『X-MEN:フューチャー&パスト』
Posted by asuka at 3:55 PM
『X-MEN:ファーストジェネレーション』の続編。監督は前作とはかわってブライアン・シンガー。『X-MEN:ファイナル ディシジョン』の続編とも位置づけられるとのこと。
できれば、旧三部作と前作とウルヴァリンを観ておいたほうが良さそう。単体でももちろん楽しめるけれど、観ておくと、キャラクターに愛着がわいてより楽しめそう。私はだいぶ前に観たため、ほとんどおぼえていませんでした…。原作も未読です。
以下、ネタバレです。
ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンが来日していましたが、日本贔屓だからかと思ったけれど、実は、今作の主役はチャールズとエリックではなく彼なのではないかと思う。話の中心として描かれているのは二人だけれど、ローガンがいなければ成り立たない。
話の作りとしては、地獄のようになってしまった現在を変えるために、過去に戻ってそうなってしまった原因を滅するために戦うという、タイムスリップものではよくあるといえばよくあるもの。私はこのタイプの話が好きなので、過去キャラについてはぼんやりとしかわからなくても楽しめた。
現実とは違うとこ ろで死闘を繰り広げて現実を変えるという点で『インセプション』にも似ている。最後戻ってきた時に放心したように、恐る恐る状況を窺っているローガンの様 はコブのようだった。エレン・ペイジは見た目がアリアドネの外見と一緒だったし、最後の学校のシーンで建築云々の話をしていたのも気になってしまった。
未来と過去を知っているのはローガンだけなので、両方を観ている観客を投影しているのも彼なのかもしれない。途中、ローガンが不安定になったり、海に沈められていたので、完全な傍観者ではないけれど。
未来と過去と両方の世界が描かれているので、前作のキャラも出れば、旧作のキャラも出て、まさにオールスター。キャラクターは勿論なんですが、演じている役者さんたちも豪華。
若いチャールズとエリックですが、前作の続きなので、あたりまえだけれど仲違いした状態から始まり、その後を観てもわかる通り、仲違いしたまま終わる。ただ、それでも、未来のチャールズとエリックは手に手をとって一緒に居る。過去のあの時点ではわかりあえなくても、将来、本当にピンチになれば一緒になると いうのがわかっていれば、いくらいがみ合ってくれてもいい。
でも、これは前に別のX-MENシリーズの別作品を観てても思ったんですが、エリック は別にチャールズのことが嫌いなわけではなくて、人間が憎い。けれど、チャールズは人間も守ろうとするから意見が対立しているだけなんですよね。過去にお いても、別に憎み合っているような関係ではない。
前回はキューバ危機、今回はJFK暗殺事件というように、実際の事件がストーリーに組み 込まれている。原作通りなのかはわからない。劇中でJFK暗殺の件でエリックとチャールズの言い合いがあるのですが、ちゃんと話せばわかり合えていた。し かし、やはり、後半ではエリックが暴走してしまう。
暴走シーンはことごとく派手でした。まさか、スタジアムを枠だけ切り取るとは。映画的なみどころはこの辺なのかもしれない。
でも私は、後半のシリアスな戦いが続くシーンよりも、前半のどこかとぼけたほのぼのとするシーンが好きでした。
ペンタゴンの地下に投獄されているエリックを、チャールズ、ハンク、ピーターで助けにいく一連のシーンは大人の社会科見学といった雰囲気が良かった。
ハンクだけはガイドさんについて一緒にまわっているのですが、まさに観光客風というか、おのぼりさんのような服装が可愛かった。ニコラス・ホルトにチューリップ帽がこんなに似合うとは。
あと、ピンチのシーンでのクイックシルバーの1秒もかからない間にこなした仕事の数々を、周りの動きを止めて全部見せてくれる、その映像の作り方がおもしろかった。若者なせいもあるのかもしれないけれど、飄々としていて、でも、きっちりとやることはやるキャラクターにも好感が持てた。
クイックシルバーを演じているのがエヴァン・ピーターズ。『キック・アス』だといまいち冴えない役だったけれど、今作では恰好良かった。だいぶ顔が痩せたせいか、髪の毛が長かったのでホームベース状の顔の形を隠したのか。
今作ではチャールズが酒とクスリに溺れた状態で登場するので、少し『フィルス』のジェームズ・マカヴォイを思い出した。髭もはえている。目の色が綺麗なブルーで、それが強調された撮られた方をしているように思った。
俳優関連だと、やっぱりジェニファー・ローレンスの演技の上手さが目立っていた。前作の時は特に感じなかったのは、私自身が彼女をあんまり意識していなかったからか、今作の方が出番が多いからか。とにかく、今作では目立っていました。人間の姿をしたときはもちろんなのですが、元の青い姿でもジェニファー・ ローレンスとわかった。
calendar
ver0.2 by バッド
about
- asuka
- 映画中心に感想。Twitterで書いたことのまとめです。 旧作についてはネタバレ考慮していませんのでお気をつけ下さい。
Popular posts
-
2013年公開。リュック・ベッソン監督作品。 アメリカ版だと『The Family』というタイトルらしい。フランス版は同じく『マラヴィータ』。イタリア語で“暗黒街での生涯”とかの意味らしいですが、主人公家族の飼っている犬の名前がマラヴィータなのでそれだと思う。別に犬は活躍しま...
-
アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、歌曲賞ノミネート、脚色賞受賞。その他の様々な賞にノミネートされていました。 以下、ネタバレです。 北イタリアの別荘に夏の間訪れている家族の元に、一人の青年が訪れる。家族の父親が教授で、その青年は教え子である。 まず舞台の北イタリアの夏の風景が素晴...
-
2007年公開。このところ、ダニー・ ボイル監督作品を連続で観てますが、 こんなSFを撮っているとは知らなかった。しかも、 主演がキリアン・マーフィー。でも、考えてみればキリアンは『 28日後…』でも主演だった。 映像面でのこだわりは相変わらず感じられました。 宇宙船のシールド...
-
原題は『The Young Pope』。ジュード・ロウがローマ教皇を演じたドラマの後半。(前半の感想は こちら ) 前半は教皇が最強でもう誰も逆らえないみたいになったところで終わった。 ジュード・ロウ自体が美しいし、そんな彼が人を従えている様子は、神というよりは悪魔のよ...
-
Netflixオリジナルドラマ。 童貞の息子とセックス・セラピストの母親の話と聞いた時にはエロメインのキワモノ枠かなとも思ったんですが、母子の関係がメインではなく、そちらを描きつつも、学校生活がメインになっていた。 ドラマ開始から学生同士のセックスシーンだし、どうだろう...
-
試写会にて。わかったことと、わからないこと。 以下、ネタバレです。 クーパーがどうやって助けられたのかがよくわからなかったんですが、あの時のアメリアの顔は幻じゃなかった。映画の序盤でワームホールを通る時に、アメリアが“彼ら”の姿を見てハンドシェイクをする。結局“彼...
-
ドルビーアトモスで観たんですが、席が前方だったせいもあるかもしれないけれど、あまり音の良さはよくわからなかった。前回がIMAXだったからかもしれない。 IMAXと同じく、最初のプロモーション映像みたいなのはすごかった。葉っぱが右から左へ。 以下、二回目で思ったことをちょこ...
-
ほぼ半月あけて後編が公開。(前編の感想は こちら ) 以下、ネタバレです。 流れ自体は前編と同じ。ジョーがこれまであったことを話し、それに対して、セリグマン(今回はちゃんと名前が出てきた。ステラン・スカルガルドが演じている男性)が素っ頓狂なあいづちをうつ、と...
-
ウェス・アンダーソン監督作品。前作の『ムーンライズ・キングダム』は、ブルース・ウィリスやティルダ・スウィントンは良かったし、家の中の撮り方も良かったけど、お洒落映画でしかないかなという感想だった。そのため、今回もかまえてしまっていたけれど、すごく面白かった。 やはり、撮り方な...
-
フランスCanal+、イギリスSkyの共同制作のドラマ。トンネルってタイトルはドーバー海峡のトンネルのことだった。もともとはデンマークとスウェーデンの共同制作で『The Bridge』というドラマだったらしい。 見たのは2013年のシリーズ1(全10話)。来年シーズン3が放映され...
Powered by Blogger.
Powered by WordPress
©
Holy cow! - Designed by Matt, Blogger templates by Blog and Web.
Powered by Blogger.
Powered by Blogger.
0 comments: