『アベンジャーズ/エンドゲーム』



MCU22作目。今回で最後とのこと。
もちろん『インフィニティー・ウォー』の直接的な続編ですが、『アイアンマン』から続く一連のMCUすべての作品の集大成になっていた。

以下、ネタバレです。








MCU作品は増え続け、それに伴いアベンジャーズも増えて、キャラの交通整理力が試されるところですが、今回はサノスの指パッチンで消された人たちを救うための戦いなので、残っているヒーローたちの活躍が主である。人数が減っているので、多少、交通整理も楽なのかな…と考えると、もしかしてルッソ兄弟がサノスなのでは…とも考えてしまう。

『インフィニティー・ウォー』の時にはそこまで意識していなかったと思うんですが、残ったのはアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ソー、ハルクということできれいに初期メンバーは残っていた。前回は場所がいくつかに別れていたので、わからなかったのかもしれない。本作で集合して初めて気がついた。宇宙組がアイアンマンとネビュラ、キャップのほうにはウォーマシーンとロケットとポッツがいる。また、キャプテン・マーベルとアントマン、ホークアイも加わる。

サノスは人類を半分にした後、自分は農業をやりながら自給自足で暮らしていた。少しのどかにも見えた。ガントレットを奪い、もう一回指パッチンをして消された人たちを戻そうと、ヒーローたちはサノスの元に乗り込むんですが、サノスはもうインフィニティストーンを消してしまっていた。
サノスの元に乗り込むのも序盤すぎてびっくりしたが、そこで、ソーが怒りのあまりサノスの首を切って殺してしまうのもびっくりした。え? じゃあこれ、なんの映画なの?と思っていたら、5年後に飛ぶ。まさか、人類の半分が消えてから5年も経過するとは思わなかったからここもびっくりした。

そして、量子世界に閉じ込められていたスコット・ラングが現れて、タイムマシン作戦を敢行することになる。過去に戻ってインフィニティストーンをそもそも奪われないようにする作戦だ。
しかし5年である。スタークはポッツが生きていたから結婚して子供もいる。今は今でそれなりに幸せだから、今の生活を脅かすような危険をおかしてまで過去に戻りたくない。また、ハルクは怒りをコントロールできるようになって、見た目的にもハルクとバナー博士のハイブリッドというか、マーク・ラファロ気味の顔のハルクになる。ソーはすっかり荒れた生活で、アルコールが大好きで(元々好きだったが…)、腹がでっぷりとしている。ソーは途中で格好いいソーに戻るのかと思っていたが、最後までこのままだった。髪も精悍だった短髪ではなく、長髪、しかも洗ってなさそうな長髪…。ポスターやパンフ、グッズ、イベントなどではかっこいいソー、かっこいいクリス・ヘムズワーズなので、ネタバレ対策がされているのが少しおもしろい。
しかし今回、ムジョルニアもキャップが持ててしまうし、いいところをすべてとられている。ハルクとソーは映画の中での面白要員になっていて、これは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』で決定づけられた流れなので、タイカ・ワイティティのせいである。私は『バトルロイヤル』も好きだったkらいいのだけれど、
また、新入りのくせにすごく強いせいだと思うが、キャプテン・マーベルは他の星を救いに出かけてしまう。バランスをとるためだろう。

キャップとアイアンマンが出かけて行ったのは一作目の『アベンジャーズ』のラストあたりの世界で、知っているシーンの裏側で実はこんなことが起こっていました!というのが見せてもらえるのがおもしろかった。キャップの尻について言及されているのがおもしろい。ロキも出てくる。
ソーとロケットはソーの母が生きていたあたりのアスガルドへ行く。こちらもロキが出てくるし、ジェーンも出てくる。
ファンサービスが過剰なのだが、元々この作品はファンサービスの多い映画だった。しかし、本作はここまでありがとう!と言われているようにも思えた。こちらこそありがとう…。
ウォーマシーンとネビュラは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のみんな大好き・最高のオープニングのあたりへ。クイルが音楽に合わせて踊っているのがすごくいいシーンだけれど、確かに端から見たらヘッドフォンだし音楽は聞こえないから鼻歌を歌いながら踊っている人にしか見えない。ローディが「アホなのか?」と言っていた。
また、スティーブとトニーは『アベンジャーズ』で失敗をしたのでさらに過去に飛ぶ。1970年代はドラマ『エージェント・カーター』の世界だった。マーベルのドラマで見ていないのもあるけれど、『エージェント・カーター』は好きで見ていたので、出てきて嬉しかった。ハワードの役者はドラマと違ったけれど、ペギー・カーター役はもちろんヘイリー・アトウェルだし、ジャーヴィス役のジェームズ・ダーシーも出てきた。好きなドラマがこんなところでこんな風に出てくるとは思わず、感無量でした。

全部の石を入手できるんですが、石入手の際に多少アクションはあるものの、作戦を立てる時にも全員生身のままだしヒーロー同士がごちゃごちゃ口喧嘩するのが好きなので、そのシーンが多くて良かった。一作目の『アベンジャーズ』もそうでしたが、人数が多いせいか個性が強いのか、顔を合わせりゃ口喧嘩ということが多かったし、本作でもそうだった。

なんとかガントレットを作り直して指パッチンをして人類の消えてしまった半分を戻すが、次の瞬間、サノスが攻め入ってくる。絶体絶命かと思いきや、消えてしまったメンバーが軍隊を引き連れて現れる。もうすごい人数で、助けに来てくれたことも嬉しいし、ああ、あの人もいる…この人もいる…と知った顔がたくさん見て取れるのに感動。
ここでのキャップの「アベンジャーズ…アッセンブル」も元気がいいというよりは、重みを持った言い方だった。11年のすべてがそこに集約されている感じがした。
ここから先は目が忙しく、画面の中で誰を見ていいかわからないくらいになるんですが、喋りまくるピーター・パーカーが可愛かった。「こんにちは! 初めまして!」と自己紹介していた。背中から足(アームらしい)がびゅんびゅん出る即死モードも恰好良かった。『ファー・フロム・ホーム』でも見られるんでしょうか。
女性ヒーローばかりが集められたシーンも恰好良かった。勢揃いすると圧巻だし、11年前には考えられなかったこと。時代が確実に変わっている。そして、時代を変えるのにMCUが一役買っていたのだ。

結局、決着をつけるのはアイアンマンであの、一作目『アイアンマン』のラストの名セリフ「I am Ironman.」で締め。ここでこのセリフが出てくるとは思わなかったので泣いてしまった。サノスたちを消せたものの、指パッチンの力に耐えられずに死んでしまう。
相変わらずピーターは早口だけれど、「スタークさん!」と言っていたのに最後は「トニー…」と言っていて、悲しみがにじみ出ていた。

タイムトラベルをして石を元に戻しに行く役割を担ったキャップは、帰ってくると、老いたスティーブになっていた。「普通の人生を生きてみたくなった」と言っていた。それは、キャプテン・アメリカとして生きなくてはいけないスティーヴ・ロジャースの気持ちだけれど、クリス・エヴァンスの気持ちでもある。
ロバート・ダウニー・Jr.の俳優としての復活がトニー・スタークの人生と似ていることもよく言われるが、クリス・エヴァンスも同じなのだ。彼は本作でキャップを演じるのが最後とはだいぶ前から言っていた。キャプテン・アメリカのイメージが付き過ぎて他の役ができないのと、いつでも正しいことをするのが求められるということだった。
スティーブは薬指に指輪をしていた。過去で結婚したのが示唆され、ペギーと踊っているシーンで映画が終了する。とても美しいシーンだった。
もちろん『アベンジャーズ』シリーズのラストでもあるけれど、個人的には『エージェント・カーター』のラストでもあると思った。ドラマはS2で終了。中途半端なところだったけれど、これでやっとあきらめがついた。とはいえ、いつでも続きをやってくれるのを待っています…。

風呂敷はちゃんと畳まれた。ここまで楽しませてくれてありがとうございました。最高のラストだった。
とはいえ、まだ続く部分もある。
帰って来た老いたスティーブの近くにいたバッキーとサムでドラマをやるのも楽しみ。ソーはラストでGotGメンバーの乗る宇宙船に乗り込んでいたが、このままいくとGotG3に出て来てしまいそうだけどどうするのだろう。
そして、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』にはトニー・スタークが出てこないのがとても寂しい。



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