『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』


1994年公開。公開当時にとても好きで、VHSのソフトを買い、原作の『夜明けのヴァンパイア』も読みました。

 久しぶりに観たけれど、俳優さんが美形揃い。まず、インタビュアー役のクリスチャン・スレーターがいい。本当はリバー・フェニックスが演じる役だったそうですが、彼も相当いいです。メガネに腕まくりのワイシャツが良く似合ってる。
 ブラッド・ピットも若くて、はかなげで思いつめたような表情が綺麗です。現在のブラピから考えると、いくら白塗りでカラーコンタクトを入れたところで物憂げな美青年役は想像できないけれど、あれは若さでしょう。
 そして、やっぱりトム・クルーズがとても恰好良い。衣装やヘアスタイルやメイク、それに痩せているせいかもしれないけれど、それまでアメリカンでカラッとした印象だったトムが、見事に美形のヴァンパイアになっている。ポスターやジャケットに使われているセピア色っぽいイメージも綺麗で、もともとはこれが気になって観ることにしたのでした。ストーリーではなく、完全にヴィジュアルから入った。

 ストーリーは、改めて観てみて、こんなに少女漫画っぽかったかと思った。綺麗な男性たちが華美な衣装に身を包んでいて、屋敷などの装飾もゴテゴテしている。 その中で、吸血鬼には性別がないのではないかと思うくらい、レスタト(トム・クルーズ)はルイ(ブラッド・ピット)のことを好き好き綺麗と言い続けてる。少女のヴァンパイア(キルスティン・ダンスト! これも驚いた)のことをレスタトは「私とルイの娘」と言っていたし、ルイがこの子に執着すると、あからさまに嫉妬していた。あとから出てくるアーマンド(アントニオ・バンデラス)もルイに一目惚れしていた。
 また、ヴァンパイアもの特有の、吸血シーンにおける死と隣り合わせのエロティシズムも備えている。吸っている側が欲望を満たしている間、吸われている側も気持ち良さそうな顔をしている。お耽美に徹しています。

 それで、すっかり忘れていたんですが、ラスト、車で逃げようとするインタビュアーが後部座席にいたレスタトに噛まれたところで思い出した。ラストが最高だった。
 倒れたインタビュアーの代わりに運転席に座ったレスタトが、ビルの合間をドライブしながら、カーステでガンズをかけちゃうっていう。いままでの流れが完全に無視されて面食らう。お耽美を一気にかなぐり捨てる様が痛快。そのまま、エンドロールもガンズです。続編ではレスタトがロックスターになるっていう奇想天外な展開が待ってるんですが、おそらくそれの布石ですね。
 続編は映画化されてないものだと思い込んでいたんですが、されてた(『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』)。でも、レスタトを演じているのがトム・クルーズではないです。残念。

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