『ターザン REBORN』



一応『ターザン』の続編にあたるのだと思う。
いつ以来の続編なのだろうと思ったら、2013年にアニメで作られていたようです。一番最初の映画が1918年でその後、映画やテレビシリーズなど含め、50作品くらい作られているのに驚いた。有名なキャラクターではあるけれど、そんなことになっているとは。

ターザン役にアレクサンダー・スカルスガルド。ジェーン役にマーゴット・ロビー。
サミュエル・L・ジャクソン、クリストフ・ヴァルツも出ています。
監督は私的にはジョン・シム出演のドラマ『ステート・オブ・プレイ』『セックス・トラフィック』のシリーズディレクターであり、世間的にはハリーポッターシリーズの監督で有名なデヴィッド・イェーツ。

以下、ネタバレです。





本作が原作や他の作品を基にしているのかどうかはわからないけれど、ターザンは本名のグレイストーク卿ジョン・クレイトンという名前で、英国貴族として、イギリスで政治にも関わっているようだった。そこは独自性があっておもしろかったんですが、ジャングルへ行ってからはなんとなくどこかで観たような、ありきたりなストーリーになっていたのが残念。

無理を言ってついてきたヒロインが、悪者にさらわれる。ターザンは助けるために奮闘し、悪者を倒し助け出してヒロインにキスをする。
ヒロインの美貌に悪者があわよくばと近づいていくのもよくある要素だ。
もう、最初にヒロインが無理を言ってターザンについてきた時点で、絶対に足をひっぱることになるんだろうなと思った。そして、やっぱりさらわれてイライラしてしまった。

最初、サミュエル・L・ジャクソンが悪者かと思ったけれど、すごくいい奴でした。ターザンと一緒にジャングルを駆け抜けて一緒に戦う。けれど、ターザンのような能力はないので、いちいち驚いたり苦労したりする、観客目線のキャラクター。
どちらかというと、こちらがヒロインっぽくもあった。
ターザンと言えば、植物の蔦を使って木から木へ飛び移るアクションが有名だ。その時に、背中に女性がしがみついている画像もよく見かけるが、あれをサミュエル・L・ジャクソンでやる。

そう考えると、ヒロインは二人もいらないのではないかと思えてくる。捕まった女性を助けるために奮闘するわけではなく、ただ単に悪者を倒すためで良かったのではないか。
でも、ヒロインはジェーンなんですよね。それは、ターザンをやる以上、出さないと仕方ないのだろう。

もういっそ、ターザンじゃなくて、動物を自由自在にあやつれるヒーロー物にすれば良かったのではないか。
その場その場に適した仲間(動物)を使って、危機を乗り越えるくらいの奇想天外なものが観たかった。

最後も船の爆発からどうやって逃げたのかわからない。いつの間にかヒロインの後ろに立っていて、それでめでたしめでたしと言われても雑すぎる。
ワニか水牛の助けで、どちらかの背中に乗って帰ってくるくらいのことはしてほしい。動物との絆が中途半端だった。意思疎通ができているのかいないのか。

ターザンであるがゆえに、過去のおさらいというか、回想シーンがちょこちょこ挿入される。それも、中途半端な場面で入るので、その都度、話の流れが止まってしまうように感じた。
もっと上手い方法はなかったのだろうか。

結局、事態が解決してもイギリスには帰らないようだった。
ジェーンがコンゴで子供を産んでいて、このラストにするならば、無理矢理でもついてこなきゃいけなかったのだろう。

そもそも、なんでイギリスに帰って貴族の生活をしていたのだろう。ターザンという名前で呼ばれるのも嫌がっているようだったし、最初はコンゴに行くことすらしぶっていた。行ってみたら、やはりここが俺の居場所と再確認したのだろうか。

ターザン役のアレクサンダー・スカルスガルドは途中で上半身の衣類を脱ぐのだが、その筋肉に驚いた。『メイジーの瞳』のときには優男風の印象だったし、ドラマ『トゥルー・ブラッド』での裸を見てもこんな筋肉ではなかった。この映画のために体を作ったのだろうと思う。
前半で、英国貴族のすました服装でお紅茶飲んでたけれど、そのブラウスのしたにあんな肉体が隠れていたのだと思うと興味深い。


0 comments:

Post a Comment