『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』


2005年公開。アメリカでは2004年公開。公開時に映画館でも観たんですが、今回はテレビで。

両親が火事で亡くなって孤児になってしまうし、意地悪な伯爵に遺産は狙われるし、確かに不幸ではあると思う。
でも観ていて憂鬱になるタイプの映画ではない。子供たちは力を合わせて、勇気を出して問題を解決していく。

美術や衣装が過剰なまでにごてごてと凝っている。まるで少し不気味な童話のよう。
監督は違うのですが、ティム・バートンの映画に雰囲気が似ていて、彼の映画のスタッフが多く関わっている。音楽もトーマス・ニューマンだし、衣装もコリーン・アトウッド。

コリーン・アトウッドの衣装がすべて素晴らしい。サニーは二歳か三歳くらいではないかと思うんですが、ふんわりしたスカートのドレスっぽい服が可愛い。ヴァイオレットのコートのような服も良いし、最後のウェディングドレスもピンチのシーンだったけれど、衣装はとても可愛かった。ほっぺを紅く塗る化粧も可愛い。

オラフ伯爵は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のジャックのような細身の黒に白いラインの入ったスーツだった。

そのオラフ伯爵を演じているのがジム・キャリー。近年のジム・キャリーはわりと好きなんですが、この頃のなのか、この作品のなのか、苦手なタイプのジム・キャリーだった。声、顔、動きのすべてでやりすぎというか。嫌な人の役なので、より嫌に思えた。

他にも、メリル・ストリープやダスティン・ホフマンなど有名どころが出演している。

主役のボードレール三姉弟妹は姉のヴァイオレット役がエミリー・ブラウニング。ぷっくりした口唇が可愛い。『エンジェルウォーズ』にベイビードール役で出てました。
弟のクラウス役はリアム・エイケン。少しJGLにも似ていた。
末っ子のサニーは出演者の名前がカラ&シェルビー・ホフマンになっているので双子だったらしい。
衣装のせいもあるかもしれないのですが、この三人の雰囲気がいい。頼りになるしっかり者の姉は妹を抱っこしていて、弟は腕っ節は強くないけれど頭脳明晰。

映画の世界観そのままのエンドロールが可愛い。絵本や影絵のようだった。テレビなのにしっかりそこまで流してくれて良かった。

ただ、明らかに続きそうな終わり方なのがすごく気になった。
オラフ伯爵は一度逮捕されたけれど釈放されているようなので、まだまだボードレール三姉弟妹を追うことができる。
目玉のマークは放火の告発だけの意味だったのだろうか。
また、どうして親戚でもない人々に預けられることになったのか、そして全員が持っていた望遠鏡の秘密。語り手であるレモニー・スニケットも持っていた。そもそもレモニー・スニケットって誰なのか、と調べたら、声の出演がジュード・ロウで、この先も続くようだったら出て来るはずではなかったのか。

更に、最後には“一章終わり”の文字。もともと、全13巻の小説が原作らしいのですが、この映画で描かれたのは1〜3巻までだったらしい。確実に続きはある。

多分、9年前に観た時には続編が楽しみと思っていたのかもしれないけれど、もうこれだけ年数が経ってしまっては難しいと思う。それに、子供たちは育ってしまっているから同じキャストというわけにはいかない。残念。

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