『アナと雪の女王』


アカデミー長編アニメ映画賞受賞。全世界で興行収入10億ドルを突破したとのこと。サウンドトラックCDも売れているらしい。
確かに曲はどれも良かったし、『塔の上のラプンツェル』風のキャラクターデザインもとても可愛い。雪や氷の表現もとても綺麗だった。
でも、ストーリーがあんまり好みではなかったです。もっとこうしたらいいのに!という不満が残ってしまった。

以下、ネタバレです。







雪の上を歩いたときに残る足跡と少し巻き上がる雪。攻撃的になったエルサが放つ魔法で作り上げるつららの鋭さや質感。氷の城の床の反射。名曲Let It Goを歌いながら、自分のドレスを氷のドレスに変えるシーンなど、どれをとっても綺麗でした。厳しい寒さを感じさせつつも、やっぱり雪や氷は綺麗だと思った。日本の公開日3/14というのはもう春だし、遅すぎる。真冬に公開したら良かったのに。

ストーリーなんですが、アンデルセンの『雪の女王』を元にしているとのことですが、あらすじを見ても、雪の女王がつららを刺すあたりしか同じではないみたい。なので、原作のせいではないです。

エルサがつららを刺してしまったことで、アナが死んでしまいそうになり、それを救うのは真実の愛だけだということがわかる。アナがいよいよ凍ってしまったときにエルサがアナを抱きしめると、アナは元通りに、エルサの魔法の力の暴走で冬になっていた国も元通りに。
ここに“王子様”の入る隙はまったくない。だからもう、いっそ、エルサとアナの姉妹だけの話で良かったのではないかと思う
幼少の頃、エルサの力のせいで離ればなれになって、アナの記憶も消されて…というあたりも、アナの記憶を元に戻す描写も欲しかった。

男の人が出てくるなら出てくるで、Wヒロインという売り出し方をするなら(この売り出し方をしているのは日本だけかもしれない)、エルサにも王子様がいないと可哀想。結局ロマンスがあったのはアナのほうだけ。しかも、二人と。一人は偽でしたが。

良い曲が多かったのでサントラ盤が売れるのもわかるんですが、最初の王子との曲も入っていると思うと切なくなる。あの、運命の人ひとめぼれの展開、すごく良かったのに。バカップルというか、二人の浮かれ具合が好きでした。なので、あれは嘘だったと言われるのはつらかった。

ただ、一緒に旅をする途中で、クリストフもアナのことが好きになってたみたいだったし、トロールにあれだけ盛大に祝われて、この二人をくっつけないのもどうするんだろう…とは思っていた。

以前どこかで、“『魔法にかけられて』が好きな人向け”という話を見た気がしたので、もしかしたら、アナとクリストフ、王子はエルサとカップルになるのかなと思っていた。だけど、そんなこともなく。エルサには“王子様”の影すらなかった。

だから、結局のところ、私はどっちかにしてほしかったんだと思う。“王子様”を出すなら姉妹二人ともにお相手を。でなければ、こんな風に呪いを解くのにも姉妹で事足りるならば、姉妹だけの話で良かった。
エルサを救う真実の愛の相手が、王子ではなかったのは残念だったけど、当然クリストフだと思うじゃないですか。それが、アナならば、もう姉妹だけに焦点を当ててくれれば、もっと深く濃く、二人のことが知れたのに。

今回、字幕版で観たのですが、吹替もかなり良いらしく気になる。
雪だるまオラフ役がピエール瀧らしい。オラフも一曲あるんですが、え?歌うの?と思ったけど、そこは元々音楽の人なんだから大丈夫でしょう。

エンドロール後のあれは、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』と同じ感じ。それほど重要ではない敵が、観ている人や登場人物からも忘れられて取り残されてるっていう。

そういえば、エンドロールの途中で思い出したのでカメオは見つけられなかったです。

(追記:わりと否定的な感想を持ってしまったんですが、観てしばらく経った今、謎のハンス愛によって、もう一度観たくなってます。吹替でも観たい)


同時上映の『ミッキーのミニー救出大作戦』が素晴らしかった。アニー賞の短編アニメーション賞を受賞しています。
最初、モノクロだし、動きも古き良きな感じだし、音声も古そうだったので、昔の作品を発掘してきたものなのかと思った。
しかし、途中から、ミッキーがスクリーンから飛び出して来た!ここですごく驚いた。スクリーンから出てきたミッキーはCGに。そして、スクリーンをひっくり返したりといじりながら、スクリーンの中と外側でストーリーが展開していく。これ、3Dだとどうなるんだろう。2Dでもだいぶ飛び出して見えた。
ミッキーの声はウォルト・ディズニーの声のアーカイブの合成らしい。

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