2011年公開。三谷幸喜監督作品。
初期のものと比べるともう舞台っぽさはなく、普通のドラマのようになってしまっている。
それより何より、三谷幸喜といえば、脚本がしっかりしているのを期待していたんですが、まったく駄目でした。ただの寄せ集めコントのよう。
登場人物が多いのはいままでもそうだったけれど、それでもキャラクター個々に愛が感じられた。今作ではないがしろにされている。出なくてもいいキャラが多い。有名な役者さんを出したかっただけじゃないのかと思ってしまう。
序盤の、主人公が他の人には見えない落武者と話すシーンだって、タクシー運転手相手にやるだけでいいのに、ファミレスでも同じことをやっている。タクシー運転手役は生瀬勝久でファミレス店員は深田恭子。きっと両方出したかったんでしょうがくどい。佐藤浩市が登場するシーンだって、ストーリーに関係ない。そんなシーンがたくさんあって、トータルタイム142分。長過ぎる。
また、主人公の上司役の阿部寛だって、都合合わせのためだけに死なせた感が否めない。唐突すぎるし、主人公も少しも悲しまない。むしろ、霊界への連絡係ができて良かった待ってましたとばかりの態度だった。コメディだから何をしてもいいというわけではないと思う。
意識したわけではないんでしょうが、霊と裁判の組み合わせって、すでにゲームの逆転裁判でやっちゃってるんですよね。なので、どうしても思い起こさせるシーンが多かった。
それに、霊を出しちゃったらなんでもありで、推理として感心するところは何一つなかった。しかも、一番のオチが殺された人を幽霊で呼び出して、「お前に殺された」ってちょっとお粗末すぎる。
昨日今日と連続で三谷幸喜脚本ものを見てきて、明らかに今作は適当な作りだった。なにより、くすりとも、一回も笑えなかった。『ラヂオの時間』『笑の大学』は何回も声に出して笑ったのに。
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