『モンスターズクラブ』


一応、ストーリーは“アメリカの連続爆弾魔、ユナ・ボマーからインスパイアされて”とのことですが、その予備知識は特に必要なかったと思う。
前作『蘇りの血』と似ていて、死者との関わり、生と死の境界のあやうさみたいなものが描かれていたように思いますが、理解しきれていないです。死んだ人間に呪われるというよりは、呪われるために自分から死者にコミュニケーションをとりにいく。豊田監督の前作、今作はアート色が強く、静かで詩的でした。でも本当は、もっとエンターテイメントに特化した作品が観たい。

サマーキャンプのシーンは夢なのか過去の話なのか曖昧だけど、あのあたりをもっと長くしてほしかった。他の部分はほぼ瑛太の独白だったり、対話があっても死者との二人きりのものだった。それより、サマーキャンプでの生きている人間との会話が見たかった。家族のキャストも魅力的でしたし。

窪塚洋介は良いですね。特に演技がうまいとは思わないけど、あぶなかったりあやうかったり、独特の雰囲気を持っているから重宝されそう。園子温監督作品にも出てきますが、この先もいろいろ出演するのではないかと思う。

KenKenはあれは演技なのか素なのかわからなかったけど、結構うまかったし、見た目のインパクトが強い。RIZEのベースの人らしい。それで、金子マリの息子さんだった。
少しhydeに顔が似てると思って調べてたら、hydeやSUGIZOのアルバムに参加してた。DIEちゃんやスティーヴ・エトウなんかと一緒にバンドやってたり、森岡賢のソロを絶賛していたり、ああ、その界隈か! 豊田監督がその界隈に強いんですね。

今回の音楽を担当していたのも元ブランキージェットシティの照井利幸。前作、『蘇りの血』の主演は中村達也だった。でも、ベンジーとはカラーが違いそう。
ちなみに次作『I’M FLASH!』で主題歌を担当するスペシャルバンドのメンバーというのが、チバユウスケ、ヤマジカズヒデ、中村達也、KenKenだというから、まさにスペシャル。過去の作品の出演者や主題歌を担当したバンドからメンバーを集めただけでこの豪華さ。楽しみです。

0 comments:

Post a Comment