『僕達急行 A列車で行こう』


丸の内TOEIにて鑑賞。上映前に「携帯電話の電源をお切りいただくか、マナーモードに…」というアナウンスが入ったのが気になった。マナーモードでも画面が光るし、振動音が気になることがあるからやめてほしいです。映画を観る人のことを考えていない、こんなアナウンスをされたら、映画館自体の印象が悪くなってしまう。偏見かもしれないですが、シャンテあたりとは客層が違うし、上映中のおしゃべりも気になった。
それでも、ひさしぶりのTOEIだったので、予告がいろいろ初見だったのは良かった。『苦役列車』は山下監督なので観るつもりだったけど、高良くんが出るのでより楽しみになった。『北のカナリアたち』は雪の映像だけで、まだちゃんとした予告が出来上がってなかったけど、11/3公開だそうで、こちらも楽しみ。


『僕達急行』自体はすごくおもしろかったです。 もしかしたら、雰囲気がゆるすぎる面から賛否両論あるかもしれないけど、私は好きでした。

鉄道好きじゃなくても問題ないとは思うけど、好きなほうが楽しめるとは思います。登場人物の名前、携帯の着信音、チェックのシャツなど、小ネタが満載なので。あと、鉄道好きな人たちの気持ちがわかるので、いちいち共感できて、観ていても蚊帳の外にならない。東京から福岡に鉄道で行ってみたいと思う人向けかもしれません。

悪者らしい悪者が出てこなくて、映画全体がほわほわしていて、ストーリーも気持ち悪いくらいに丸くおさまるので、リアリティはないんだけど、観ている最中や観た後にすごく幸せな気分になれる。
あと、会話が棒読みなのもリアリティの無さを増長しているんですが、これはたぶんわざとでしょう。会話の仕方以前にセリフの作り方も変わっていた。本来なら「◯◯してたんだよ」というのが話し言葉では自然だと思いますが、「◯◯していたんだよ」になっている。このセリフだと、自然と棒読みになる。
でも、セリフは棒読みでも、表情などから本当に鉄道好きに見えてしまうのは、松山ケンイチ、瑛太の演技力の高さなのだろう。あと、ピエール瀧も案外しっかりとした演技をしていて驚いた。
以下、ネタバレ。







主人公の男の子は結局二人とも女性に振られてしまい、まあ落ち込むなよという気持ちをこめて二人で電車の旅に出かけるんですが、このような次に繋がるラストが好きです。
出演者同じまま『僕達急行2』でも作ってほしかったけど、森田監督の遺作なのでかなわぬ願いです。 
エンドロールの最後、監督手書きの“ありがとう”の文字にほろり。それはこちらの台詞ですよ。楽しい作品をつくってくれて、ありがとうございました。

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