Dec 28
Netflixで配信されている『ブラック・ミラー』の番外編というか、ドラマとは別のもの。
Netflixオリジナル映画という書き方だったので、日本でいうTHE ムービー的なものだと思っていたけれど、選択肢からストーリーの行く末を決められるほとんどアドベンチャーゲームのようなものだった。
以下、ネタバレです。
が、おそらく全通りのエンドは見られていないし、バッドエンドっぽいのにしかならない。けれど、『ブラック・ミラー』自体がバッドエンドなことが多いドラマなので、もしかしたらハッピーエンドなんてないのかもしれない。
また、主人公のステファンを演じるのが、『ダンケルク』のトミーを演じたフィン・ホワイトヘッドで、彼目当てで見たんですが、彼が何度もつらい目に遭う…私の選択肢の末なので私のせいでつらい目に遭うので、何度も見るのが疲れてしまった。
選択肢で物語の行く末を決められるとは言っても、途中で二、三回出てくるくらいだと思っていたし、途中で軌道修正されて結局は同じ話になるのだろうと思っていた。
けれど、最初の朝食のシリアルの種類から決めさせられて、次に通勤のバスの中で聴く音楽まで選択をすることになる。実際に撮影されたのが5時間で、一回目に終わったときに1時間半だったのでまだまだ見ていないルートがありそう。
ただ、このシリアルの種類に意味があるとは思えないし、次の音楽もBGMが変わるだけなのではないかなと思う。けれど、最初に選んだシリアルのフロスティがどのシーンだか忘れてしまったけれど、途中のCMで出てきたのは少し不気味だった。もしかしたら、ここで間違えたせいでバッドエンドルートに入ってしまっているのではないか。
その次の、会社に誘われて了承するか断るかの部分はもしかしたら根本的な部分に関わってくるのかもしれないがわからない。断ってしまった。
大まかなあらすじとしては、昔の本を原作としたアドベンチャーゲーム『バンダースナッチ』をプログラマーのステファン(フィン)がゲーム会社に持ち込む。リリースしようということになるが、原作の作者は人に操られているという妄想を抱いて死んでしまったことがわかる。ステファンも同じ妄想に取り憑かれる…というもの。
しかし、このステファンが主人公のゲームを遊んでいるのは私たち視聴者なんですね。だから、ステファンは、誰かに操られていることを不安がる…私の行動を怪しみ出す。メタ的な構造になっている。
これ、フィン・ホワイトヘッドのことが好きかそうでもないかにもよると思うんですけれど、好きな俳優がテレビの中からこちらに干渉してくるんですよ。テレビを通じて彼と繋がれる。
普通ならとても嬉しいことだけれど、このドラマの場合、私の選択のせいで好きな俳優が演じる役の子がどんどん病んでいく。つらい。特に、『父親を殺す』という選択肢を選ばなくてはいけないのがもう…。
あと、その遺体を切り刻めという指示を出したら、「マジかよ」とひかれてしまった。こんな選択肢、選びたいわけじゃなかったのよ…。
それだけじゃなく、これはNetflixのドラマですよ、Netflixっていうのは娯楽ですよみたいに出演者に教えることもできる。画面の中で戸惑っていた。
だから、私の選択がダイレクトに彼に伝わっている感じはひしひしと味わえる。けれど、別に乙女ゲームではないし、私と画面の中の彼はどうにもならない。でもせめて、幸せにはしてあげたい。
それなのに、何を選んでも逮捕されてしまう。父親を殺すが選択肢に出てくるからですけれど。
ゲームの評価は5も取れた。2ちょっとだったときもあったけれど。でも最後が獄中になってしまう。
けれど、現代のNetflixの担当者が出てくることもあった。入れ子構造です。ただ、現代の人のPCも壊れてしまって、叩くか飲み物をかけるの二択が出てきて、どちらにしてもPCが直らなさそうだけど、飲み物をかけてしまった。
ステファンの悩みというのは、ゲームを作ることもあるんですが、母親が自分のせいか父親のせいで死んでしまったのではないかとずっと悩んでいる。家族の問題もあるのだ。
過去に戻るような描写があって、過去が変えられれば現代も変わるというのは力強く夢のあるメッセージだと思うんですが、過去に戻って、元凶となるウサギのぬいぐるみは取り戻したのに、結局母親と一緒に電車で死んでしまった。現代のステファンも死ぬ。あのとき、ウサギのぬいぐるみを取り戻した上で列車に乗らないの選択肢を選んでいたらどうなっていたのだろう。やはり母親だけが死ぬのだろうか。
この、あの時こうしていたらどうなった?というのは、ゲームだけの話ではなく、自分の人生にも覚えがあることだから、なんとなくそこまで想起させるものを作ったのは素晴らしい。
過去に戻って母親を生き返らせるなんてことはできなくても、できれば父親との仲を修復したい。殺すなんて選択肢は出てこないでほしい。また、ゲームも成功して5の評価をもらいたい。その上で、逮捕エンドはやめてほしい。全部が叶うハッピーエンドはあるのだろうか。
バンダースナッチというのは、ルイス・キャロル作品に出てくる謎のバケモノらしい。実はアリスのモチーフになっていることが何回か出てくる。コリン(ウィル・ポールター)が序盤で、ゲーム作りに悩むステファンに「思考の穴に落ちたな」ということを言う。また、鏡の中に入って行く描写もある。それに一番わかりやすいのは、白いウサギのぬいぐるみですよね。
コリンは要所要所で「もう一度やり直せ」とか意味ありげなことを言うので、もっとキーマンなのだと思う。私の話の中ではあまり彼を生かせていない。
最後の方で殺す、殺さないの選択肢の時も、「いいよ、お前に選択できるなら」と言っていた。ステファンは選択できず、他の何者か(私)が選択していると知っていそうだった。
彼の関連で、彼の家に行った時に薬を受け取らない(どうせ飲み物に入れられたのでどうなのだろう)、飛び降りるのをコリンにするという選択をしたけれど、この辺どうなのだろう。
なんかビデオ渡してきたのも意味ありげだし、きっともっと出番ありそう。私の選択肢では全然出してあげられなかった。
何度もやり直したいんですが、つらい指示を何度も彼に与えることに疲弊してしまって続けられなくなった。だって、私が『父親を殺せ』と言ったばかりに彼が父親を殺すんですよ。僕の意志じゃないって言いながら…。つらすぎる。
このドラマというか映画というかゲームというか、主演俳優が好きかどうかによっても楽しみ方やつらさがまったく違ってくると思う。
何度も繰り返し同じシーンも見るのはまったく苦にならないけれど、どのルートを辿っても人を殺してしまうのは可哀想すぎる。ここまで行く前に、何か選択肢を間違えているのではないかと思う。
でも、バッドエンドしかないのかもしれない。『ブラック・ミラー』じゃなければこんなこと有り得ないんですが。
それにしても、動画配信サービスで、こんなゲームみたいなことやるのすごい。Netflixに入っているだけで楽しめるなんて。好きな俳優じゃなかったら、もっと何度もプレイ(プレイという言い方)していたと思う。
現段階ではちょっと疲れてしまったので一旦休みます。
『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』
Posted by asuka at 10:26 PM
Netflixで配信されている『ブラック・ミラー』の番外編というか、ドラマとは別のもの。
Netflixオリジナル映画という書き方だったので、日本でいうTHE ムービー的なものだと思っていたけれど、選択肢からストーリーの行く末を決められるほとんどアドベンチャーゲームのようなものだった。
以下、ネタバレです。
が、おそらく全通りのエンドは見られていないし、バッドエンドっぽいのにしかならない。けれど、『ブラック・ミラー』自体がバッドエンドなことが多いドラマなので、もしかしたらハッピーエンドなんてないのかもしれない。
また、主人公のステファンを演じるのが、『ダンケルク』のトミーを演じたフィン・ホワイトヘッドで、彼目当てで見たんですが、彼が何度もつらい目に遭う…私の選択肢の末なので私のせいでつらい目に遭うので、何度も見るのが疲れてしまった。
選択肢で物語の行く末を決められるとは言っても、途中で二、三回出てくるくらいだと思っていたし、途中で軌道修正されて結局は同じ話になるのだろうと思っていた。
けれど、最初の朝食のシリアルの種類から決めさせられて、次に通勤のバスの中で聴く音楽まで選択をすることになる。実際に撮影されたのが5時間で、一回目に終わったときに1時間半だったのでまだまだ見ていないルートがありそう。
ただ、このシリアルの種類に意味があるとは思えないし、次の音楽もBGMが変わるだけなのではないかなと思う。けれど、最初に選んだシリアルのフロスティがどのシーンだか忘れてしまったけれど、途中のCMで出てきたのは少し不気味だった。もしかしたら、ここで間違えたせいでバッドエンドルートに入ってしまっているのではないか。
その次の、会社に誘われて了承するか断るかの部分はもしかしたら根本的な部分に関わってくるのかもしれないがわからない。断ってしまった。
大まかなあらすじとしては、昔の本を原作としたアドベンチャーゲーム『バンダースナッチ』をプログラマーのステファン(フィン)がゲーム会社に持ち込む。リリースしようということになるが、原作の作者は人に操られているという妄想を抱いて死んでしまったことがわかる。ステファンも同じ妄想に取り憑かれる…というもの。
しかし、このステファンが主人公のゲームを遊んでいるのは私たち視聴者なんですね。だから、ステファンは、誰かに操られていることを不安がる…私の行動を怪しみ出す。メタ的な構造になっている。
これ、フィン・ホワイトヘッドのことが好きかそうでもないかにもよると思うんですけれど、好きな俳優がテレビの中からこちらに干渉してくるんですよ。テレビを通じて彼と繋がれる。
普通ならとても嬉しいことだけれど、このドラマの場合、私の選択のせいで好きな俳優が演じる役の子がどんどん病んでいく。つらい。特に、『父親を殺す』という選択肢を選ばなくてはいけないのがもう…。
あと、その遺体を切り刻めという指示を出したら、「マジかよ」とひかれてしまった。こんな選択肢、選びたいわけじゃなかったのよ…。
それだけじゃなく、これはNetflixのドラマですよ、Netflixっていうのは娯楽ですよみたいに出演者に教えることもできる。画面の中で戸惑っていた。
だから、私の選択がダイレクトに彼に伝わっている感じはひしひしと味わえる。けれど、別に乙女ゲームではないし、私と画面の中の彼はどうにもならない。でもせめて、幸せにはしてあげたい。
それなのに、何を選んでも逮捕されてしまう。父親を殺すが選択肢に出てくるからですけれど。
ゲームの評価は5も取れた。2ちょっとだったときもあったけれど。でも最後が獄中になってしまう。
けれど、現代のNetflixの担当者が出てくることもあった。入れ子構造です。ただ、現代の人のPCも壊れてしまって、叩くか飲み物をかけるの二択が出てきて、どちらにしてもPCが直らなさそうだけど、飲み物をかけてしまった。
ステファンの悩みというのは、ゲームを作ることもあるんですが、母親が自分のせいか父親のせいで死んでしまったのではないかとずっと悩んでいる。家族の問題もあるのだ。
過去に戻るような描写があって、過去が変えられれば現代も変わるというのは力強く夢のあるメッセージだと思うんですが、過去に戻って、元凶となるウサギのぬいぐるみは取り戻したのに、結局母親と一緒に電車で死んでしまった。現代のステファンも死ぬ。あのとき、ウサギのぬいぐるみを取り戻した上で列車に乗らないの選択肢を選んでいたらどうなっていたのだろう。やはり母親だけが死ぬのだろうか。
この、あの時こうしていたらどうなった?というのは、ゲームだけの話ではなく、自分の人生にも覚えがあることだから、なんとなくそこまで想起させるものを作ったのは素晴らしい。
過去に戻って母親を生き返らせるなんてことはできなくても、できれば父親との仲を修復したい。殺すなんて選択肢は出てこないでほしい。また、ゲームも成功して5の評価をもらいたい。その上で、逮捕エンドはやめてほしい。全部が叶うハッピーエンドはあるのだろうか。
バンダースナッチというのは、ルイス・キャロル作品に出てくる謎のバケモノらしい。実はアリスのモチーフになっていることが何回か出てくる。コリン(ウィル・ポールター)が序盤で、ゲーム作りに悩むステファンに「思考の穴に落ちたな」ということを言う。また、鏡の中に入って行く描写もある。それに一番わかりやすいのは、白いウサギのぬいぐるみですよね。
コリンは要所要所で「もう一度やり直せ」とか意味ありげなことを言うので、もっとキーマンなのだと思う。私の話の中ではあまり彼を生かせていない。
最後の方で殺す、殺さないの選択肢の時も、「いいよ、お前に選択できるなら」と言っていた。ステファンは選択できず、他の何者か(私)が選択していると知っていそうだった。
彼の関連で、彼の家に行った時に薬を受け取らない(どうせ飲み物に入れられたのでどうなのだろう)、飛び降りるのをコリンにするという選択をしたけれど、この辺どうなのだろう。
なんかビデオ渡してきたのも意味ありげだし、きっともっと出番ありそう。私の選択肢では全然出してあげられなかった。
何度もやり直したいんですが、つらい指示を何度も彼に与えることに疲弊してしまって続けられなくなった。だって、私が『父親を殺せ』と言ったばかりに彼が父親を殺すんですよ。僕の意志じゃないって言いながら…。つらすぎる。
このドラマというか映画というかゲームというか、主演俳優が好きかどうかによっても楽しみ方やつらさがまったく違ってくると思う。
何度も繰り返し同じシーンも見るのはまったく苦にならないけれど、どのルートを辿っても人を殺してしまうのは可哀想すぎる。ここまで行く前に、何か選択肢を間違えているのではないかと思う。
でも、バッドエンドしかないのかもしれない。『ブラック・ミラー』じゃなければこんなこと有り得ないんですが。
それにしても、動画配信サービスで、こんなゲームみたいなことやるのすごい。Netflixに入っているだけで楽しめるなんて。好きな俳優じゃなかったら、もっと何度もプレイ(プレイという言い方)していたと思う。
現段階ではちょっと疲れてしまったので一旦休みます。
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