『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』



一作目が2001年公開、二作目が2004年、それから12年経っての続編である。劇中も二作目から10年後という設定。

監督は一作目のシャロン・マグワイア、主演は同じレニー・ゼルウィガー。お相手役はコリン・ファースは変わらずだが、ヒュー・グラントではなくパトリック・デンプシーになっている。

一作目二作目は原作小説があったが、今回は原作ではなく原案扱いなので小説ではないのかもしれない。

以下、ネタバレです。







予告で見た通りというか、それ以上のことは起こらなかった印象。
まだ結婚していないブリジットが妊娠し、二人の男の人の父親がどっちかわからないというすったもんだが起こるというそれだけの話。

私はどっちが父親なんだろう?三人で生活するのもいいのかもしれないみたいなことを考えていたけれど、夢物語というか、THE ヒロインのブリジットにすべてが都合よく動き、ダーシーと結婚するという。
既婚者のダーシーはちょうど離婚するところだったし、グラストンベリーで一晩を共にした男性は大金持ちの有名人でしかもいい人、高齢出産で危険なことも何も起こらない。

ただ、多分ブリジット・ジョーンズシリーズとはそうゆうものなのだろう。人間ドラマというよりはコメディなのだ。深刻になっても仕方がない。
そして、私はこのシリーズ自体に特に愛着がなかったのでわからなかったけれど、好きな人は多分最後はダーシーと結婚するということを知っていたのだ。一応三角関係という体をとっていても、所詮当て馬なのだ。
ドジな女の子と気持ちがうまく表せない男性の話であり、もう一人はその二人を盛り上げるためのかませ犬でしかない。

本作でも、ダーシーに比べてジャック(パトリック・デンプシー)の扱いの雑さが気になったけれど、所詮ダーシーの引き立て役なのでそれでいいのだと思う。
キャラの作りが雑すぎて、これ別にジャックじゃなくて旧作のダニエル(ヒュー・グラント)でもよかったじゃないか…と思ったけれど、ダニエルだと本気っぽくなってしまい、勢いでも一晩を過ごすのはダーシーにとってシャレにならない。だったら、まったく知らない人間のほうがまだダーシーが傷つかない。出番がちょっと多いだけでモブとそれほど変わりない。

映画館のキャンペーンで、二人のどっちとくっつくかを予想するクイズのキャンペーンが行われていたけれど、これも、答えが丸わかりの穴あきクイズと同じようなものなのだろう。

多分プロレスというかお約束のようなもので、ブリジット・ジョーンズファンは、用意されたハッピーエンドは知っているけれど、ブリジットとダーシーの恋模様をひやひやした面持ちを作りつつ見守っていたのだ。きっと、ファンにはこの予定調和というか、このシリーズの変わらないところがたまらないのだと思う。
現実味がないと言って首を横に振るのは、ブリジット・ジョーンズシリーズのルールがよくわかっていなかったのだ。

そういえば、元々が『高慢と偏見』の二次小説的なものなのだ。ダーシーに花を持たせるに決まっている。

それで、私が特にブリジット・ジョーンズファンではないけれどなぜ観に行ったかというと、ダーシー役のコリン・ファースが好きだからです。

生真面目役のコリン・ファースは恰好よかった。
江南スタイルを楽しそうに踊っているブリジットを見るダーシーは、なんとなく『高慢と偏見』の舞踏会のシーンを彷彿とさせた。
妊娠を告げられた時に、一回席を外していたけれど、きっと廊下でにっこりしていたに違いない。叫びたい気持ちを押し殺したかもしれない。少し経って戻って来たダーシーは無表情だった。一瞬冷静さを欠いた様子が可愛かった。

また、最後の結婚式のシーンで、バージンロードを歩いていたブリジットの手をとって小さく「Hello.」と言うシーンの優しい声色が本当に素敵でした。

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