『ジャンゴ 繋がれざる者』


タイトル、原題のUnchainedを“繋がれざる者”と訳してあるのが粋。
レオナルド・ディカプリオの舞台挨拶付きの回を観てきました。以下、ネタバレです。



ディカプリオ、前までは好きではなくて、キャーキャー言われているのもよくわからなかった。『インセプション』のコブのキャラがあれだったので、最近はなんとなく好きです。
この程度だったけれど、実物はとても恰好良かった(ほぼ最後席でしたが)。レオ様と呼ばれるのもわかる。トム・クルーズがスターだったのに対して、ディカプリオは王子様のようだった。顔が大きいイメージがあったけれど、案外背が高く、スタイルもいい。そして、なんとも言えない気品みたいなものが漂っていた(ほぼ最後席でしたが)。

舞台挨拶での質問抜粋。
参考にした悪役はいるか?という質問には、『トゥルー・ロマンス』のゲイリー・オールドマンと『トゥームストーン』のヴァル・キルマーと答えてた。ヴァル・キルマーの話し方が良かった、とのこと。

ディカプリオが演じるカルヴィン・キャンディが人の頭蓋骨を持ち出して骨相学を披露する場面がありますが、それはディカプリオの提案でタランティーノが脚本に組み入れたもの。

他に何役をやってみたかった?の質問には、「ジャンゴ!」というディカプリオジョーク。でも、とにかくこのカルヴィン・キャンディという役が気に入っていそうでした。

日本では京都が好きで五回行ったとのこと。ローマやポンペイみたく、歴史が感じられるのがいいらしい。「京都、行ったことある人ー?」の質問にはほとんどの人が手を挙げてたので、ここは「京都、五回行ったことある人ー?」にしたら良かったのに。

「自分のことだけ考えてわがままに振る舞えたから、悪役を演じるのは楽しかった」って言ってたけど、『インセプション』も…そんな役じゃなかったですか…? 

ともあれ、今回の悪役はかなりぶっ飛んだ感じで、いきいきととても楽しそうに演じているのがよくわかった。Nワード連発、ゲスな笑い方もカワイイ。
そうなんですよ、カルヴィン・キャンディは悪者でひどいこともたくさんするけど愛嬌があった。どちらかというとサミュエル・L・ジャクソンが演じてたキャラクターのほうが極悪人だった。でも、どちらも好きです。

キャラクターが全員良かった。一人一人が愛情を持って生み出されたのがよくわかる。
クリストフ・ヴァルツはやっぱりうまい。あやしいんだか、誠実なんだかわからない感じがたまらない。また、彼の幌馬車のてっぺんに歯がついていて、それが動くとびよんびよん揺れてるのも可愛いかった。
ビールの注ぎ方のこだわりとか、メイドさんなんでミニスカなのとか、細かく気になるところもちらほら。

ストーリーは勧善懲悪だし、どんでん返しもない。いままでのタランティーノ作品にあったアクは弱まってるので、この作品でアカデミー脚本賞を受賞したのは少し意外な気もする。そもそも、タランティーノがこれを書いたっていうのがおもしろかったのかな。

ただ、大筋は勧善懲悪であっても、タランティーノ特有の無駄話、無駄シーンは多い。上映時間165分なので、普通ならその無駄なシーンを削ってコンパクトにしてほしいと思ってしまうが、タランティーノ作品の場合、その無駄シーンがおもしろいので、逆にもっとみせてくれと思ってしまう稀な例。

きっと、西部劇の小ネタも満載だったんだと思いますが、詳しくないのでまったくわからなかった。しかし、観終わったあとに、気持ち良く映画館を出られるのがいい。楽しかった!



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