『ズーランダー NO.2』



なんと、2001年公開『ズーランダー』の15年ぶりの続編。アメリカでは2016年に公開されたものの、日本ではビデオスルーになってしまった。

ベン・スティラー監督・主演、ストーリーもまあ一応、『ズーランダー』のラスト以降の話ではあるけれど、話がまったくわからないということはない。というか、知っていたけれど、こんなことでいいのかというくらいにくだらない。だから特に復習したり、観ておいたりはしなくていいと思う。

ただ今回もくだらなすぎて、おもしろいんだかなんだかもわからない。ラスト付近のバトルもいい加減で、特に盛り上がるということもない。

親子愛は結構良かったけれど、どうなっちゃうの?みたいなハラハラ感はまったくなく、ムガトゥの最終兵器もキメ顔で止めてしまう。こんなのでいいの?
その前にキメ顔が失敗してナイフが顔にさっくり刺さってしまったが、痛い痛いとは言っていたけれど、あっさり引き抜いていたし、すべて解決のあと、「溶岩パーティーだー!イエーイ!」と足元の溶岩に飛び込んでいた。しかもその効果で顔の傷も消えるとか、まるでルーニー・テューンズか何かのカートゥーンの世界である。

ただ、監督・主演のベン・スティラーは相変わらずノリノリである。オーウェン・ウィルソンもメインキャラだし相当楽しんでる。

今回はペネロペ・クルスもメインキャラですが、度重なる巨乳アピールに水着姿まで披露。後ろに回ったデレクに「胸につかまってて!」と言っていて、サービス精神旺盛だし、ベン・スティラーがずるい。
泥だらけになりながら胸でずさーっと滑り込む姿を見ていたら、なんか、ペネロペが好きになってきた。

今回もカメオ多数です。
一瞬だけですが、スーザン・サランドンが『ロッキー・ホラー・ショー』の『タッチ・ミー』のサビ、"♪Toucha-Toucha-Touch Me〜"を歌ったので度肝を抜かれた。

終盤のKKKのような秘密の暗黒ファッション会合(何を書いているかわからないけどこうとしか言えない何か。インターポールのファッション課というのも出てくる)には、マーク・ジェイコブズやトミー・ヒルフィガーなどファッション業界の重鎮たちやVOGUEの編集長アナ・ウィンターも登場。演技が案外うまいのもおもしろい。

スティングが意外と重要な役で出ていたりもする。メインキャラのクリステン・ウィグはドラァグクイーンのようなメイクで誰だかわからなかった。

ベネディクト・カンバーバッチは女装というか、性別がないオールという役で出ていた。自分と結婚したらしい。綺麗とか醜いとかではなく、宇宙人のような感じでステージで空を飛んでいた。マリリン・マンソンにも見えた。
吹き替えが、いつものベネディクト・カンバーバッチの三上哲さんなのが気になる。

乱交の末、複数の女性がハンセルの子供を妊娠するんですが、その中にキーファー・サザーランドも。
慌てたハンセルは「ラクダの様子を見てくる!」と言って家の外へ飛び出していくんですが、その時に取り残されたキーファー・サザーランドの気持ちの整理がつかないような、喜んでくれると思ったのにそうではなかったのがわかった切ないような泣きそうな表情の演技が無駄にうまくて笑った。
最後では「流産したんだ…」と言って、寂しそうに笑っていたが、それもうまいハンセルは「それでも家族なのは変わらないじゃないか!」と言って抱きしめる。
ちなみにキーファー・サザーランドの吹き替えもおなじみの小山力也さんでした。
吹き替えでも観たい…。

カメオは多数出てきたけれど、特にこの二人について、本当に何やってるの?というか、何やらされてるの?という感じが強かった。
多分、すごくいい人たちなんだろうと思って、俳優さんたち自身が好きになってしまった。
ストーリーやギャグよりはカメオに注目して観たほうが楽しめるかもしれない。

序盤の隠居生活を送るデレクが借りたDVDが『エージェント:ライアン』と『アウトロー』で、デレクが「二回シコれるな!」と言うんですが、この意味がわからなかった。トム・クルーズが好きなのかなとも思ったけれど、『エージェント:ライアン』はクリス・パインだった。
じゃあなんなのだろうと思ったら、『エージェント:ライアン』の原題が『Jack Ryan: Shadow Recruit』、『アウトロー』が『Jack Reacher』で、Jack offがマスターべーションをするという俗語らしい。
こんな小ネタがちりばめられていたのだとしたら、字幕ではわからない。というか、わかったところでくだらないのはくだらないですが。

ただ、世間で酷評されているよりは悪い作品ではないと思った。



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