『Mr.インクレディブル』


2004年公開。好評なのと、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のブラッド・バード監督なので、ずっと気になっていたところ、テレビで放映されたので鑑賞。

単純なヒーロー物の流れではなく、ヒーローとしての活躍部分は過去の栄光にとどめて、隠居生活に入っているところから始まるのが面白かった。近しい人がヒーローとは無縁の平穏な生活を望んでいて、当の本人はうぬぼれや正義感からヒーローに戻ることも望んでいるのはダークナイトシリーズのアルフレッドとブルースの関係と同じ構造。平穏な生活を望む側(妻)もヒーローであることは違いますが。
また、主人公かと思われた父親がとらわれて、それを母親と子どもが助けに行くという、一筋縄ではいかない珍しい展開もおもしろかった。
家族それぞれの特殊能力を適材適所で使っていくのも面白い。喧嘩をしても致命的な仲間割れはしないだろうし、家族でチームというのはなかなかいいのではないかと思う。

最終兵器である赤ちゃんの能力は最終兵器ゆえかもしれないけどちょこっとしか出てこないし、可愛くなったお姉ちゃんの今後も知りたいので、続編を作ってほしい。公開からだいぶ経ってしまってるので無理かな。
それか、栄光の過去部分ををとりあげた、ビギンズやZERO的なものを作ってほしい。フロゾンとのバディものでもいい。イラスティガールの若い頃もかわいかったので、もっと活躍部分が観たい。

今回、“豪華吹き替え陣!”と謳われていたけど、テレビ放映版の特別キャストなのかと思ったんですが、そうでもないらしい。Mr.インクレディブル役の三浦友和とイラスティガール役の黒木瞳は、二人とも下手ではないんだけど、元々の俳優さんが見えてしまう。自然といえば自然な演技。ヴァイオレット役の綾瀬はるかは、声にハリや力がなかった。でも、線が細いおとなしい子なので合ってるといえば合ってるのかな。
シンドローム役の宮迫は、かえって空回りというか、頑張っているのはわかるけど、わかっちゃったら駄目だろうというか。俳優が吹き替えをやる場合、大袈裟すぎるくらいの大袈裟な演技をしないと声優と同じようにはならないことはある。しかし、主役の三浦友和や黒木瞳が、ほぼ俳優演技のままなので、逆に耳についてしまった。『アベンジャーズ』のホークアイの吹き替えも宮迫ですけど、どうなるんでしょうか。


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