『ボーン・レガシー』


ボーンシリーズのスピンオフ作品。三作目『ボーン・アルティメイタム』の裏で起こっていたことという設定。
ジェレミー・レナーは本作で大ブレイク?と思われたけど、なかなか厳しそうな気がする。
以下、ネタバレです。











アルティメイタムの序盤で殺される記者をちらっと出してみたり、パメラを登場させてみたりと話をリンクさせようとする努力はうかがえたけど、もっと繋がりを密接にしてくれたほうがおもしろかった。出てはくるものの、直接、今回の主人公であるジェレミー・レナー演じるアーロンとは関わってこない。
また、ジェイソン・ボーンは名前や写真だけで出てくるため、あちらの大物さが強調されてしまう。アーロンから見て、雲の上の存在のように思えて、対比として今回のアーロンがやたらと小物に見えてしまう。

こんなことなら、ボーンシリーズのスピンオフなどにしないで、ジェレミー・レナーで新しいアクション映画を撮ってくれたほうが良かった。
はっきり言って、ボーン三部作を予習する必要もなかったけど、“トレッドストーン”などの作戦名は説明もないままバンバン出てくるので観ておいたほうがいいのかな…。
これはジェレミーファンとして本当に残念なことだけれど、予習をしたことによって、ボーン三部作がいかにおもしろかったかがよくわかる皮肉な結果になってしまった。

今回のレガシーは、一応ボーンシリーズに共通するような逃亡劇はあるものの、そもそもなんで逃げているのかがわからなくなってくる。
また、アーロンが危険分子という感じでもない。どちらかというと、一緒に逃げている女性(博士)を逃がすなという風で、もうアーロンは必要なんじゃないの?と思ってしまった。
最強の追っ手である、No.3のかませ犬感もひどい。直接の殴り合いや撃ち合いもなく、逃げるのを追う途中で自滅してしまう。

ラスボスは一応、エドワード・ノートンだったのかもしれないけれど、彼がまったく魅力的じゃなかったのも問題。キャラも悪かったのかもしれないけれど、少しも恰好良く見えなかった。今回はCIAというよりは製薬会社側で指示を出しているんですが、ボーン三部作のクリス・クーパーやデヴィッド・ストラザーンのほうがよっぽど悪役として魅力的だった。エドワード・ノートンは怖くもないし、それほど大した仕事をした風でもなかった。

前半と後半がバラバラなのもどうかと思う。前半は雪山で特訓をしてるんですが、もう雪山なら全編雪山で良かったのではないか。都市部での逃亡を中心とするなら、雪山シーンがもっと短くていい。

私はジェレミー・レナーが好きなので、ジェレミー恰好良いなー、恰好良いというか可愛いなーという気持ちだけで観ることができたけど、特にファンでない人の目にはどう映っただろう。
それとも、もっとここをこうしてくれたらおもしろかったのにという箇所が多く見受けられたのは、ジェレミーファンだからなのでしょうか。

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