『クロニクル』


    最近話題のデイン・デハーン主演作品。アメリカでは2012年2月公開。
日本ではまだソフト化どころか劇場公開もされていませんが、
UK盤のBlu-rayになぜか日本語字幕がついているということで観ました。
 以下、ネタバレです。
 



 POV(Point of View Shot.『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』で有名になった登場人物目線の形式)で進んでいくのは低予算ならではの工夫かもしれない。また、一人の視点ではなく、撮り手がニュース映像も含め、次々に変わっていくのもおもしろい。

 ただ、ストーリーはもやもやしたものが残った。
 穴の中の物質は結局なんだったのか?なんで超能力を授かったのか?鼻血の意味は?授けた超能力を取り返しにこない?などなど、疑問がすっきりしないまま残った。ルールがわからないまま、途中でおいてけぼりにされたような感じがした。

最初のほうの超能力を手に入れた三人がきゃいきゃいやっているあたりは、アニメ版の『時をかける少女』のタイムリープ能力を手に入れた真琴を思い出した。手に入れた能力を積極的にくだらないことに使う。
女生徒のスカートをめくったりしてましたが、そのままコメディー路線にすすんでいってくれても良かったのに…とも
それか、「お前が好きだ」とか「愛人だから」とか、秘密を共有するもの同士の強固な絆がブロマンスっぽかったので、どうせならそのまま、三人で力を合わせて元凶(?)を倒すような展開が観たかった。

ただ、デハーンくんはすごく良かった。ただの美少年に留まらない、彼の影のある暗さがあの役に合ってました。美少年って書きましたが、30歳近い既婚者らしいですけどね…、今回も高校生役ですけどね…。

『trance』


ロンドンへ行くまで公開されていることすら知らなかった。『Welcome to the Punch』を観た時に、
予告がおもしろそうだったので観ることにしました。
映画二本、舞台一本とロンドン滞在期間二週間くらいだったのに、ジェームズ・マカヴォイ祭りになりました…。

相変わらず英語だったので細かい部分はよくわからない部分もありましたが、ダニー・ボイルっぽさというか、ほぼ映像で説明されていたので大筋はわかりました。撮影の仕方と音楽が凝っていて、言葉がうっすらとしかわからなくても映像だけで満喫できるのが素晴らしい。
ストーリーが二転三転して、まんまと振り回されるのが心地よかった。
以下、ネタバレです。





ジェームズ・マカヴォイが記憶をなくしていて、その記憶がキーとなるんですが、音楽の盛り上がりとともにネタばらしをしていって、主人公だけでなく、観ている側も記憶の霧が晴れたようにハッとする感覚が楽しかった。
種明かしを見て、いちいちそうゆうことかと納得していきながら観ていった。
ワケありっぽい序盤から、たぶんこんな話なんだろうなと思ってストーリーが進んでいったら違って、の繰り返し。英語がわからないので余計に振り回された。

ポスターや知名度(私の中で)から、ジェームズ・マカヴォイが主人公でヴァンサン・カッセルは敵というか、悪役だと思っていたんですが、こちらが主人公でしたか。観ているうちに主人公と思われる人物まで変わってしまうのも面白い。
マカヴォイは可愛い顔をして、悪いヤツでした。『FILTH』も酷い役(褒め言葉)みたいなので楽しみ。

二人の間に立つロザリオ・ドーソンは、エキゾチックな魔性っぽく魅力的。イギリスではR18だったんですが、あの部分は日本公開時にどうなるのか気になる。

ラストもお洒落。タブレット端末が効果的に使われていてニクい。センスの良さを感じました。


邦題『ビトレイヤー』。元々、観るつもりでロンドンに行ったんですが、到着して、
ヒースロー空港の地下鉄の駅に早速看板があって大興奮。ロンドンバスに大き な広告も付いていて、主演の二人、ジェームズ・マカヴォイとマーク・ストロングは英国で人気があるのを確認。当たり前だけど、日本では考えられない宣伝の仕方です。
(3月の時点でまだ『007 スカイフォール』をやっていたのもイギリスならではで感慨深かった。2012年10月公開だったみたいなので、超ロングラン)

『Hansel and Gretel: Witch Hunters』を観たempireの隣りの隣りくらいにあるVueという映画館で観ました。こちらのほうが新しい印象だったけれど、実際はどうだったんだろう。椅子は倒れませんでした…。
以下、ネタバレです。





タイトルのリズムとパンチという言葉のなんとなくのポップさ、それにポスターの色合いなどから、楽しげな雰囲気を想像していたのですが、実際はハードボイルドな刑事物でした。復讐の話で、ジェームズ・マカヴォイが可愛い顔の眉間に皺を寄せていた。

それならそれでも良かったんですが、敵同士だったマカヴォイとマーク・ストロングが共通の敵に向かっていくことになって、途端に作品の雰囲気が変わる。呉越同舟ものだった。
どうしても許せない相手だったのに、父親である面を見て、自分とも似た面を見つける。ハードボイルドなのに、主演の二人の男が泣き顔を見せるのが良かった。
また、最後の最後では、殺したいほど憎いはずなのに、一緒に行動したことで情が芽生えたのか、結局撃てずに逃がしてやるのもいい。

敵の家に潜入して、お母様を囲んでマカヴォイとマーク・ストロングが座っているシーンは緊張感の中になんとも言えぬ可笑しみがあった。一触即発なのに、何も知らないお母様は息子のお友達をもてなしているつもりになっている様子がおもしろく、劇場内でも笑いが起こっていた。
そのあとの家の中での銃撃戦も恰好良かった。

銃撃戦はこの他にもクラブみたいな場所と最後のトランクルームのようなコンテナ置き場のような場所でと、合計三回くらいありましたが、どれも恰好良かった。スローになるのもいいし、最後の銃撃戦では主演二人の身長差も良かった。

ただ、アクションシーンは見応えがあっても、英語がわからないため、細かい陰謀のくだりがよくわからなかった。あと、女性記者も、マカヴォイがかなり怒り悲しんでいたため、殺されたのがあとでわかった。いまいち流れがわかりにくかったので、日本語字幕付きで見直したい。


グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』のその後。森に捨てられた兄妹が、
大きくなってウィッチハンターになったというストーリー。
最初は日本での公開日も告知されましたが、その内公開がないかもしれないという話だったので、ロンドンで観ました。当然、字幕は付いていなくて英語がほとんどわからない中観ましたが、アクションが主体だし、内容はわかった。

主演二人がとても可愛く撮られているのが良かった。グレーテルは勇ましいところもあるけれど、ちゃんと女の子らしいところもあるし、モテるのがいい。ヘンゼルは女性にアプローチされてもなんだかんだでかわしていくのが良かった。でも、力づくで迫られるとあっさり籠絡されちゃうあたりも愛おしい。武器が大型なんですが、その持ち方も恰好良かったです。

途中から、優しい怪人とヘングレマニアの男子という二人の仲間ができるんですが、そのキャラクターもいい。その新パーティー四人で新しい町を訪れる続編を作ってほしい。ストーリーは別に同じ感じでもかまわないので。


日本公開が危ぶまれている原因はゴア具合だという話を聞いたんですが、本当のところはよくわからない。普通のヘンゼルとグレーテルだと思って子供が観てしまったら…という懸念でしょうか。

『リンカーン/秘密の書』と同じテイストだと思う。あちらはヴァンパイアハンターでこちらはウィッチハンターという点も含めて。ゴア具合にしても、この作品はそんなでもなかったです。確かに肉片は多少飛びますが。一応ジャンルもホラーになるのかもしれない。でも、『リンカーン/秘密の書』のほうがよっぽどゴアだった。それでも、きっとあの作品も興行成績はふるわなかったんだろうし、難しいのかもしれない。

公開しないのは仕方がないにしても、DVDスルーでいいのでなんとか日本でも観られるようにしてほしい。今回、劇場では3Dで観ましたが、別に2Dでいいと思います。
(追記:公開は無くなり、DVDスルーになりました)


ロンドンのレスタースクエアにあるempireという映画館で観ました。もう公開が終盤だったせいか、客席はかなり少なかった。けれど、横に長いのでスクリーン自体は大きく観やすかった。列は三列くらい。
椅子が寄っかかると後ろに傾く、リクライニングシートのようになっていた。でも、後ろに傾いても固定されるわけではないので不安定で落ち着かなかった。
日本では採用されてない椅子だと思うけど、海外だと一般的なのかな。海外ではハワイの一箇所の映画館にしか行ったことがないんですが、ハワイの椅子は普通だった。
(追記:『ユー・ガット・メール』で二人が行く映画館がその椅子っぽく倒れているのを確認。たぶん、場所はNY)


飛行機内にて三本目。だいぶ頭が朦朧としてきた中で観ました。
本当はこの後に、オムニバス映画『BUNGO〜ささやかな欲望〜』の中で山下敦弘監督が担当した“握った手”(坂口安吾原作)も観たんですが、山下監督は昔の大学生が主人公の映画が続いてるなあと思ったくらいで、あまり内容を憶えていません。山田孝之は、変態と紙一重の演技をするのがうまかった。

『コズモポリス』はデヴィッド・クローネンバーグ監督作品。名前はよく聞くけれど、実は一作も観たことがないです。

一人の金持ちの一日なんですが、いろんな場所でいろんな人に会っていろんな会話をする。ストーリーはほとんどが会話を通じて進んでいくけど、その会話内容にそれぞれ重大な意味が隠されていそうだった。途中のレゲエソングみたいなのも唐突でありながら意味深。
一見普通の会話のようで、哲学的なことを言っていそうな感じがしたけど、深い意味はよくわからなかった。

主演のロバート・パティンソンは『トワイライト』シリーズで有名ですが、『トワイライト』→ラジー賞常連ということで、観たことがないにも関わらず、作品や彼自身に対してあまりいい印象を持っていなかった。
しかし、今回初めて演技しているのを観たら、少しファンになってしまうくらい良かった。
自信家なようでいて、ツメが甘い部分もあって、妙な色気もある。映画全編を通して出突っ張りでしたが、没落していく金持ちボンボンがハマり役だと思った。

以下で少し、ラストシーンについてネタバレです。







特に、ラスト、殺し屋に後ろから銃を突きつけられて泣き出すシーンがすごく良かった。いままで得意げだった顔が、一気に幼く情けないものに変わる。このラストが好きなので、映画自体の評価も上がってます、私の中で。


映画館で観ようと思っていて逃していたので飛行機内にて観ました。ティム・バートン監督作品。84年に作られた30分の短編映画を長編化したものとのこと。
キャラ造型がティム・バートンの描いたイラストの通りで、それが動くのだから可愛い。人間も動物も可愛かった。そのくせ、スパーキー(犬)やおヒゲちゃん(猫)については、見た目はぬいぐるみっぽくても、動きが誤魔化すことなく本物の動物みたいなのも良かった。しっかり研究されているような動き方をしていた。
あと、個人的に好みですが、トシアキが恰好良かったのでフィギュアとか欲しいけど、出てないみたい。
吹替で観たのでわからないんですが、トシアキはちゃんと日本人が話す英語になっていたらしいというのが気になる。

配給がディズニーなんですが、最初にロゴとシンデレラ城の映像と『星に願いを』が流れる場面、音楽が途中で一転しておどろおどろしいものになり、お城の背後も曇って…というのが良かった。ストーリーへのうまい導入の仕方でした。たしか、『トロン:レガシー』もこの画面が変えられていたと思う。

キャラクターや映像は良かった。でも、ストーリーの最後がちょっとどうなんだろうと思ってしまいました。

以下、ネタバレです。








タイトルにフランケンと付いていることからもわかるように、死んだ愛犬、スパーキーを生き返らせたことでのすったもんだが描かれています。他の子供も真似して死んだものを生き返らせたために、大変なことに。
それは、子供のしたことだから…では済まされないけれど、事態が終息して、大人が子供のいたずらを諭して一件落着だと思うんですよ。
ところが、大人たちがフランケンになったスパーキーをフランケンとして復活させることに協力しちゃう。そりゃあ、フランケンでもスパーキーの動きは愛らし かった。飼い犬とはいつも一緒にいたいよね。でも、不慮の事故とはいえ、一応は死んでいる。そのお別れまで含めないといけないんじゃないの? 悲しくても仕方ないじゃない。その辺をファンタジーだからといって有耶無耶にしてしまうのはどうかと思う。子供も観るだろう映画なんだし、ちょっとした教訓みたいなものは必要なんじゃないか。

短編のほうは観ていないので、違いはわからないけど、もともとこんな終わり方なんだろうか。そもそも、死んだ者を生き返らせたことで大変なことになったことは、みんな忘れちゃったんだろうか。今回スパーキーを生き返らせたら、いつか、うちのおじいちゃんも…とかってことになるよ。子供はそれが許されると思っちゃう。


飛行機内にて鑑賞。小さくそんなに良いモニターではありません。
ブラッド・ピット主演作ということで派手な宣伝が行われていましたが、映画自体は地味目でした。
トム・クルーズの出た『アウトロー』に雰囲気が似ていた。少し影のある主人公…ダークヒーローの活躍。でも、いまいちどんな人物だかわかりにくくもある。キャラクターが弱い。
世界観自体は恰好良くはあるけれど、少し地味すぎた。

ここで?と驚いてしまうような終わり方も中途半端で、もう一盛り上がり欲しかったような物足りなさが残った。97分作品なので、もう2、30分くらい付け足して派手な見せ場が欲しかった。