『パーフェクト・センス』


五感が失われていくという病気が人々の間に蔓延していくパンデミックもの。とはいえ、広まる原因が感染であるのか、本当に病気なのかなど、詳 しくははっきりされません。最近でいうと、『コンテイジョン』がパンデミックを描いていましたが、あちらが事実をドキュメンタリータッチでとらえ、ドライ にスピード感あふれる編集をしていたのに対してこちらはウェット。『コンテイジョン』が本当にこんなことになったらどうしようと不安になるのに対して、 『パーフェクト・センス』は少しトンデモ風味というか、病気自体にリアリティがないせいかファンタジーに思える。

しかし、『パーフェクト・センス』の場合は事態の収束や病気の原因をつきとめることが主題ではない。その状況下で出会った男女のラブストーリーに作りあげ られている。このアイディアがおもしろい。当たり前に備わっている五感が失われていく不安感の中で、縋ることのできる相手に出会えたことが幸せに思える。 究極の“世界で二人きり感”を作り出すことに成功している。ある意味、ロマンティックとすら思える。

主演はユアン・マクレガー。『フィリップ、君を愛してる!』以降、彼がキラキラして見えてしょうがなくなって、一気に注目俳優になった。去年観た『ゴーストライター』も好きでした。

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