『SHAME-シェイム-』


セックス依存症の男が主人公だとか、過激すぎて公開が危ぶまれたとか、映画中セックスしかしてないとか衝撃的な話題ばかりが先行してましたが、もっと詩的でおとなしい映画でした。過激さでいったら、同じ18禁でも『アンチクライスト』のほうが上。別に過激さを求めていたわけではないので、だから良いとか悪いという話ではないです。好き嫌いなら『SHAME』のほうが断然好き。あと、どちらも18禁でセックスシーンが出てきますが、エロくないです。

主人公の背景とか人物の関係についてなど、あまり説明がなくて、察せよという部分が多いので、解釈があっているのかどうかわかりませんが、孤独感と圧倒的な飢えと哀しさが際立っていた。

主演のマイケル・ファスベンダーとその妹役のキャリー・マリガンの演技が良かった。キャリー・マリガンは、『わたしを離さないで』『17歳の肖像』と今作でまったく違うイメージの女性を演じているけどどれも可愛い。『わたしを離さないで』ではふわっとしたボブで落ち着いたヘアカラーで真面目な子の役、『17歳の肖像』では黒に近いロングヘアーでお嬢様役、今回は金髪でビッチ風です。

マイケル・ファスベンダーは私の中では『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の印象が強いけど、ここまで演技のできる役者さんだと思ってなかった。ほとんど一人で出ずっぱりです。指が細いんだけど、少しゴツっと男性的なのも素敵。
以下、少しネタバレです。



兄妹の間に近親相姦的な関係があった?とも思ったけれど、話がそちらへは進まなかった。確かにセックスシーンの多い映画ではあるけれど、二人は安易に行為には及ばなかった。本当に何もないのかもしれないし、この辺も察せよということなのかな。妹が兄の部屋でかけていたレコード、Chicの『I want your love』が印象的。

あと、電車の中の女の人の指輪の数は気づきませんでした。どうだったんだろう。

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