『アーティスト』


モノクロ/サイレントということで、他の映画とは土俵が違うので、比べるのは違う気もしました。サイレント映画自体、それほど観たことがないので、新鮮な気持ちで観られた。でも、内容があまり面白く感じられなかった。アカデミー賞はアイディア賞だったのかなと思ってしまった。もちろん、メイクや衣装やそれっぽい作り、音楽などは素晴らしかったし、犬のアギーも可愛かった。ジャン・デュジャルダンの片方の眉を上げた笑顔はステキでした。
以下、ネタバレあり。





予告を見て、なんとなく、あらすじは推測できた。サイレント映画のスターと、そのスターに憧れるファンの女の子が恋人同士になって、そのうち、サイレント映画の衰退とともにスターが堕落していき、代わりにファンの女の子のシンデレラストーリーが始まり、二人はすれ違い…という感じのものだろうと思っていました。

私は恋に落ちる瞬間を見るのが好きなのです。なので、序盤の映画内映画のパーティーシーンの撮影の場面はとても好きでした。幸せで顔がうっかりほころんでしまい、何度もNGを出しちゃう。はにかんだ二人の表情も良かった。

そのまま、ラブラブで甘々のまま話がすすむのかと思いきや、スターが堕落するのが案外早かった。ラブストーリーではなく、スターが一人で孤独に自分と向き合っている描写が長い。だから、アカデミー賞でも二人がノミネートされたわけじゃなく、ジャン・デュジャルダンのみが主演男優賞にノミネート/受賞したんでしょう。

根本的なことなんですが、まず、主人公が結婚していることに驚いてしまった。それは別に隠された事実ではないのですが、結婚しているならラブストーリーではないのだなと最初に思いました。もっと甘いだけのロマンティックな話で良かったのに。

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