や男の子とキャイキャイしている。それで遊びに行くことになって、途中に気味の悪い住民がいて、いやな予感がして…というよくある感じ。しかし、わりと序盤に種明かしはあった。彼らの姿をどこかの施設で監視しているのだ。どうやら、その施設の人たちが、若い男女をよくあるホラー風にプロデュースしようとしているらしい。
なんとなく、映画の中の山小屋パートは古典的なために古い映画のように見えて、なんだかよくわからない謎の施設のパートはハイテク満載のため最近の映画に見える。この二重構造が面白い。

モンスターを送り込んで、怖がっているギャルたちを監視しているときには、施設側の立場でもっとやれなんて思いながら観ていたけれど、途中から様子がおかしくなる。モンスターを使って若者たちを本当に殺し始めてから、もう一度、映画の方向性が見えなくなってくる。しかも、モンスターは作り物ではなく本物らしい。え、謎の施設でこの人たち何やってるの?何者なの?

そして、どうやら人を本当に殺しているのに、施設内ではドッキリ大・成・功!みたいな感じで大喜び。賭けまでしている。この辺から、施設側ではなく、若者側に感情移入先が変わった。この観客の視点変更の誘導も見事。

生き残った若者たちは逃げて施設に辿り着くんですが、ここでの出来事がおもしろい。施設内に保管されてた様々なモンスターが外に放たれる。
静寂の中、エレベータがチンという音を立てて、この階に止まったのを知らせる。扉が開き、よく知ってるモンスターや知らないモンスターが、ぐわっと大量に飛び出して来る。本当に多数の、いろんな種類の各国のモンスターが出てくるので、設定資料集みたいなのが欲しい。それぞれ細かい背景とかありそう。
このモンスター大集合具合を観ていると、ジョス・ウィードンはこの大集合系をうまくまとめるのが上手い人なのかなと思ってしまう。

モンスターたちは施設の人間を襲う。阿鼻叫喚。さっきまでひとごとだと笑っていた人たちがどんどん喰われていく。
ここでの人の襲われ方はなかなか壮絶で、やっぱりこの映画は一応ホラーなのかなと思う。ただ、モンスターたちの大量さ加減はいっそ清々しくて、楽しくなってしまう。わーきゃー言いながら観たい。怖くはないと思うけど、血は大量に出るのでその辺が駄目な人には向きません。

そして、最後にシガニー・ウィーバーがこの施設の所長役で出てくるのも無駄に豪華。ラストは更に話が大きくなって……。これは、本当に、他では観たことのないストーリーでした。意外性が高いです。

『マイティー・ソー』でブレイクした(かどうかは知りませんが)、クリス・へムズワーズも出てます。どこかで、『キャビン』の役から『マイティー・ソー』の役を指名されたみたいなのを見たと思ったんですが、ソースが不明なのと、『キャビン』の撮影時期もいまいちわからないので違うかもしれません。
ただ、すごくクリヘムらしい役です。クリヘムらしいというか、ソーっぽいというか。考えるより力勝負。バイクで突っ込んでいって壁に当たって死ぬというのもとてもそれらしい。


観終わったあとで、ネタバレだと噂の予告編を見てみたけど、確かに、本当に映画の前に見なくて良かったと思う内容だった。普通のホラー映画っぽいシーンもあるんだし、偽の予告でいいんじゃないかと思う。この場合はそんなシャレも必要でしょう。施設で監視しているシーンは入らないほうがいいと思う。
予告編って映画館で否応無しに見せられるものだから、『キャビン』の予告を流す映画を観なくて良かった。

そういえば、主題歌がNINの『Last』でした。このある意味、投げっぱなしで絶望しかない終わり方に続く、暴力的なギターリフがよく似合う。個人的に大好きな曲ということもありますが、この映画の締めに最高。


三月末で閉館する銀座シネパトスを舞台にした、銀座シネパトス限定上映作品。シネパトスにゆかりの作品の出演者が次々とやってくる。ネタバレも何もないですが、一応間を空けておきます。










そこには昔は川があったらしい。東京大空襲で発生した瓦礫を処理するために川を埋めたらしい。そこが昭和27年に地下街になり、映画館もできたのだとか。上映している作品も独特で、杉本彩や最近だと壇蜜みたいなソフトポルノものや昔の時代劇、二ヶ月遅れくらいの最近の作品、B級ホラーにセガールの沈黙シリーズなど。一風変わった場所にあり、おもしろい雰囲気の映画館だったけれど、耐震性の点から立ち退くことになったとのこと。

職場がすぐ近くだったものの、数えるほどしか行ったことが無かった。イッセー尾形が昭和天皇を演じた『太陽』、『嫌われ松子の一生』と『宇宙人ポール』のリバイバル、 『修羅雪姫』二作品くらいでしょうか。でも、映画館を舞台にした作品をその映画館限定で、しかも閉館前最後のロードショーとなったら行っておくしかないだろうと思った。あと、ポスターの染谷くんが恰好良かった。彼はどちらかというと優等生的なイメージが強かったけれど、このポスターでは一瞬誰だかわからなかった。金髪で目が隠れるくらい前髪が長くぼさぼさ、だらんとした服装。ガラが悪くて最高。映画の本編ではそんなに悪い子ではなかったです。

シネパトスの館長秋吉久美子とその夫染谷将太が一応の主人公。二人と閉館する映画館を軸にして、シネパトスにお客さんがやってきて、座席で会話をする。出演者はパンフレットのプロフィールを読むと納得したけれど、お姿を見ただけだとどなただかいまいちわからなかった。たぶん、詳しい人が見たら、すごく豪華なんだろうと思う。古い日本映画やテレビドラマにまったく詳しくない。わからなくて残念。月光仮面の方とウルトラマンの方の共演とか、知ってたらぐっときただろうなあ。
ただ、監督、出演者、他のスタッフ全員がシネパトス大好きという気持ちと無くなるのを惜しむ気持ちが伝わってきた。あのラストも、どうせなら俺たちの手で…という痛快さが感じられた。

本当に序盤に、シネパトスの地下鉄の音についての解説が入った。確かに映画を観ている最中でもときどき聞こえてくる。それについて怒って席を立つお客さんもいたらしい。いやいや、こんな変な場所にあるんだし、古い映画館なんだから仕方ないでしょう。あれが味なんだと思う。

そういえば、予告の時間が二分って書いてあって随分短いと思ったけど、この作品で最後なんだし予告もなにもないんだったと考えてさみしい気持ちになった。


タイトル、原題のUnchainedを“繋がれざる者”と訳してあるのが粋。
レオナルド・ディカプリオの舞台挨拶付きの回を観てきました。以下、ネタバレです。



ディカプリオ、前までは好きではなくて、キャーキャー言われているのもよくわからなかった。『インセプション』のコブのキャラがあれだったので、最近はなんとなく好きです。
この程度だったけれど、実物はとても恰好良かった(ほぼ最後席でしたが)。レオ様と呼ばれるのもわかる。トム・クルーズがスターだったのに対して、ディカプリオは王子様のようだった。顔が大きいイメージがあったけれど、案外背が高く、スタイルもいい。そして、なんとも言えない気品みたいなものが漂っていた(ほぼ最後席でしたが)。

舞台挨拶での質問抜粋。
参考にした悪役はいるか?という質問には、『トゥルー・ロマンス』のゲイリー・オールドマンと『トゥームストーン』のヴァル・キルマーと答えてた。ヴァル・キルマーの話し方が良かった、とのこと。

ディカプリオが演じるカルヴィン・キャンディが人の頭蓋骨を持ち出して骨相学を披露する場面がありますが、それはディカプリオの提案でタランティーノが脚本に組み入れたもの。

他に何役をやってみたかった?の質問には、「ジャンゴ!」というディカプリオジョーク。でも、とにかくこのカルヴィン・キャンディという役が気に入っていそうでした。

日本では京都が好きで五回行ったとのこと。ローマやポンペイみたく、歴史が感じられるのがいいらしい。「京都、行ったことある人ー?」の質問にはほとんどの人が手を挙げてたので、ここは「京都、五回行ったことある人ー?」にしたら良かったのに。

「自分のことだけ考えてわがままに振る舞えたから、悪役を演じるのは楽しかった」って言ってたけど、『インセプション』も…そんな役じゃなかったですか…? 

ともあれ、今回の悪役はかなりぶっ飛んだ感じで、いきいきととても楽しそうに演じているのがよくわかった。Nワード連発、ゲスな笑い方もカワイイ。
そうなんですよ、カルヴィン・キャンディは悪者でひどいこともたくさんするけど愛嬌があった。どちらかというとサミュエル・L・ジャクソンが演じてたキャラクターのほうが極悪人だった。でも、どちらも好きです。

キャラクターが全員良かった。一人一人が愛情を持って生み出されたのがよくわかる。
クリストフ・ヴァルツはやっぱりうまい。あやしいんだか、誠実なんだかわからない感じがたまらない。また、彼の幌馬車のてっぺんに歯がついていて、それが動くとびよんびよん揺れてるのも可愛いかった。
ビールの注ぎ方のこだわりとか、メイドさんなんでミニスカなのとか、細かく気になるところもちらほら。

ストーリーは勧善懲悪だし、どんでん返しもない。いままでのタランティーノ作品にあったアクは弱まってるので、この作品でアカデミー脚本賞を受賞したのは少し意外な気もする。そもそも、タランティーノがこれを書いたっていうのがおもしろかったのかな。

ただ、大筋は勧善懲悪であっても、タランティーノ特有の無駄話、無駄シーンは多い。上映時間165分なので、普通ならその無駄なシーンを削ってコンパクトにしてほしいと思ってしまうが、タランティーノ作品の場合、その無駄シーンがおもしろいので、逆にもっとみせてくれと思ってしまう稀な例。

きっと、西部劇の小ネタも満載だったんだと思いますが、詳しくないのでまったくわからなかった。しかし、観終わったあとに、気持ち良く映画館を出られるのがいい。楽しかった!



『レギオン』



2010年公開。世界観が好きそうな雰囲気だったので観てみました。

12/23に不良天使みたいなのが街に降り立って、自分の翼をもぐ…というところまでは良かった。ポール・ベタニーかっこいい!

そ のあと、シーンが変わって、なぜか砂漠の真ん中の廃れたダイナーが舞台になる。舞台はさっきの街で良かったと思うし、これ以降、クリスマスは関係ない。と思ったけど、赤ちゃんが産まれた日付が12/25でキリスト…みたいなのと関わってくるのかな。聖書の話が出てきたし。明確な説明はなされません。

それで、そのダイナーに出産間際の女性と恋人とその家族、ダイナーのお客さんがいて、人間を滅ぼそうとする天使軍団が襲いかかってくる。ポール・ベタニーは人間側に寝返ったので味方です。
天使軍団は天使といっても羽根は無くて、人間に乗り移っているのでゾンビのようになっている。生身の人間なので、銃で撃たれれば死ぬけれど、ほぼゾンビ映画でした。死にかけの旦那さんを救おうとする妻の描写などは、ゾンビとわかっていても見た目は知り合いなので殺せないというような、ゾンビ映画特有の悲哀がありました。
そのゾンビ軍団、ではなくて天使軍団がいちいち車でやってくるのがおかしかった。砂漠の真ん中だから仕方ないよね。人間に乗り移ってるだけだから空飛べないしね。なんにせよ、もう少しどうにかならなかったのか?と思うようなシュールな光景でした。

それを迎え討つポール・ベタニーがとにかくかっこいい。無敵。2丁拳銃ならぬ2丁機関銃もあるし、強いだけでなく、女性のお産のサポートもする。さっきまでばったばったとゾンビ…じゃなくて、天使が乗り移った人間を撃ち殺してた人が、「もっといきんで!」と言っていた。なんでもできてしまう。パーフェクトです。

ラストでまた会えるかとの質問に「信じればな」みたいなことを言っていたけど、まさか続編を作るのかな…。そう思って調べていたら、去年、同じ監督、ポール・ベタニー主演で『プリースト』という映画が公開されていた! しかし、こちらは続編ではなく吸血鬼ものらしいです。少し気になってきていてどうしよう。

『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセル監督作品。原題は『Silver Linings Playbook』。Playbookとは日本では馴染みがないですが、アメフトの作戦帳のことらしい。Silver Liningsは、(逆境にあっての)希望の光ということで、原題のほうがタイトルが直接的な感じがする。
ラブコメみたいな予告ですが、どちらかというと家族ものだと思う。“二人の愛の道しるべ”というCMの文句も少し違う。
以下、ネタバレです。









なんとなく『リトル・ミス・サンシャイン』を思い出した。ストーリーじゃなくて、大まかなイメージとか映画の全体的なテーマなどが似ていた。以下で、『リトル・ミス・サンシャイン』についてもネタバレします。

主人公があちらは小さい女の子で、こっちは中年男性という違いはあるけれど、“パーフェクトからはほど遠いし、うまくいかないことばかりだけど、家族(とこの映画の場合は仲間)はあなたを愛してるよ”という部分が同じだと思った。
あと、細かいところだと最後にダンスシーンが出て来るところ。
その結果も、10店満点中5点で大盛り上がりで、他の出場者からしたらそれは理解できない。高得点じゃないのに?と首を傾げる。本人たちの幸せの基準が、優秀な成績をおさめることではないのだ。
『リトル・ミス・サンシャイン』でも、オリーヴがミスコンのステージ上で怖じけづいちゃったときに、お兄ちゃんと叔父さんがステージに上がってめちゃくちゃに踊って大盛り上がり。でも、そのあと主催者からは怒られる。当然、ミスコンで優勝はできない。それでも幸せ。

この周囲には理解されない感、それでも幸せなんだ、ほっといてくれ感が似通っていると思った。

ただ、『リトル・ミス・サンシャイン』がロードムービーだったのに対して、『世界でひとつのプレイブック』はほとんど景色が変わらない。
精神病院から始まり、最後にダンス大会があるのと、アメフトの試合を観にスタジアムに行くけど、大半は自分の家と自分が住んでいた前の家、ティファニーの家だけで、すべてジョギングで行けるあたり近所っぽい。狭い世界の話です。
アメフトの話がちょくちょく出てくるけれど、試合の映像は無かった気がする。テレビでは流れていたかな。どちらにしても少しです。

そのような動きのある映像よりも、登場人物同士の会話と表情などの演技で見せる映画だった。セリフも多かったし、ちょっと舞台のような感じだった。

当然、俳優さんたちの演技力が試されますが、ブラッドリー・クーパー、ただのイケメンではなかった。今回、感情の起伏が激しい役でしたが、うまかったし、最初の躁鬱気味の時の目と最後のほうの目がまったく違う。アカデミー賞主演男優賞ノミネートも納得。
ジェニファー・ローレンスは、美人というタイプではないけど、とてもチャーミングだった。予告を観たときにはセクシーという形容に違和感をおぼえたけれど、本当にセクシーだったし、ダンスシーンも良かった。
ダンスシーンは、ブラッドリー・クーパーの本来のイケメン度もぐっと上がって、見応えがあった。手足が長くて背が高い、スタイルの良さ全開でした。

舞台っぽさであったり、巧妙なやりとりが多い箇所なども含め、『ザ・ファイター』よりもだいぶ軽い印象ですが、描き方が軽いだけで話は重い。
もはや自分の力だけでは制御できなくなっている気持ちの暴走を見ていて、途中、何度も泣いた。終盤にダンス大会とアメフト決勝戦はあっても、それに向かって盛り上がっていってラストで一気に泣くというよりは、いろんな細かいセリフがとても良かった。
家族や仲間に支えられて、一つのつらい出来事があっても、なんだ、ちゃんと愛されてるじゃんというのをあたたかな絆みたいなものを実感する時に、涙が出てきた。そんなシーンがちりばめられている。

この映画で、ティファニー役のジェニファー・ローレンスはアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされてましたが、実際は、ほぼ、パット(ブラットリー・クーパー)の話。ティファニーはあくまでも主人公の相手役として出てくる。もう少し、ティファニー側の話も観たかった。
助演男優賞、女優賞にノミネートされているパットの父母役の二人の演技も本当に優しくていい。
ロバート・デ・ニーロは先日観た『レッド・ライト』の100倍いいです。

ちなみに、ヴェロニカ役の子、あのへの字口はなんかどこかで見たことあると思ったら、ボーンシリーズのニッキー役の子か。『(ヒース・レジャーの)恋のから騒ぎ』もあの子だったか。

そして、「課題で精神病の人にインタビューしたい」などと言って、パットの家のドアを叩く空気の読めない子どもは、監督の息子さんだったようです。なんでも、監督の息子さんはパットと同じ病のおかされていて、それもあって、今回、この脚本の監督をつとめることを決めたのだとか。

音楽は、ベタともいえるくらいにわかりやすい良い感じでしたが、ダニー・エルフマンでした。なんとなく納得。