『ボーン・スプレマシー』


ボーン三部作の第二弾。レガシーを観るために第三弾のアルティメイタムを先に観ました。そのため、最初のアイデンティティでヒロインだったマリーがどうやら亡くなったらしいというのは知っていたんですが、その亡くなりかたがかなり適当。しかも話の序盤すぎる上に、ストーリーのキーにもなっていない。必要のない人を退場させたのかなとか、ヒロインを変更したかったのかなというのがありありとわかってしまった。哀しい。

けれども、先の展開を見れば、確かにストーリー上、ボーンに恋人は存在しないほうがいいのも明らか。駅やホテルをひょいひょいと軽快に逃げるには、単独行動のほうがいいだろう。一人なので当然セリフもなく、黙ったまま、静かに人ごみに紛れていく。なんとなく、『ドライブ』の最初のシーンで、主人公がスタジアム帰りの客に紛れるシーンを思い出すようだった。やはりボーンは肉体派というよりは知的である点が魅力だと思う。
そう考えると、改めて、『ボーン・レガシー』はマッチョアクションだったと思う。あれでは普通のアクション映画になってしまう。

スプレマシーはラストも良かった。両親殺した謝罪をしに、わざわざ娘の元へ行くとは思わなかった。この力押しだけではない悲哀がたまらない。

操られているだけで本当はいい奴だということで、敵方にも情報提供者が現れる。パメラから本名を知らされて、ジェイソン・ボーンの謎がまた一つ明らかになる。しかも、これがラスト付近というのが、タイミング的にも続編を匂わせていて良い。
電話越しの「休んだほうがいいんじゃないか? 疲れた顔してる」という、すぐそばにいることを暗に知らせるセリフはアルティメイタムにも出てきたけど、結構好きです。小憎い。本当に三部作はどれもこれも面白かった。


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