『キャプテン・マーベル』



アベンジャーズ界隈としては『インフィニティ・ウォー』で大変なことになっている最中ですが、本作は95年ということで過去の話。
あらゆる映画において日本の公開は遅いですが、本作は『エンドゲーム』の公開日が決まっていて、しかもそれが世界同時とのことで、一週間遅れで済みました。
監督はアンナ・ボーデンとライアン・フレック。他の作品でもコンビを組んでるとのこと。
主演はブリー・ラーソン。

以下、ネタバレです。










まず、オープニングのマーベルロゴがスタン・リー追悼バージョンになっていたのが不意打ちで泣かされた。そういうものは最後に持ってきてください。『スパイダーマン:スパイダーバース』では最後だったので油断していた。

相変わらず、原作を読んでいないので、『フューチャー・アベンジャーズ』での情報しか知らなかった。そのため、遠くから来た強いお姉さんという印象しかなかった。地球の人なのか宇宙の人なのかもわからず。

ヴァース(ブリー・ラーソン)は任務に失敗して地球に落ちてくる。95年であり、CD屋にはスマッシング・パンプキンズの『メロンコリーそして終わりのない悲しみ』(95年)やPJ ハーヴェイの『Rid of Me』(93年)のポスターがべたべたと貼られている。懐かしさに震えていると、エラスティカの『Connection』(95年)が流れ出す。バトルのシーンではノー・ダウトの『Just A Girl』(95年)が使われていた。
ニルヴァーナの『Come as You Are』(91年)も流れるけれど、ほぼ女性ボーカル曲であり、流れたシーンで多少キャロル(ヴァース)が煽りのようなものを受けていることを思うと、意図的だったように思う。
また、90年代で女性ボーカルといえば…のホールの『Celebrity Skin』(98年)がエンドロールで満を持してかかるので、涙が流れた。待ってました!インパクトのあるギターのジャジャ!ジャジャ!ジャジャ!のイントロに続いての♪Oh,make me over〜は一緒に歌いたくなった。

ナイン・インチ・ネイルズが本作とのコラボTシャツをオフィシャルストアで売っていたのが謎だった。音楽がトレント&アッティカスというわけでもなかったため、ひょっとしたら95年が舞台だし、94年に『The Downward Spiral』が出たので、曲が流れるのかなと思っていた。
しかし、曲は流れない。代わりに、中盤でずっと、ヴァースがNINのおなじみのロゴのTシャツを着ていました。コラボTシャツはキャプテン・マーベルのマークも入っているのでブリー・ラーソンが劇中で着ていたデザインとは違う。同じデザインのものも売っています。『アイアンマン』を観たAC/DCファンもこんな気持ちだったのだろうか。

ヴァースはフューリーと一緒に地球に侵入しているスクラル人を倒しながら、自分の過去と向き合っていく。そして、スクラル人が実は悪者ではないこと(子供や女性のスクラル人を出すことで彼らにも家族がいるよ、だから悪者じゃないよと示すのは少しずるい気がした。前半でミスリードを誘いすぎというか…)がわかる。
もう少しコールソンも活躍してほしかったけれど、フューリーのサポートとしてちょっと出てくるだけ。でも出てきただけでも嬉しい。『エンドゲーム』にも出てきてほしいが、無理そうかな…。『エージェント・オブ・シールド』を観ているので、彼の今後について思いを馳せた。

ヴァースもヴァースという名前ではなく、キャロルという名前のアメリカ空軍所属の地球の人であることがわかる。スーパーパワーを手に入れたのは事故によるものだった。しかし、それを覚醒させたのは彼女が元々持っていた強さなのが感動した。
何度倒れても、男に馬鹿にされても、決して泣き寝入りはせずに立ち上がる。両足でしっかりと立っているポスターからも滲み出ている力強さが全編に貫かれている。

覚醒してからの強さのインフレ具合は笑ってしまうほどだった。生身で宇宙まで飛んでいける。アイアンマンにもできないこと。でも、『エンドゲーム』でアベンジャーズに加わるのだから並の強さではいけない。

とんでもない強さになってるのはわかるはずなのに、ヴァースの上官であるヨン・ロッグは最後まで教えてやろうみたいな偉そうな態度なんですよね。男というだけで立場が上だと思っているのか、見苦しく見えたけれど、それをキャロル(ヴァース)が一発で沈めるのがスカッとしました。

ポスターにも出てきていたグースという猫ちゃんはとても可愛いんですが、大変凶暴でした。猫ちゃんの時にはフューリーは「よちよち」みたいな文字通りの猫撫で声だったんですが、本来の姿を見てからは怯えた口調になっていた。フューリーの目を今のような眼帯にしたのもグースだったんですが、原作通りなのかは不明。

ラストではフューリーがアベンジャーズ計画の書類を作っていて、ああ、この計画でアイアンマンの元へ…と思った。『アイアンマン』のラストですね。もう全部観直したいくらいですが、『エンドゲーム』までには時間がない。

『インフィニティ・ウォー』の最後、消える直前のフューリーはキャロル(キャプテン・マーベル)宛に通信を飛ばした。この映画の時のこと…95年のことを消える直前に思い出していたのだなと考えると感慨深い。
そして、エンドクレジットの後では、キャプテン・マーベルがスティーブやナターシャたちに合流していた。絶望しかなかったラストに少しの希望が加わった。あとスコット・ラングですかね…。

エンドロールの最後、グースがキューブを吐き出していて、あれ、今、キューブってどうなってるんだっけ?と思った。これは復習しておきたい。(『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』から『マイティ・ソー』の間なのではとのこと)


0 comments:

Post a Comment