『サンシャイン 2057』


2007年公開。このところ、ダニー・ボイル監督作品を連続で観てますが、
こんなSFを撮っているとは知らなかった。しかも、主演がキリアン・マーフィー。でも、考えてみればキリアンは『28日後…』でも主演だった。

映像面でのこだわりは相変わらず感じられました。宇宙船のシールドが動くところなどはその大きさがものを言うようだったので、映画館で観たかったです。
船外活動をする時の宇宙服が太陽から身を守るためだと思うけれど、ギラギラとした金色なのが変わっていた。顔の部分も溶接マスクのよう。誰かデザイナーでも関わっているのではないかと思うけれど、どうなんだろう。
最初のほうの地球にメールを送るシーンはパソコンの内側から見ているような画面になっているお遊びも。下のほうに表示されている“send”が鏡文字になっていたり。
キリアン演じるキャパと真田広之演じるカネダキャプテンが船外でシールドを直すシーンは、宇宙船の中にいる人たちの左右上側に出ていて、ゲームの一画面のようなデザインだった。
目のショットが多いのもこだわりだと思う。太陽を見つめる目はまるで神様を見るようだった。宇宙服の中の目だけを映すことで緊張感も表されていた。

宇宙船も縦長で、その先にでっかいパラボラアンテナみたいなシールドが付いているという変わった形だった。ただ、この特殊な形のせいだけではないかもしれないけれど、登場人物がどこにいるのかいまいちわかりにくい面もあった。太陽に撃ち込む核爆弾も、宇宙船のどこについているのかわからなかった。ラスト付近でキャパがいた広めの場所も、どこだったのかわからない。

閉鎖された宇宙船内で閉じ込められた形のクルーたちが次第に疑心暗鬼になっていくサスペンスというのは、よくあるといえばよくあるとも思う。逃げ場のないところで、人間関係が崩れていく。

よくあるとはいえ、好きなシチュエーションなのでかまわないんですが、この映画は少し変わってた。
中盤で、行方不明になった宇宙船からの救難信号を受信して、針路を変更するんですが、辿り着いた宇宙船には誰もいない。その宇宙船内を探索しているときに、かつてのクルーたちの笑顔の写真がサブリミナルのように挿入されるのがすごく怖い。「埃は人間の皮膚です」という言葉も怖い。
そして、もとの宇宙船に、4人しかいないはずなのに、AIが5人いるという。名前はわからないと。

結局それは、行方不明になった宇宙船の船長が乗り込んできていたのですが、肌は太陽で焼き爛れていて、その人が追いかけてくるものだから、完全にホラーになる。AIが生体反応がないと言っていたようなんですが、その辺のこともどうしてなのか、わからなかった。
そして、ちゃんと映るわけでもないし、キャストを確認したときに、その船長役がマーク・ストロングだったのはびっくりした。

最後まで観てもいまいちすっきりとはしないでわかりにくい面もありましたが、全体的な世界観や、途中から話のトーンが変わるのは好きでした。

ダニー・ボイルの映画では、エンドロールで使われてる曲にも注目する癖がつきましたが、今回、表示されているのが二曲だけだったのが意外。SFだからそれほど曲も合わないか。

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