『シリアルキラーNo.1』



原題『L'affaire SK1』。フランスでは2014年公開、日本では公開されていません。
アラン・ドロンの再来といわれるラファエル・ペルソナ主演(Raphaël Personnaz
のため、ラファエル・ペルソナーズ表記のところもあり)。

ストーリーは警察側の話と弁護士側の話と、大きく二つに分かれている。警察側の話が連続レイプ犯を追うもので、弁護士側がその裁判。途中でわかったんですが、時間軸がずれていて、弁護士側の話はずっと現在、警察側は遡った過去からスタートし、途中で一致する。

二つの違ったアプローチで一つの事件に迫るというのは変わった手法だとは思う。まったく違う映画のようだった。ただ、それがあまりうまく生かされていないというか、どちらかで良かったのではないかなと思ってしまった。

警察側は犯人の残虐性にスポットを当てて、怪物として追っていた。弁護士側は犯人の奥にある人間性を追っていた。
同情の余地があるのかないのかや、フランスには死刑制度はないようだけれどその罪の償い方などに切り込めなかったか。罪を憎んで人を憎まずというような、深い部分にまで切り込んでほしかった。

最後、裁判で「○○(人の名前)を殺しましたか?」「ウィ」と一人一人について聞いていくシーンが良かったので、どちらかというなら、裁判や弁護士だけの話が見たかった。最後のほうでは、警察はまったく出てこなくなる。

それよりなにより、ラファエル・ペルソナさん目当てで見てるのに、彼のイケメン力が無視されているのが本当にもやもやした。
映画のスタート時、1991年は新婚さんである。ほどなくして子供も産まれる。だから、女を口説くこともしない。ラブストーリー的な展開も無い。
右も左もわからない新人だから、最初の担当事件に真っ直ぐに向き合う熱血警官みたいなポジションでイメージと違う。もっと狡猾にたちまわるような役が見たかった。

また、この事件にとらわれていると言っていたので、犯罪ものによくあるような、シリアルキラーに影響されて自分もおかしくなってしまう感じかと思ったけれどそれでもなかった。
というのも、この事件って実話らしいんですよね…。なので、そこまで荒唐無稽なことも起こらない。

警察側は、91年から97年とそれなりに年月が経っているけれど、俳優たちに時の流れが感じられないのもどうかと思う。髭が伸びただけだった。弁護士側の話との時間のズレで撹乱させるためだろうか? でも、そもそも、時間をずらしているのも、別に撹乱目的でもない気もする。

あと、ラファエル・ペルソナさんは写真だとアラン・ドロンに似ていて、再来と言われるのも納得なんですが、この映画で動いている姿を見ると、どちらかというとセバスチャン・スタンに似ていた。まあ、イケメンなことには変わりないので、何か他の映画も観てみたい。違った役が見たいです。



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