『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』


キャプテン・アメリカ第二弾。『アベンジャーズ』後の話です。この前の『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』もそうでしたが、結構話が続いているので『アベンジャーズ』は観ておいた方が話がわかりやすい。あと、映画の中で前作『キャプテ ン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の軽いおさらいはあるので話の面ではわかりにくくはならないけれど、観ておいた方がキャップの心情などがよりよく伝わってくると思う。
原作は読んでいません。

以下、ネタバレです。





前作はラスト付近まで1940年代が舞台だった。今回は現代が舞台です。『アベンジャーズ』の後の話。これを観た後だと、こちらがメインで、前作は過去篇とか番外編的な意味合いにもとれてしまうくらい、今回のほうが中身が濃く感じた。

スミソニアン博物館にキャップ関連のものが展示してあるんですが、それを使ってキャップ1で起こったことの説明をする、というおさらい方法が、スマートでしかも効率がよくわかりやすかった。70年も昔の出来事だから、博物館に展示してあるのも自然だし、展示物というのは出来事を簡潔にまとめてあるものである。だから、あらすじの説明をするにはもってこいなのだ。すごいアイディアだし、他の作品では真似ができない。

またここで、有名人であるスティーブが目立たないような恰好をしているんですが、子供に見つかってしまった時、内緒だよという感じで、しーってやるんですね。そのシーンがすごく恰好良い。
私は前作と今作ですっかりキャプテン・アメリカファンになってしまったんですが、それと同時にクリス・エヴァンスも好きになってきた。

また、ブラック・ウィドウに関しても、ナターシャの面が多く出てきていて、スティーブともいいコンビで良かった。ふてぶてしさ満載のナターシャが可愛い。
キスシーンはあっても、絶対に男女の関係にはならないだろうなという二人がいい。スティーブの好みではないし、ナターシャの好みでもない。それでも不思議といいコンビに見えるのは、だからこそなのか。トニー・スタークとナターシャが並んでいるところとは正反対である。
また、そのキスシーンのあと、ナターシャが「1945年以来のキス?」と、こちらが聞きたかったことを聞いてくれた。そして、常に女性の事で世話を焼いてあげようとしているのもおもしろかった。彼女なりに心配をしてあげている。

正確にはタイムスリップではなくコールドスリープだけれども、キャップは一人きりで時を越えてきていて、浦島太郎のような切なさがある。
特に、自分は若いままでおばあさんになってしまった想い人と話すシーンが泣ける。ドクター・フーにも似たようなエピソードがあった。

そんな状況の中で、死んだと思っていた幼馴染みが同じ若い姿で、しかも敵として出てくるという展開がいい。この時代に一人きりじゃないことがわかった喜び、幼馴染みが生きていた喜び、しかし敵として対峙していることでの困惑…。
感情が入り混じって、向こうは自分の事を憶えていなくても、ただでさえ優しいキャップが戦えるはずはない。戦いに出向く時に昔のスーツを着ていったのは、それなら思い出すかなと思ったのだろうか。過去でバッキーと別れた場所と同じように、ブリッジの上というシチュエーションで戦うのも考えられている。「最後まで一緒だ」と過去と同じセリフを口にして、唯一の武器であるシールドを下に落とすシーンからもキャップの覚悟が感じられた。

最後のおまけシーンで、バッキーがスミソニアン博物館で自分の記事を見ているシーンが出てきた。記憶は戻ったのだろうか。
二人の対峙は最後のほうでもっと、ドロドロしたメロドラマにしてくれても良かったとも思ったけれど、また次回、キャップ3で期待してます。

また、今回はアクションシーンも見応えがあった。エレベーター内での閉所アクションは派手さはないけれど、狭い場所を使っての動きが計算されつくされていた。
ニック・フューリーが襲撃される車のシーンも、車内と車外との攻防がおもしろい。車内のAIとの会話での「正常に動いている機能は?」「エアコンは動きますが」の機械特有の空気読めなさも、緊迫感のあるシーンに笑いも加えてくる余裕が感じられた。

演じたキャスト名の横に、登場人物のモチーフのシルエットが出るエンドロールが恰好良かった。ちょっと『スカイフォール』のオープニングを思い出した。

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