『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(二回目)



二回目。パンフレットや監督インタビューなども読んでから観ました。

以下、ネタバレです。






最初の飛行機アクションだけじゃなくて、水中アクションもカーチェイスもトム・クルーズ自身のものらしくて驚いた。
飛行機アクションは8テイク撮ったなどとパンフレットに書いてあって、映画を観ながら、これを八回も…とひやひやした。
60メートルくらい深い水中へ潜り、アクションを行う練習をしたとか、5、6分息を止めなければならなかったと見ると、映画を観ながら思わず一緒に息を止めてしまったが、全然もたなかった。あのシーンは長回しらしい。
カーチェイスは隣りにサイモン・ペグを乗せたまま、急ブレーキをかけてスピンさせたり、車を転がしたりしたらしい。確かに、水中シーンもそうなんですが、カーチェイスもトム・クルーズの顔がちゃんと映るように撮影されていた。エアバッグが作動する瞬間もちゃんととらえられている。
カーチェイスの次のバイクで追跡するシーンもトム・クルーズご本人らしい。カーブを曲がるときに、車体を傾け過ぎて一回膝が擦ってしまう瞬間も映っていた。ここはヘルメットをかぶっていないので更に危険。でも多分、ヘルメットをかぶるとトム・クルーズだとわからなくなるからかぶっていないのだろう。映画内ではもちろん、かぶっている暇など無かったから、だと思う。

飛行機のシーンのことだけがピックアップされているし、初回時は何も情報を入れなかったので普通のアクションとして観ていたが、二回目は、イーサンというより、トム・クルーズの身を案じながら観てしまった。ひやひやしました。

オペラハウスから逃亡するシーンも、紐を持ってはいるものの屋根から飛び降りたらしい。23メートルの高さで、これはトムとしてはそんなに難しくなかったらしいけれど、レベッカ・ファーガソンはアクション女優ではないし、低い高さから飛び降りる練習をしてから臨んだとのこと。ただ、彼女もサイモン・ペグと同じく、トム・クルーズと一緒のアクションだからきっとできたのだろう。
トムと一緒に降りてきて、地上についたときに、心底ホッとした顔で歩いていて、多分この表情は演技ではないのだろうなと思った。

レベッカ・ファーガソン、オペラハウスのシーンが特に素敵だった。黄色いスリット深めのドレスも綺麗なのですが、身のこなしが優雅。銃をゆっくりと組み立て、首相を狙うときに膝を立てると、ドレスから足がむき出しになる。恰好良いけど男勝りというわけではなく、セクシーだけど肉感的というわけではなく、エレガントだけどお高くとまっているわけではない。
女性だから大きな男性とは面と向かって戦っては勝ち目がないからなのか、足を利用して体によじ上るようにして上から攻撃していたのも良かった。

『CRAVE』というアメリカの雑誌のクリストファー・マッカリー監督のインタビューを読んだのですが、『ゴースト・プロトコル』の最初の脚本ではイーサンの妻は亡くなっていたらしい。でもそれは良くないと思って、ブラントとのエピソードを加え、ラストにあのシーンを足したとのこと。でも、彼らはそれぞれの人生を生きるために(イーサンは仕事に打ち込むために)、離婚をしたらしい。そのため、今作では妻の話は出てこなかったのだ。
だから、イーサンにはロマンスがあっても良かったとのこと。ただ、今回ロマンスをそのために封じたわけではなく、イーサンとイルサは互いに尊敬し合う間柄として描いたのだそうだ。守ってもらう女性ではなく、しっかりと戦うこともできる登場人物としてのイルサなのだそう。

あと、飛行機のシーンはクライマックスっぽいのに最初に持ってきた理由は、クライマックスシーンには、チーム全員が揃っていて欲しいから、イーサンがあのまま飛んで行ってしまっては、話が続かなくなるからとのことでした。見せ場ではあるけれど、話が途切れてしまうとのこと。なるほど、ちゃんと考えがあってのことでした。クリストファー・マッカリーは元々脚本も多く書いているし、画づくりだけでなく、話の流れもちゃんと意識しているというのがわかった。

思えば、最後、ソロモン・レーンをガラスの箱の中に閉じ込めたときに、その四方にルーサー、ブラント、ベンジー、イーサンそしてその後ろにイルサが立っているシーンは、チーム全員が揃っているとしか言いようがない。まさに、チームの力が結集されているのが一目でわかるシーンだった。

相変わらずベンジーが可愛かったですが、最初のほうでイーサンが発見されなくてほっとして顔がにやけそうになるのをこらえているブラントも可愛かった。ラスト、アレック・ボールドウィン演じる長官に向けてのしてやったりという表情も好きです。

しかし、表情といえばサイモン・ペグである。動きも表情も多少大袈裟で漫画っぽさがあるから、完璧なヒーローのようなトム・クルーズと漫画っぽいという点で共通している。だから、二人で並んでいてしっくりくるというか、相性がいいのだと思う。
ベンジーが「ウソ発見機には嘘ついたけど、俺はイーサンのこと友達だと思ってるからここに残る!」と捲し立てた後、言ってやったぞというような表情をしますが、漫画によくある鼻息のマークが見えるようだった。

カーチェイス中にブラントとルーサーの乗った車と偶然会った時、イーサンは想定内だったのか軽い感じで挨拶をするけれど、完全に想定外だったと思われるベンジーは声は聞こえないものの「てめえらこんなとこで何やってんの!?」とでもいうような表情をしていて、その対比がおもしろい。二人の性格の違いがよく表れて(現れて)いると思う。



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