『オーシャンズ8』



ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の妹、デビーが主人公。とはいえ、続編という感じでは無かった。前シリーズを未見ですが、おそらくほぼ繋がりはない。

監督は『シービスケット』『ニュートン・ナイト』などのゲイリー・ロス。

以下、ネタバレです。








刑務所を出たデビー(サンドラ・ブロック)が化粧品売り場と高級ホテルで華麗に万引きや詐欺まがいのことをするオープニングが楽しい。ほとんど歩みを止めないままテンポ良く進んでいくが、このテンポの良さはそのまま作品のテンポの良さに繋がっていたと思う。

デビーは旧友、ルーに声をかける。ルーを演じたのがケイト・ブランシェットでサンドラ・ブロックも恰好良かったが二人並ぶと倍増する。デビーとルーが並んでシャボン玉を吹いているシーンはキュートでした。
「塀の中で、あなたのことを考えてたのよ」「プロポーズ?」というやりとりもよかったし、そのあとにスプーンを差し出すシーンもよかった。。
自分に自信をなくしたデザイナーのヘレナ・ボナム=カーターも可愛かった。気弱っぽくおどおどしていて、とても有能には見えなかったけれど。
サンドラブロックと は黒髪とブロンドで並んでいるだけでも本当に恰好いいのに、二人で並んでシャボン玉を吹いて気を引こうとするシーンは可愛かった。
他にも、恰好良く、媚びずに生きてる、手グセの悪い女性たちを集めていく。

メットガラで女優がつけてるダイヤのネックレスを奪うという作戦が実行される。ターゲットの女優役にアン・ハサウェイ。犯罪集団の女性たちとは違って、ちょっと抜けているけど愛嬌があって綺麗で可愛いという感じに描かれていて、これがおそらくこれまでの映画での女性の描かれ方なのではないかなと思う。
しかし、メンバーが7人、タイトルがオーシャンズ8ということで、察しはつくけど仲間になります。「同性の友達がいないから」と言っていた。同性に嫌われる女性像でもあったわけです。

テンポ良く仲間が集まり、下準備もいざ実行という時にも、ずっとテンポが良かった。ただ、そのテンポを大事にするあまり、ピンチらしいピンチに陥らず、様々なことがあっけなく成功していた。
カルティエの人はフランス語を話しただけで心を許すのか。美術館御用達の鉄壁の警備会社の防犯カメラ担当の人は、いくらワンちゃんが好きだからって脇が甘すぎる。警護の人は女子便所だからついていかないってことはないだろう…といろんなことが気になった。
展示の宝石を盗むのも、あれは最初から作戦のうちだったのか。5年かけて練ったと言ってたけど。

また、保険会社の男性が無能すぎる。まったく追いつめない。ジェームズ・コーデンが演じてるからただのコメディキャラで、重要な役ではないですよということなのだろうか。だったら、後半にあんなに時間を割かないでほしい。もっとメンバーの活躍が見たかった。
もう一つ気になったのは、ダイヤは手に入れたけど、結局のところデビーの復讐にみんな加担したということになってしまう。それ、作戦の説明の段階ではルーしか知らなかったような。

あと、所謂、女の武器というか、色仕掛けみたいなものは、途中まで入れなかったのだから、一切無くても良かったと思う。潔く削ってほしかった。でも、デビーじゃなくて、ダフネにやらせたのでいいのかな…。

キャラクターとテンポは良く、楽しく観られたけれど、もっと脚本を練って、驚くようなどんでん返しとか仕掛けがほしかった。さらっと終わってしまった。
ただ、もし同じ出演者での続編があるならば、それは観たいです。




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