『E.T. 20周年アニバーサリー特別版』


過去の名作を週がわりで上映している“午前十時の映画祭”にて。
公開時に観たきりなので、特別版との違いなどはわかりません(追記1)。内容もほとんど忘れていた。E.T.は画像など見ると少し気持ちが悪い感じですが、動くと可愛かった。

ただ、脚本はそんなに良くできてないと思った。宇宙船に乗れなくて地球に置いていかれてしまったんですが、元々、何をしに来ていたのかわからない。迎えに来たときにもあっさり帰っていたから侵略しに来たわけではないのかな(追記2)。
自転車で逃げて、間一髪のところで空を飛ぶシーンも、だったら最初から飛べばいいのにと思ってしまった。ハロウィンの夜も、結局何が起こったのかいまいちわからない。

あと、撮影技術のせいなのかもしれないけど、瀕死状態で動かないE.T.がベッドに横たわっているシーンはただの人形がベッドの上に置いてあるようにしか見えない。実際、ただの人形なのでしょうが、さっきまで動いていたものが、息たえだえ…というようには見えない。その人形に、医師たちが必死で電気ショックを与えたり心臓マッサージをしているシーンはコントにしか見えなかった(追記3)。
続く、E.T.が生き返るシーンはエリオットの「I love you.」のセリフが引き金になったということでいいのかな。白雪姫? 生き返ったのがバレないように、棺桶に突っ伏して泣いてる振りをするのもコントっぽかった。さっきまでエリオットとE.T.が両方とも死にそうになっていた深刻で悲痛なイメージから一転する。

また、帰るときにエリオットの記憶を消したのかどうかも少し気になる。「いつでも君のそばに」みたいなことを言って、エリオットの頭を指すのは、記憶は消えるけど奥底に残るでしょうということなのか、それとも、文字通り、体は離れるけど思い出は残るということなのか。あと、宇宙船に乗るときに「行コウ」とエリオットを一回誘うのは意外だった。E.T.はそこまでエリオットのことが好きになっていたのか。

いろいろ気になるところはあるけれど、わかりやすい展開と、あの有名なテーマ曲で強引に押し切られて、やっぱり泣いてしまった。
あともう一つ、月をバックに自転車が飛ぶ有名なシーンは中盤よりももう少し前くらいで、クライマックスだと思っていただけに驚いた。ただ、目の前のスクリーンで流れ出したとき、映画館で観られて良かったと思った。ふわっと自転車が飛ぶときに、全身がぞわっとしました。

あと、前半にちょこちょこ出てきたE.T.ギャグは、時代を超えておもしろかった。結構、声を出して笑いました。ハロウィンで、ヨーダのお面をかぶった人をE.T.が仲間と勘違いしてしまうシーンが特に好きです。『E.T.』の世界に『スターウォーズ』が出てくるとは思わなかった。


追記1:音や画像が鮮明になっている他に、セリフが一部変更になったり、もともと着ぐるみだったりしたE.T.の動きをCGに変えたりという違いがあるらしい。だったら、瀕死状態もどうにかならなかったのか。着ぐるみのE.T.のほうが味がありそうだし見てみたい。

追記2:地球の植物の調査に来ていたらしい。いや、確かに植物に見とれてて宇宙船に乗り遅れた感じではあったけど。帰るときにも花の鉢植えを持たされてたけど。特に説明はなかった。そこから察しなきゃいけなかったのかな。

追記3:リアリティを出すために、医師たちは役者さんではなく本職の方々らしい。本職の方々が人形の胸のあたりを必死に押していたのかと思うと…。


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