『ドライヴ』


最近なにかとよく見るライアン・ゴズリングとキャリー・マリガン。売れっ子二人が一緒に出演してるので旬の映画ともいえるのかもしれない。
ライアン・ゴズリング出演作は『ラースと、その彼女』と『きみに読む物語』しか観てないですが、そのままの印象で観たので驚いてしまった。朴訥とか、良い人とか、ちょっとさえないとか、地味とか、誠実とか、そんな感じの印象だったのが一気に覆された。恰好良かったです。しかも、セクシー。実はなんで売れっ子なのがよくわかってなかったのですが、納得しました。でも、何を考えてるかわからなさみたいなのは継続して同じ印象かもしれない。

『ドライヴ』は、セリフがほとんど排除されてるのが説明くさくなくていい。ぱっと場面が転換してしまう。上映時間が100分と短めなせいもあって、緊張感が持続する。特に、60席程度の小さい劇場だったせいか、誰も音を立ててなくて、いい環境で観られたのも良かった。

セリフが少なくても、題材がシンプルなせいか、話がわかりにくくならないのが面白い。前情報をいっさい入れてなかったので、最初はハンドルを握ると性格がかわる人の話かと思ってたら違いました。一応、クルマ物だけど、『ワイルドスピード』とか『TAXi』みたいなノーテンキなアクション映画とも違う。ムチムチの水着のおねーちゃんが出てきたりもしない。どうも説明しづらい映画ではあると思う。でも語りたくなる映画です。

ライアン・ゴズリング演じる主人公は、必要なことしか言わない謎が多い男ですが、だからこそ、しゃべったときの言葉の重要味が増す。特にエレベーターに乗る前のシーンが印象深く、エレベーターの中での流れるような一連のシーンは本当に恰好良かった。

構成ですが、OPにやりくちを一通り見せるというのはよくあるのかな。『ダークナイト』方式というか。『ブラック&ホワイト』もそうだった。作品に緊迫感を持たせるし、スムーズに話にひきこまれる。

もう一つ、緊迫感があったのは音楽です。硬質で冷たいインダストリアルテクノは少しNINというかトレント・レズナーにも似ていた。これが、最近だと『コンテイジョン』と同じ方だと知って、同じ雰囲気だったのでなるほどと思った。クリフ・マルチネスという方で、レッチリのドラマーだったこともあるらしい。どうりでロック色が強いわけです。

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