『300<スリーハンドレッド> 〜帝国の進撃〜』


2007年に公開された『300<スリーハンドレッド>』の続編。今作もザック・スナイダー監督だと思い込んでいたけれど、今作はノーム・ムーロ監督。とはいっても、戦い中にスローになったり、血がふわっと飛んだりと作風は似た感じ。ザック・スナイダー監督は脚本と製作に名前が入っている。
続編といっても、『300<スリーハンドレッド>』の少し前と少し後と、一方その頃…が描かれているのでサイドストーリー的な印象を受けた。前作を観てからのほうが楽しめると思う。

以下、ネタバレです。






私は前作のやりすぎ感が好きだったので、監督が変わったことでなのか、少し地味になってしまったと感じた。
今回は海軍が主役なので、海上で船同士がぶつかり合って戦う。海の色は青ではなく黒に近いような暗さで、血も赤ではなく暗い色だった。両軍の鎧も暗めの色なので、色彩が全体的に暗いのだ。
また、装飾具も前作より目立たなかった印象。前作のペルシャ王近辺の豪華絢爛な様子が良かったのに。
そのせいもあるのかもしれないけれど、前作がほとんどファンタジーみたいにして楽しめていたものが、今回はリアリティーが出てしまっているというか、本当に戦争を見ているような気持ちになった。

あと、なんとなく、『300』といえば、屈強な男衆の筋肉と筋肉のぶつかり合いなのかなと思っていたので、今回の敵が女性だったのが気になってしまった。アルテミシアという女性で、最古の女海賊と言われているらしい。演じてるのはエヴァ・グリーン。『ダーク・シャドウ』と同じく、格闘技セックスがありました。
それで、少しだけ恋愛要素もあるんですよね。あからさまなものではないけれど、振られた腹いせも多少感じられた。感じられる程度であってもいらないかなと思う。女性を敵役にするなら仕方ないとは思うけど、だからこそ、敵役を女性にするのはやめてもらいたかった。

必要以上に飛び散る血とか、首をかり取ったりとか、船から油みたいなのを落として引火するシーンは良かった。なので、良いけど前作のほうが好きかな…と思いながら観てたんですが、最後の戦いで、アルテミシアと金属でできた鬼の仮面を被った側近が全員二刀流で出てきたのが盛り上がった。防御無視で攻撃してくるのが恰好いい。
また、それに対するテミストクレスが両手剣や、大きい刀を片手で持って片手で殴ったりするのも恰好いい。縦の代わりに剣で受け止める。
あと、一番盛り上がったのは、もう駄目だと諦めそうになったときに、援軍が来たシーンです。スパルタ軍が助けに来る。あの丸い楯を持っているし、前作の印象があるから、この人たちが来れば安心だと思える。もうこれだけで、今作もおもしろかった!という感想が抱けた。最後にスパルタ軍が全部見せ場を持っていった。前作が見直したくなる。
王妃が亡き王の剣を手に切り込んでくるのも良かった。王妃は良くてアルテミシアがなんとなく嫌だった理由を考えていたんですが、戦う女が嫌いなわけじゃなく、最大の敵として出て来るのと、戦いに恋愛を持ち込まれたのが原因だったのだと思う。

このスパルタの援軍が現れる時の音楽がすごく恰好良いんですが、音楽担当はジャンキーXLだった。今度公開される『ダイバージェント』も担当しているみたい。

スパルタ援軍が来た時に、やっぱり私は前作が好きだというのとスパルタ軍最高!を再確認したんですが、いま思っても前作に出てた裏切り者せむし男が終盤に出てきたときに嬉しかったし、序盤、池みたいなところから上がってきた時に、よく見覚えのあるクセルクセスの姿に変身した時にも盛り上がった。普通の洋服/容貌だったのに、池に浸かったらスキンヘッドにピアスに半裸になっていたのは本当に変身としかいいようがなくて、お前だったのか!と思った。

このクセルクセスを演じたロドリゴ・サントロ、今回普通の姿でも出て来るんですが、実はかなり美形でブラジルのスターらしい。
あと、今回気になったのは戦士の息子で自分も戦士になろうとするカリスト役のジャック・オコンネル。マンチェスター・ユナイテッドの映画『ユナイテッド ミュンヘンの悲劇』という作品で主演らしい。イギリスのダービー出身。
もう一人、ダニエル・ブリュールとベン・ウィショーを足して、ちょっとだけバーン・ゴーマンを加えたみたいな容姿の人が気になったんですが、ハンス・マシソンでした。アイスキュロス役。ジョン・シムが出てた『NERO ザ・ダーク・エンペラー』の暴君ネロ役だった人。その他にも『タイタンの戦い』にも出ていたみたいなので、わりと古い歴史物が似合う顔なのかもしれない。

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