『フライト・ゲーム』


公開前ですが、オンライン試写会が当選したので観ました。最初と最後に少し野外のシーンがあるけれど、ほとんど飛行機内の出来事で映画が構成されている。『アイム・ソー・エキサイテッド!』と同じ構成ですね。内容はもちろん違っていて、こちらは閉鎖空間を生かした謎解きアクションです。

以下、ネタバレです。






オンライン試写会ですが、犯人が出る少し前に映像が終わって、犯人を予想して投稿、その後続きが視聴できるという企画のものだったのですが、難しく考え過ぎてしまったというか、願望が出てしまった。
女性陣のキャストが豪華だったので、彼女らになにかしらの過去があって犯行におよんだのかと思ってしまった。

職業を明かさない、何故か窓際に座りたがるなど、謎の部分を持った乗客を演じたのがジュリアン・ムーア。主人公がアルコール中毒だというのは映画半ばで明かされるんですが、それを最初から知っていた様子のCA役にミシェル・ドッカリー。理由までは予想していなかったけれど、この二人の共犯かと思った。それか、どちらかが犯人で、どちらかが主人公と最後に恋仲になる。
観てるときには気づいていなかったんですが、もう一人のCA役はルピタ・ニョンゴだったらしく、知っていたら三人の共犯を疑ったかもしれない。

実は、一番最初は主人公を疑っていた。犯人が指定した20分後に殺してしまうのは彼だし、外側から追いつめられるようにして、気づいたらハイジャック犯のようになっている。おまけにアルコール中毒。
目に見えない犯人からのメールとやりとりをしているけれど、本当にそんな人物が存在するのか。二重人格とまではいかないにしても、一人でやっていることではないのか…。
このような精神的に不安定なリーアム・ニーソンを望んでしまうのは、たぶん『サード・パーソン』の影響だと思うんですが、もしかして…と序盤は思っていた。

しかし、結局、犯人はそれほど意外な人物でもなかったし、殺し方もあまり明らかにされなかった。
私は『96時間』などを観ていないため、あまりイメージではなかったんですが、そういえばリーアム・ニーソンはアクション俳優でもあるんですよね。おそらくこの映画は、謎解きというより、アクションに比重を置いた映画なのではないかと思う。

リーアム・ニーソンの繊細さ、不安定さはいかされていたと思うけれど、女性陣のキャストの豪華さがいかされていないのは残念。登場人物が多い作品なので仕方がないけれど、それぞれの演技は良かったので、もっと出番が多いと良かった。せっかくなので、もっと人物描写が見たかった。それか、誰かが、もしくは全員が犯人で、後半に豹変してほしかった。

閉じられた空間の中で、Wi-Fiを使ってのメール送受信で犯人とやりとりをしつつ、一人一人が殺されて行くというのは面白かった。まるで、アガサ・クリスティの作品のよう。そのため、肝心の謎解きにもっとひねりがあると良かったのにと思う。犯人がわかってからが盛り上がりに乏しいのがもったいなかった。

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