『アナと雪の女王』
Posted by asuka at 10:20 PM
アカデミー長編アニメ映画賞受賞。全世界で興行収入10億ドルを突破したとのこと。サウンドトラックCDも売れているらしい。
確かに曲はどれも良かったし、『塔の上のラプンツェル』風のキャラクターデザインもとても可愛い。雪や氷の表現もとても綺麗だった。
でも、ストーリーがあんまり好みではなかったです。もっとこうしたらいいのに!という不満が残ってしまった。
以下、ネタバレです。
雪の上を歩いたときに残る足跡と少し巻き上がる雪。攻撃的になったエルサが放つ魔法で作り上げるつららの鋭さや質感。氷の城の床の反射。名曲Let It Goを歌いながら、自分のドレスを氷のドレスに変えるシーンなど、どれをとっても綺麗でした。厳しい寒さを感じさせつつも、やっぱり雪や氷は綺麗だと思った。日本の公開日3/14というのはもう春だし、遅すぎる。真冬に公開したら良かったのに。
ストーリーなんですが、アンデルセンの『雪の女王』を元にしているとのことですが、あらすじを見ても、雪の女王がつららを刺すあたりしか同じではないみたい。なので、原作のせいではないです。
エルサがつららを刺してしまったことで、アナが死んでしまいそうになり、それを救うのは真実の愛だけだということがわかる。アナがいよいよ凍ってしまったときにエルサがアナを抱きしめると、アナは元通りに、エルサの魔法の力の暴走で冬になっていた国も元通りに。
ここに“王子様”の入る隙はまったくない。だからもう、いっそ、エルサとアナの姉妹だけの話で良かったのではないかと思う
幼少の頃、エルサの力のせいで離ればなれになって、アナの記憶も消されて…というあたりも、アナの記憶を元に戻す描写も欲しかった。
男の人が出てくるなら出てくるで、Wヒロインという売り出し方をするなら(この売り出し方をしているのは日本だけかもしれない)、エルサにも王子様がいないと可哀想。結局ロマンスがあったのはアナのほうだけ。しかも、二人と。一人は偽でしたが。
良い曲が多かったのでサントラ盤が売れるのもわかるんですが、最初の王子との曲も入っていると思うと切なくなる。あの、運命の人ひとめぼれの展開、すごく良かったのに。バカップルというか、二人の浮かれ具合が好きでした。なので、あれは嘘だったと言われるのはつらかった。
ただ、一緒に旅をする途中で、クリストフもアナのことが好きになってたみたいだったし、トロールにあれだけ盛大に祝われて、この二人をくっつけないのもどうするんだろう…とは思っていた。
以前どこかで、“『魔法にかけられて』が好きな人向け”という話を見た気がしたので、もしかしたら、アナとクリストフ、王子はエルサとカップルになるのかなと思っていた。だけど、そんなこともなく。エルサには“王子様”の影すらなかった。
だから、結局のところ、私はどっちかにしてほしかったんだと思う。“王子様”を出すなら姉妹二人ともにお相手を。でなければ、こんな風に呪いを解くのにも姉妹で事足りるならば、姉妹だけの話で良かった。
エルサを救う真実の愛の相手が、王子ではなかったのは残念だったけど、当然クリストフだと思うじゃないですか。それが、アナならば、もう姉妹だけに焦点を当ててくれれば、もっと深く濃く、二人のことが知れたのに。
今回、字幕版で観たのですが、吹替もかなり良いらしく気になる。
雪だるまオラフ役がピエール瀧らしい。オラフも一曲あるんですが、え?歌うの?と思ったけど、そこは元々音楽の人なんだから大丈夫でしょう。
エンドロール後のあれは、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』と同じ感じ。それほど重要ではない敵が、観ている人や登場人物からも忘れられて取り残されてるっていう。
そういえば、エンドロールの途中で思い出したのでカメオは見つけられなかったです。
(追記:わりと否定的な感想を持ってしまったんですが、観てしばらく経った今、謎のハンス愛によって、もう一度観たくなってます。吹替でも観たい)
同時上映の『ミッキーのミニー救出大作戦』が素晴らしかった。アニー賞の短編アニメーション賞を受賞しています。
最初、モノクロだし、動きも古き良きな感じだし、音声も古そうだったので、昔の作品を発掘してきたものなのかと思った。
しかし、途中から、ミッキーがスクリーンから飛び出して来た!ここですごく驚いた。スクリーンから出てきたミッキーはCGに。そして、スクリーンをひっくり返したりといじりながら、スクリーンの中と外側でストーリーが展開していく。これ、3Dだとどうなるんだろう。2Dでもだいぶ飛び出して見えた。
ミッキーの声はウォルト・ディズニーの声のアーカイブの合成らしい。
calendar
ver0.2 by バッド
about
- asuka
- 映画中心に感想。Twitterで書いたことのまとめです。 旧作についてはネタバレ考慮していませんのでお気をつけ下さい。
Popular posts
-
アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、歌曲賞ノミネート、脚色賞受賞。その他の様々な賞にノミネートされていました。 以下、ネタバレです。 北イタリアの別荘に夏の間訪れている家族の元に、一人の青年が訪れる。家族の父親が教授で、その青年は教え子である。 まず舞台の北イタリアの夏の風景が素晴...
-
ウェス・アンダーソン監督作品。前作の『ムーンライズ・キングダム』は、ブルース・ウィリスやティルダ・スウィントンは良かったし、家の中の撮り方も良かったけど、お洒落映画でしかないかなという感想だった。そのため、今回もかまえてしまっていたけれど、すごく面白かった。 やはり、撮り方な...
-
いわゆるロードショー公開はされない注目作を上映するのむコレ2018にて上映。 今年公開された映画らしい。 あまり内容を調べずに観たので、タイトルと、主演が『ゲーム・オブ・スローンズ』のラムジー役でお馴染み、ウェールズ出身のイワン・リオンだったため、RAFのイギリス部隊の話かと思っ...
-
試写会にて。わかったことと、わからないこと。 以下、ネタバレです。 クーパーがどうやって助けられたのかがよくわからなかったんですが、あの時のアメリアの顔は幻じゃなかった。映画の序盤でワームホールを通る時に、アメリアが“彼ら”の姿を見てハンドシェイクをする。結局“彼...
-
ドルビーアトモスで観たんですが、席が前方だったせいもあるかもしれないけれど、あまり音の良さはよくわからなかった。前回がIMAXだったからかもしれない。 IMAXと同じく、最初のプロモーション映像みたいなのはすごかった。葉っぱが右から左へ。 以下、二回目で思ったことをちょこ...
-
2013年公開。あんまり評価がよくなかったので映画館へは行かなかったんですが、ハリー・トレッダウェイが出ているということで観てみたらおもしろかった! 映画館で観れば良かった。 149分と多少長く、長いわりにエピソードが細切れでまとまってない印象はあったけれど、これも劇場で観ていれ...
-
ほぼ半月あけて後編が公開。(前編の感想は こちら ) 以下、ネタバレです。 流れ自体は前編と同じ。ジョーがこれまであったことを話し、それに対して、セリグマン(今回はちゃんと名前が出てきた。ステラン・スカルガルドが演じている男性)が素っ頓狂なあいづちをうつ、と...
-
IMAXレーザーというと109シネマズ大阪エキスポシティのものが有名ですが、このたび109シネマズ川崎と名古屋にも導入された。そのプレオープンで『ダンケルク』の上映があったので行ってきました。 ただし、大阪のレーザーはGTテクノロジー(旧次世代レーザー)という名称で、スクリーンの...
-
新宿シネマカリテにて、毎年行われているちょっと変わった作品を集めた映画祭カリコレにて上映。 ステファン・ダン監督初長編作品。カナダ出身なのと、同性愛もの、家族もの、音楽がふんだんに取り入れられたスタイリッシュな映像…ということこで、第二のグザヴィエ・ドランというふれこみの...
-
2000年公開。曲や映像づくりなど、とてもダニー・ ボイルらしい映画だった。 幻のビーチに辿り着くまでの話なのかと思っていたけれど、 かなり序盤でビーチには辿り着いてしまう。 そこから物語が展開していくということは、 ビーチがただの天国ではなかったということ。 一人旅の若者が...
Powered by Blogger.
Powered by WordPress
©
Holy cow! - Designed by Matt, Blogger templates by Blog and Web.
Powered by Blogger.
Powered by Blogger.
0 comments: