『シカゴ』


2002年公開。日本では2003年。アカデミー賞もとった有名ミュージカル映画ですが観てなかったので観ました。

内容も知らなかったので、パッケージの三人は敏腕マネージャー(リチャード・ギア)と、人気ダンサー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と、人気ダンサーにいじめられる新人ダンサー(レネー・ゼルウィガー)かと思ったし、舞台はキャバレーかナイトクラブだと思ってたし、ショービジネスがテーマだと思っていた。

そのため、レネー・ゼルウィガー演じるロキシーが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じるヴェルマの舞台を憧れをもって見ていて、きっとこの先、この子も舞台に立って、ヴェルマにいじめられながらも、敏腕マネージャーの力添えなどでのし上がり、最後には恋仲になるかなんかして、恋も仕事もうまくいった!みたいな話なんだろうなと思いながら観ていたら、序盤でロキシーが不倫相手を銃で撃ち殺したので驚いた。
おまけに人のいい夫(ジョン・C・ライリー)を騙して罪を逃れようとするなど、ロキシーはずる賢い人物だった。もっと夢にあふれた純粋な女の子なのかと思っていた。

結局、かなり序盤に刑務所に入れられ、ヴェルマとも刑務所で会う。敏腕マネージャーだと思ってたリチャード・ギアも弁護士で、しかもやり手ではあるけど金に汚く、誰とも恋仲になどならない。

弁護士だけでなく、ロキシーもヴェルマも、登場人物が全員したたか。いい人はロキシーの夫だけだった。

すごく広い意味で見たらショービジネス界が舞台だけれど、この映画自体はほぼ刑務所内が舞台である。でも、女性刑務所内の上下関係やのし上がり方はショービジネス界と瓜二つ。
また、いくら世間が注目していても、よりセンセーショナルな話題を持つほう(猟奇殺人を犯したほう)にどんどん人気が移っていくさまも同じである。
この対比が妙でおもしろかった。

また、刑務所内だともちろん景色も地味、服装も地味なのですが、ミュージカルシーンだけはナイトクラブ仕様に変わる。通常シーンのまま急に歌い出すタイプのミュージカルではなかった。囚人たちも弁護士も、煌びやかな衣装に身を包み、舞台もギラギラ豪華になっていた。

女囚人6人がそれぞれの投獄の理由を歌に乗せるのも恰好良かった。殺人シーンもパントマイムのようで、怖くない。血も赤いスカーフ。

ロキシーと弁護士の腹話術の歌が特に好きでした。ロキシーは人形に扮しているのでメイクが過剰。後ろで記者たちが操り人形になってるのも可愛い。

レネー・ゼルウィガーがキュートだった。ブロンドにパーマで、まるでマリリン・モンローのよう。ずる賢いけど憎めない。カールの大きさで印象が変わるのもかわいかった。
歌もダンスもうまかったけれど、この映画まで経験がなかったらしいのがすごい。演技もできれば歌って踊れる。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズはさすがに歌もダンスも素晴らしく、迫力があった。
この二人は劇中でも嫌いあっているし、ずっと刑務所にいるし、最初に想像していた通りには競演することはないと思ったが、一番最後で二人揃った。見応えがありました。

リチャード・ギアはいままであんまり好きではなかったけれど、詐欺師まがいの役がよく似合っていた。“素敵な笑顔”が胡散臭く見える。
歌は上手すぎず下手すぎずといった感じでした。タップダンスはご本人らしいけど、かっこよかった。

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