『イントゥ・ザ・ストーム』


巨大竜巻によるパニック映画。翻訳がアンゼたかしさんだというのと4DX向きだというので観ました。

以下、ネタバレです。








いままで、4DXで『パシフィック・リム』と『ゼロ・グラビティ』を観たことがある。『ゼロ・グラビティ』に関しては、動かないほうが落ち着いて観られるというか、動かないのに動いている感じが良かったということに4DXを観た後に気づいたのですが、『パシフィック・リム』は本当にイェーガーに乗っている感じがして感動した。
それで、この『イントゥ・ザ・ストーム』なんですが、これも4DXで観て良かった。いろいろなものが飛んで来るのでできれば3Dで観たほうが迫力があったかもしれない。しかし、2Dの4DXでも充分に臨場感が味わえた。

まず、ファウンド・フッテージ形式なのがいい。竜巻を観測する人、Youtubeにアップしようとカメラを持ち歩く自称冒険家、卒業式を撮影しようとする学生とみんながビデオカメラを持っている。
竜巻のシーンでなくても、冒険家がバイクに乗っているシーンのウェアラブルカメラでもう楽しい。視点は完全に運転しているようになっていて、それに合わせて座席も揺れる。

おそらく、途中で竜巻に巻き込まれるのだろうなというのはなんとなく想像していて、その時に座席が大きく揺れるんだろうと思っていたのだけれど、それ以上に風と雨が本物っぽかった。
建物から外に出た時に、ひゅうっと横から吹いて来る風。それに、上空からパラパラと降って来る雨。雨の時に傘をささないで外に出たときの、ああ、雨が降って来ちゃった、しかも風が出てる、いやだなあと思う気持ちになったのだ。映画館の椅子に座りながら。
もちろんその時に、スクリーンでは嵐の前兆のようなシーンが流れている。

ストームにイントゥする映画だというのはタイトルからもわかるから、やはりその瞬間を待ってしまう。中盤に出て来るのは細い竜巻が数個。それでもとんでもないことになったと思うんですが、それが去った後で、終盤にとんでもないデカさの竜巻があたかもKAIJUのように迫って来る。
主人公たちは壕のような場所でなんとか凌ぐんですが、うち一人が車ごと竜巻に巻き込まれてしまう。その車にはカメラが搭載されているから、当然その視点でも見せてくれる。一瞬、しんとなったと思ったらそこは竜巻の一番てっぺんで、雲の上だから太陽も出ているし、綺麗ともいえる景色が見える。
『ゼロ・グラビティ』を観た時に、私は一生宇宙に行くことはないだろうけれど、束の間だけ宇宙を体験出来た。
この映画はそれと同じで、実際に竜巻に巻き込まれるのはいやだけれど、映画を観ることで巻き込まれ体験をすることが出来るのだ。それが、4DXだとおそらくより本物の体験に近づいているし、アトラクションっぽくもなる。
台風が来た時の少しわくわくしてしまう気持ち、川を見に行きたくなる気持ち、それらが安全な場所で発散出来る。

この映画は竜巻シーンがやはり一番盛り上がるところだし、竜巻シーンを心待ちにしてしまう。でも、人間ドラマ的な部分の特に主人公というか、兄弟と学校の教頭であり父親の三人のシーンはもっと見たかった。兄弟は外見も性格も似ていなそうだったけれど、結局仲良しな面をもっと見たかった。
父親役はリチャード・アーミティッジ。『ホビット』のトーリン・オーケンシールドはもうそこにいるだけで大丈夫というか安心感みたいなものが生まれてくる役だったけれど、今回の役柄もこのお父さんならきっと助けてくれる!と信じられる役だった。がっちりした体格は頼りがいがありそうで、高い鼻に誠実さが現れている。

あと、自称冒険家の若者二人組は、Youtubeで閲覧数を稼いで有名人になってモテたい!みたいなことを言っている、いかにもな雑魚キャラだった。酒を飲んで竜巻に巻き込まれてしまい、まあそうだよね、こうゆう人たちはパニック映画ではすぐに死んじゃうよね…と思っていたら、最後の最後で木に引っかかって二人とも生きているというオチがついていた。
竜巻が過ぎ去った後のめちゃくちゃになった町を復興しようとしている人たちの映像のあとにそのシーンがあるので、ちょっとしんみりのあとにちゃんと笑いがとっておいてあるのがすごく良かった。

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