『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』


アカデミー作品賞にノミネートされていましたが、これがアカデミー賞をとってもよかったんじゃないかと思うくらいの良作でした。

上映時間が146分と少し長いんですが、その長さを感じさせなかった。丁寧に作ってあるので、この長さになってしまっても仕方がないと思える。
作品中にさまざまな問題が起こるが、それについて、一つ一つ、しっかりと決着をつけていく。その決着のつき方は、単に問題が解消されてめでたしめでたしということだけではないけれど、とにかく決着はつく。一応すべてを回収するので、もやもやしたところが残らずにすっきりする。
また、その決着にそれぞれドラマがあり、そのどれもこれもで泣いてしまった。一つの問題が解決して泣いていると、また次の問題が解決して、ああ、そういえば、そんな問題も…と、感動ポイントがたたみかけるように出現する。散らばったいろんな問題が、映画の後半に集中してきっちりきっちりと終わっていって、映画が終わった後、とても晴れやかな気持ちになれる。


きれいな柄のワンピースやヘアスタイル、メイク、アクセサリーなど、ちゃんと60'Sに作ってあるのも注目すべき点だと思う。どれも可愛い。黒人のメイドさんの話なので、家の中の様子が多く出てくるけれど、家具や車も凝っていて、そのあたりを見るだけでも楽しい。色使いもポップ。ほとんど男性が出てこないのも特徴的でした。

ミニー役のオクタヴィア・スペンサーが助演女優賞を受賞していたり、他にもヴィオラ・デイヴィスが主演、ジェシカ・チャスティンが助演女優賞にノミネートされていたりと、演技の面でも見ごたえがあった。

こうゆうゴリッとした人間ドラマを観てしまうと、この前の週に見た『僕達急行』がとても軽く思えてしまう。あれはあの軽さが魅力でもあるので比べてはいけないかもしれないけど、見ごたえと映画後に残るものがまったく違う。

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