『キラー・スナイパー』
Posted by asuka at 2:44 AM
アメリカでは2011年公開。日本ではおそらくDVDスルー。
まったく調べずに観ていたんですが、若い無名監督だと思っていたら、『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン監督だった。78歳。
後半にエロ鬼畜というか、少し過激なシーンが入るため、まさか、78歳の方が監督とは思わなかった。
もともとは、原題である『Killer Joe』と同名タイトルの舞台劇が原作らしい。
少し変わった話で、観ながらも、気持ちの持って行き方がよくわからなかった。
エミール・ハーシュ演じるクリスが自分の母親を保険金目的で殺そうと、マシュー・マコノヒー演じる殺し屋のジョーを雇う。
ジョーは警察官でもあるようだったので、実は事件の捜査をしていて、最後に警察官としての本領を発揮するのかと思ったらしなかった。
ジョーは、劇中でも“死んだ目をしている”と言われているんですが、何を考えているかわからない怖い人物。なんとなく、最後に正義感を発揮して安心させてもらいたかったのかもしれない。
しかし、最後まで怖いまま、むしろ、最後の方になるにつれて、怖い方に本領を発揮していた。
その怖い男を演じるマシュー・マコノヒーの演技が良かった。
ジュノー・テンプル演じるクリスの妹、ドティーがとても可愛いのですが、彼女を“担保”としてもらったときの部屋での様子も素晴らしかった。
怖い男なので、暴力的にどうにかするのかと思ったら、好きになった相手にはとても優しい。それでいて、きっちり手は出すし、そのシーンのセクシーさも良かった。
けれどやはり、最後の継母を殴るあたりからの鬼畜演技がすごかった。女性の顔面にパンチを入れて、血だらけの顔面のまま、男根に見立てたフライドチキンをしゃぶらせる、やりすぎともいえる描写。各国でR指定になっているみたいだけど、おそらくこのせいだと思う。
この映画に限らず、なんとなく、主人公はまともであってほしいとどこかしらで思いながら映画を観ているようで、ジョーが怖く、クリスも情けない以上、もう誰を心の拠りどころというか、共感どころにしていいかわからない。それで、気持ちの持って行き方がわからなくなってしまったのだと思う。
calendar
ver0.2 by バッド
about
- asuka
- 映画中心に感想。Twitterで書いたことのまとめです。 旧作についてはネタバレ考慮していませんのでお気をつけ下さい。
Popular posts
-
アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、歌曲賞ノミネート、脚色賞受賞。その他の様々な賞にノミネートされていました。 以下、ネタバレです。 北イタリアの別荘に夏の間訪れている家族の元に、一人の青年が訪れる。家族の父親が教授で、その青年は教え子である。 まず舞台の北イタリアの夏の風景が素晴...
-
ウェス・アンダーソン監督作品。前作の『ムーンライズ・キングダム』は、ブルース・ウィリスやティルダ・スウィントンは良かったし、家の中の撮り方も良かったけど、お洒落映画でしかないかなという感想だった。そのため、今回もかまえてしまっていたけれど、すごく面白かった。 やはり、撮り方な...
-
いわゆるロードショー公開はされない注目作を上映するのむコレ2018にて上映。 今年公開された映画らしい。 あまり内容を調べずに観たので、タイトルと、主演が『ゲーム・オブ・スローンズ』のラムジー役でお馴染み、ウェールズ出身のイワン・リオンだったため、RAFのイギリス部隊の話かと思っ...
-
試写会にて。わかったことと、わからないこと。 以下、ネタバレです。 クーパーがどうやって助けられたのかがよくわからなかったんですが、あの時のアメリアの顔は幻じゃなかった。映画の序盤でワームホールを通る時に、アメリアが“彼ら”の姿を見てハンドシェイクをする。結局“彼...
-
ドルビーアトモスで観たんですが、席が前方だったせいもあるかもしれないけれど、あまり音の良さはよくわからなかった。前回がIMAXだったからかもしれない。 IMAXと同じく、最初のプロモーション映像みたいなのはすごかった。葉っぱが右から左へ。 以下、二回目で思ったことをちょこ...
-
2013年公開。あんまり評価がよくなかったので映画館へは行かなかったんですが、ハリー・トレッダウェイが出ているということで観てみたらおもしろかった! 映画館で観れば良かった。 149分と多少長く、長いわりにエピソードが細切れでまとまってない印象はあったけれど、これも劇場で観ていれ...
-
ほぼ半月あけて後編が公開。(前編の感想は こちら ) 以下、ネタバレです。 流れ自体は前編と同じ。ジョーがこれまであったことを話し、それに対して、セリグマン(今回はちゃんと名前が出てきた。ステラン・スカルガルドが演じている男性)が素っ頓狂なあいづちをうつ、と...
-
IMAXレーザーというと109シネマズ大阪エキスポシティのものが有名ですが、このたび109シネマズ川崎と名古屋にも導入された。そのプレオープンで『ダンケルク』の上映があったので行ってきました。 ただし、大阪のレーザーはGTテクノロジー(旧次世代レーザー)という名称で、スクリーンの...
-
新宿シネマカリテにて、毎年行われているちょっと変わった作品を集めた映画祭カリコレにて上映。 ステファン・ダン監督初長編作品。カナダ出身なのと、同性愛もの、家族もの、音楽がふんだんに取り入れられたスタイリッシュな映像…ということこで、第二のグザヴィエ・ドランというふれこみの...
-
2000年公開。曲や映像づくりなど、とてもダニー・ ボイルらしい映画だった。 幻のビーチに辿り着くまでの話なのかと思っていたけれど、 かなり序盤でビーチには辿り着いてしまう。 そこから物語が展開していくということは、 ビーチがただの天国ではなかったということ。 一人旅の若者が...
Powered by Blogger.
Powered by WordPress
©
Holy cow! - Designed by Matt, Blogger templates by Blog and Web.
Powered by Blogger.
Powered by Blogger.
0 comments: