『ヤング≒アダルト』


ジェイソン・ライトマン監督作品。『サンキュースモーキング』『JUNO』『マイレージマイライフ』と、彼が監督している作品は全てそうですが、登場人物の作り方と描き方がうまい。

主人公は“普通”からははずれてるんだけど、奇抜すぎない絶妙なはずし方をしてくる。他の監督が作ると、もしかしたら、突飛過ぎるキャラになってしまうかもしれない。しかし、彼はその普通じゃない人らをこれでもかというくらい丁寧に描く。いい面も悪い面も、すべてを愛を持って描ききるので、奇抜なキャラも人間くさくなるし、身近な存在に思えてくる。主人公だけではない。周囲の人々についても、一人一人がしっかり作られているから話に入り込みやすいし、作品がリアリティのあるものになる。

今回もいままでと同様、人間の描き方がうまい。変わった主人公がすったもんだを起こして、少しだけ成長して終わるという流れも一貫していた。全体の雰囲気は同じような感じかもしれないけれど、一貫して面白いものを作ってくるのがさすがです。

オープニングで、昔の男に会いに行くときに、あの頃の曲を聴きながら向かうというのは、身に覚えのある話で見ていられなかった。しかも、Teenage Fanclub『The Concept』 ですよ。ちょっと、口ずさみながら、何度も何度も繰り返し流す。しかもカセットテープで。描写が細かすぎて、胸をえぐられるようだった。
このオープニングは映像自体も凝っていて、かなり力の入ったシーンだと思った。

主演のシャーリーズ・セロンは、怖いくらい綺麗でしたが、この映画ではそれがそのまま痛々しさに繋がる。演技もうまかったです。

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