『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(二回目)



二回目の観賞だと、話の内容が面白いほどするする頭に入ってきた。アメコミ原作を読んでないからわからないわけではなく、私の読解力というか映画を観て理解する力が足りなかったようです。
結果、“よくわからない部分もあったけどわくわくした”という感想が、“めちゃくちゃおもしろかったしわくわくした!早く続きが観たい!”まで跳ね上がった。

以下、ネタバレです。






中盤まで、登場人物がそれぞれ違うことをやっている。バットマン(ブルース・ウェイン)とスーパーマン(クラーク・ケント)だけではなく、レックス・ルーサーはもちろん、ロイス・レイン、『マン・オブ・スティール』の時にその裏で足を失ったウェイン産業の社員、議員など国の関係者(この中でもレックス・ルーサーのやることに賛成するもの反対するものが出てくる。たぶんそれはそのまま、スーパーマン賛成派、反対派になるのだろうけど)など、結構大人数だ。

その大人数はほとんど一同に介することはなく、いろんな場所で、いろんなことをしている。その様子がかなり細切れでどんどん流れるから、え?これがさっきの続きで?と話を消化できないままに次のエピソードの細切れに進んでいってしまい、結局なんの話だったのか理解ができないのだ。もっと人ごとにまとめるとか、人同士が関係ありそうな部分を繋げてくれたりしたほうがわかりやすくなると思う。けれど、ザック・スナイダーの手法なのかもしれない。
せめて、誰か中心になる人物を決めてその人を軸にまわすとか。もちろん、バットマンとスーパーマンが主役なのだろうけれど(しかしこの時点でも二人いる)、中盤まではほとんど群像劇のようになっている。しかも、暗躍といってもいい感じで、裏に思惑を抱えた行動をとっているのでよりわかりづらい。

一人一人について、自分の頭の中を整理する意味でもまとめてみる。

バットマン(ブルース・ウェイン)
映画で描かれている時点から二年前、『マン・オブ・スティール』のラストバトルのときに、ウェイン産業のビルが壊され、社員が怪我をする。母親を亡くした子供を庇いながら、スーパーマンの力に懐疑心を抱く。
自警団としても町を守っている。核が持ち込まれる情報を調べるため、レックス・ルーサーのパーティでデータを盗む。
そのデータから、レックス・ルーサーが武器(核)を輸入しようとしていることがわかるが、それは実は同じ放射性物質でも核ではなくクリプトナイトだとわかる。
アルフレッドの反対を押し切り、そのクリプトナイトを使って、強大な力を持ったスーパーマンを倒そうとする。

スーパーマン(クラーク・ケント)
テロ組織に潜入したロイスを助けに行った際に、一般人を巻き添えで殺したと疑いをかけられるが、実際は殺していない。殺したのは、レックス・ルーサーの部下。
その力のせいで国の管理下においたほうがいいのではないかと議論が起こるが、本人は黙々と人助けをする。
バットマンとも戦いたくないので、攻撃をされてもとりあわない。けれど、母がレックス・ルーサーに誘拐され、殺されそうになったので、仕方なく戦うことにする(最初は説得しようとしていた)。

レックス・ルーサー
知識はあっても、力はないのがコンプレックスで、バットマンやスーパーマンには敵わないと思っている。
インド洋で見つかったクリプトナイトをアメリカに輸入したいと国に申し出るが許可はおりない。その時に、スーパーマンに対する抑止力のため、と言っていたが、実際の目的は不明。
国の一人がこっそり許可をする。宇宙船の中にも入らせる。
クリプトナイトは輸入できたが、使う前にバットマンに奪われる。ゾット将軍の遺体と自分の血を使って、宇宙船の中でドゥームズデイを作る。

ウェイン産業の足を無くした社員
『マン・オブ・スティール』のラストバトルで足を失い、それ以来、スーパーマンを恨んでいる。スーパーマンの像によじ上って落書きし、逮捕される。
レックス・ルーサーが保釈金を払い、スーパーマンを告発させる。スーパーマンが呼ばれた公聴会で、この社員とレックス・ルーサーに反対した議長、スーパーマンを巻き込んで爆発が起こり、死亡。スーパーマンが疑われる。もちろん、レックス・ルーサーの仕業。

ロイス・レイン
テロ組織の取材に行き、逆に捕まる。スーパーマンに助けてもらうものの、一般人が巻き添えになる。
そこで見つかった弾から、実はレックス・ルーサーが絡んでいたことを突き止める。

これが時系列順ではあっても細切れにされているのでわかりにくいのだと思う。更に、バットマンというかブルース・ウェインの夢もわかりにくい。しかも二回も出てくる。ちなみに、夢の最後で出てくる「俺はやすぎた?」とか「俺たちを見つけろ!」と言っているのは、ザ・フラッシュだそうです。エズラ・ミラーですね。

他、良かったところ。
序盤、『マン・オブ・スティール』のラストバトルをブルース・ウェイン目線で見るシーンが迫力ある。自分もその場にいたら、スーパーマンやロイスではなくあの立場だろうし、なるほど、スーパーマンって正義の味方っていうけどどうなんだ?と思う。ブルースが小さい女の子を抱いて、空の異星人を見上げている様子は、ちょっとしたパニック映画みたいになっている。

国はスーパーマンを規制しようとするんですが、他の有識者みたいな人の中には「助けてくれ神よ、って言ってたのに、神様が来たら規制?そんな馬鹿な!」といった感じで、スーパーマンを受け入れろ派もいる。その議論の様子がテレビで流れている映像と、それを知ってか知らずか(たぶん知っている)、スーパーマンが黙々と一人で人を救い続ける様子が交互に出てくるシーンが泣ける。一人で氷の中に立ち往生した巨大船を引っ張ったり、洪水で動けなくなって屋根の上に非難している人たちのもとに空から現れたり。どんな想いで人助けを続けていたのだろう。
まあただ、最初のテロリストのシーンでは確かに一般人は殺していないかもしれないけれど、『マン・オブ・スティール』では巻き込んでるし、今回のドゥームズデイとのバトルでも、高層ビルに打ちつけられたりしてた。電気が付いてたので人はいたんじゃないかな…。なるべく人を巻き込まないような場所で戦うように気は遣われてたけど、巻き添えは多く出ていそう。

バットマン一人対多人数のバトルが二箇所あるのですが、どちらもかっこいい。周囲を警戒しながら、攻撃されたのも生かしつつ、二、三人同時にやっつけたりする。
私はノーランバットマンとはえらく動きが違うのもいい。
スーパーマンが吹き飛ばされて地面に擦りながらズルズルとこちらに飛ばされてくるシーンがありますが、あれは3Dだとどうなるのだろう。後付け3Dらしいのでそんなに飛び出さないかな。

ワンダーウーマンのダイアナ・プリンスにデータを盗まれたブルースが取り返しに行くシーン。ブルースは「君みたいな女性を知っているんでね」と言いますが、多分これがキャットウーマンのことなんですよね。それで、「そうは見えないけど」なんて言われているのが笑った。女性に縁なさそうみたいなことで。で、「ほんっとに男の子って」みたいな感じで馬鹿にされるんですが、そのあと、ブルースがダイアナに送ったメールのタイトルが“Boys shere too.”なのも面白かった。男の子って言われたこと根に持ってたんだ!というのがわかる。

あと、ワンダーウーマンのテーマ曲のタイトル、“Is She with You?”って、彼女が戦いに参戦したときに、スーパーマンがバットマンに尋ねる「彼女、君の連れ?」ってセリフそのまんまだった。緊迫したシーンなのにふわっと緩むいいセリフ。その返しの「君のだろ?」っていうのもいい。二人して、援軍が来たのが嬉しいはずなのにそれよりも「誰?」が勝っている。ここのやりとりが本当に好きなので、本当だったらもっと二人の会話があると良かった。誤解が解けた後ですぐにラストバトル、それでスーパーマンは死んでしまう(?)ので。

レックス・ルーサーですが、父親とかそんな個人的なことじゃなく、もっと大きな目的のために動いているようだった。
スーパーマンに対する抑止力というのも嘘なのだとしたら、なんなのだろう。
ラスト付近でバットマンに対し、「もう鐘は鳴っちゃったよ」と言っていたので、“鐘を鳴らす”ことが目的のようだ。ドゥームズデイを作り出したこと、それとバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンが戦ったことをどこかで何者かが知ったということなのだろう。
本当に今作は、これから始まるジャスティス・リーグの序章にすぎないのだ。

他、わからなかったところ。
バットマンの正体がブルース・ウェインなのみんな知ってるのかな。バットマンの恰好なのにわりとブルースと呼びかけられていた。
クラーク・ケントは知られていないようで、スーパーマンが行方をくらませていて、クラークも出社していない時、編集長に「かかとを三回鳴らしてカンザスに帰ったか」と言われていたのに笑った。オズの魔法使いですね。

あと、ちょっとしたことですけど、ダイアナのメールアドレス、いつ聞き出したんですかね…。それくらいは調べられるのかな。

多分、粗みたいなところはいくつもあるのだと思うけれど、話をわかった状態で観たら充分に楽しめた。続編がはやく観たい。

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