『21ジャンプストリート』



アメリカでは2012年公開。日本では劇場公開はなくDVDスルーだったそうですが、なんでそうなってしまったのか理由がわからないくらい面白かった。ジョナ・ヒルとチャニング・テイタム主演。チャニング・テイタムは『サイド・エフェクト』の際にちょっと苦手加減が薄れてきたんですが、今回で一気に好きになってしまった。二人ともはまり役。

高校時代にイケてたチャニング・テイタム演じるグレッグ(この時の長髪のカツラからしてもう笑える)といまいちサエなかったジョナ・ヒル演じるモートンがポリスアカデミーで再会、お互いの足りないところ、頭脳と運動能力を補って二人揃って合格。正反対の二人が活躍するブロマンス風味のポリスものかと思った。
しかし、ある任務で失敗した二人は高校の潜入捜査をすることになる。ここから、まさかの学園ものになる。今更、チャニング・テイタムとジョナ・ヒルの学園ものを観ることになろうとは思わなかった。
この時点でだいぶおかしな脚本ですが、二人が逆の名前を名乗ることで事態がより複雑におもしろくなる。それぞれに合った設定をつけた上で学校に送り込まれたのに、それが逆になってしまう。グレッグはオタク気味の集団と化学を学び、モートンは生徒たちの中心になっているグループに入り演劇までやることになってしまう。

それぞれ、不得意なものの中で奮闘するさまは可笑しくもあるが、その克服は二人ともの成長物語にもなっていて感動的ですらある。特にジョナ・ヒルに関しては学生時代になし得なかった、プロムに女の子から誘われるという経験までする。潜入捜査によって、夢が実現された形になっていた。

こう書いていると、本当にただの学園もののようだけれど、そう見せかけつつも、学園内に蔓延しているドラッグの元締めを探すという捜査も組み込まれているのだから、よくできた脚本だと思う。
序盤に学校に入って名前が逆になるシーンもそうですが、話がスムーズに進んでいかない。どうせこう進んでいくんだろうという予想が裏切られ続ける。それでも着実に話が前に進んでいくのが面白かった。

主演の二人の友情物語の側面もいい。性格が漫画のような正反対で、学生時代には違うグループに属していて絶対に仲良くならないタイプだけれど、職場が同じだし、なんせもう大人だから仲良くなれる。そのコンビが再び学校にぶちこまれるという、本来ならばありえない話のつくりがおもしろい。
トイレでお互いの口に指をつっこんでいるのを用務員さんに目撃されたり、片方が女の子と電話しているところにちょっかいをかけたりとブロマンス面でも濃厚。

また、あいだあいだに細かい下品なギャグが組み込まれているけれど、それも声を出して笑ってしまった。どこを切っても楽しめるエンターテイメント映画だと思う。

あと、私はまったく前情報を入れずに観たのですが、急にジョニー・デップが出てきて驚いた。すごく似た人かとも思ったけれど、変装を解くという驚かせる手法で登場した人物なので本人なのだろうなと思って、あとで調べたらやはりカメオ出演とのことでした。チョイ役ですが、やっぱり恰好いいし、なんだか、得した気分になった。

続編も計画されているということですので、次は是非映画館で公開してもらいたい。

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