『最悪の選択』



原題『CALIBRE』。口径の意味らしい。
主演のジャック・ロウデン目当てで観ました。
Netflixオリジナル映画ということで、スクリーンで観られないのは残念でしたが、全世界同時配信なのが嬉しい。普通の映画だと、日本では下手すると数ヶ月、数年待たされたり、公開されなかったりということもありうるので。

以下、ネタバレです。







学生時代の友達、マーカスとヴォーンは休日に狩りに出かける。「やっとシラフの女を抱いたのか」と冗談を言われていたので、二人で相当遊んでいた模様。マーカスはたぶん結婚しておらず、ヴォーン(ジャック・ロウデン)が結婚していて間もなく子供が生まれる。

二人が出かけて行くのはスコットランド北部の村で、遊ぶ場所は一軒のパブのくらいしかなく、そこにいるのはみんな知り合いという感じだった。
そこでやはり遊んでいた時代を思い出してなのか、声をかけられた二人の女性と一緒に飲むことになる。
邦題が『最悪の選択』ですが、もうこの時点から選択を間違っている。ヴォーンは女性と寝てはいないと思うけれど、だいぶ飲んだようで、翌日、二日酔いの状態で狩りに臨むことになる。
そして、それが原因だったかどうかは定かではないけれど、鹿を撃ったつもりが誤って子供を撃ってしまう。更にそれを父親に見つかり、錯乱した父親がヴォーンに向けて銃を向けているところ、遠くからマーカスが父親も銃殺してしまう。
この選択は合っていたのか間違いなのかわからない。ただ、マーカスはヴォーンを救おうとしたのだろうし、正当防衛といえばそうなのかもしれない。最初に撃ってしまった子供に関しては事故である。こちらの落ち度はないと言えばない。ちゃんと説明をしたらわかってもらえるかもしれない。けれど、目の前には死体が二つ転がることになる。

そして、撃ってしまった親子はおそらくキャンパーだろうから、行方不明にしてしまえばわからないだろうということで、死体を埋める。
この選択は間違っていて、二人は村民の親戚だった。しかも、一晩目にマーカスが女性とファックしてコカインをやったことが女性の親にばれ、激怒されて乗ってきた車のタイヤをパンクさせられる。
すべてが裏目裏目に出て、ここまでの選択の積み重ねは全て間違っていたのを思い知らされる。

結局、二人がしたことが村民に知られ、捕まってしまう。本当は二人とも村民に射殺されそうだったけれど、そうすると警察にばれるということで、ヴォーンがマーカスを撃てば、ヴォーンは許してやるという条件が出された。
結局、ヴォーンはマーカスを撃つんですが、そもそも最初に彼に助けられたのに…とも思ってしまった。それでも、そうするしかなかったとも思う。ただ、ここの選択も間違っていたのではないかと思わざるを得ない。

日常生活に戻っても、何事もなかったようにとはいかないのだ。子供が生まれていたから、事件からは時が経っているようだけれど、それでもヴォーンは夜も寝られないようだった。そりゃそうだ。誰にも言えない秘密を抱えながら生きるのはつらい。たぶん、死んだほうがマシだと思うくらいきついと思う。

そして、最後、自分の赤ちゃんを抱えたヴォーンがカメラ目線でこちらを観てくる。映画における、"観てたつもりが観られてた"である。
映画を観ながら、あーあ、ヴォーンは大変なことをやっちゃったな…と思ったけれど、他人事ではなくなってしまった。テレビのこちら側の安全な場所で観ていてたけれど、それを許さない視線。
選択の数々は間違えていても、まあそうするしかなかったよな…とぼんやり思いながら観ていて、でも、向こうにいる当事者に、君ならどうした?こうするしかなかったよね?と問いかけられてしまうと、一気に共犯者にさせられてしまう。厳しい。
また、許してよとも言われているようだった。こちらを巻き込まないでほしい。

オープニングの妻にメロメロの様子や、パブで調子に乗っている様子、女性と喫煙をする様子など、いろいろなジャック・ロウデンが見られる。事件以降は常に泣きそうな顔をしているし、嘔吐シーンもあるし、蹴られて顔を血だらけにしている。猿ぐつわ姿も見られます。
ただ、内容が内容だけに、繰り返し観るのはちょっと厳しいかなと思う。しばらく経ってからまた観ます。


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