『ミッドナイト・スペシャル』



2016年アメリカ公開。日本では2017年にDVDスルー。
監督は『MUD』、『ラビング』のジェフ・ニコルズ。原作があるものなのかと思っていたけれどないようで、脚本もジェフ・ニコルズらしい。

謎の力を持った少年を男性二人が連れ出して、それをカルト教団や国家安全保障局が追うという内容。少年はゴーグルを付けていて、なぜかと思ったけれどはずすと目が光って周囲を攻撃する。力を抑制するためだったらしい。
また、人工衛星を落としたりと力はかなり強そうだった。急に謎の言葉で話し始めて、ラジオを合わせるとまったく同じ内容が流れていたりもした。
結局、自分は『上の世界』から来てそこへ帰るのだと言い出す。宇宙人みたいなものだったようだ。
男性二人のうちの一人は父親、もう一人は父親の幼なじみだった。そして、母親と大人三人で少年に対する追跡を振り切りながら、帰るのをサポートする。

おもしろくなくはなかったけれど、ちょっと描き足りなかったかなと思った。逃げているシーンから始まるから、少年と親の平和だった頃の心の交流はあまり描かれていないから、いざ別れるとなっても、どれだけの仲だったのかよくわからない。特に、母親と少年はあまり近しい存在には見えなかった。
また、幼なじみもなぜそこまでしてサポートしてくれるのかよくわからなかった。父親とどの程度仲が良かったのだろうか。
含みを持たせたラストは良かったと思うんですが、少年の力についてもいまいち不明。不明でいいのかもしれないけど。できれば全6回くらいのテレビドラマにしてほしかった。

ただ、父親がマイケル・シャノン、幼なじみがジョエル・エドガートン、少年がジェイデン・リーバハー(『IT』の吃音の少年、ビル役)、母親がキルスティン・ダンスト、カルト教団の教祖がサム・シェパード、国家安全保障局の男性がアダム・ドライバーとキャストがすごく豪華で、全員とてもうまい。
特に、描かれていないけれど何かを捨てて決意して一緒に行動しているんだろうなと思わせるジョエル・エドガートンの物悲しさと強さを感じる演技が良かった。あと、アダム・ドライバーの弱気で情けなさそうだけれど優しく多分仕事ができるんだろうなと思わせる演技も良かった。彼らの話も連続ドラマだったらもっと詳しく描かれたはず…。

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