『アメイジング・スパイダーマン2』


同じくマーク・ウェブ監督による続編。独立した話というよりは続きなので、前作を観ておいたほうがわかりやすい。
以下、ネタバレです。





マーク・ウェブ監督は『(500)日のサマー』を撮っているんですが、その要素が受け継がれているのか、アクションものなのに、マッチョではなくどこかナヨナヨした青春恋愛映画になっているのがおもしろい。前作もそうでした。
NYの平和はもちろん大事だけれど、彼女がロンドンへ行くと言ったら、ロンドンで平和を守る!と決断しちゃう。スパイダーマンであることをやめるわけではなく、守る町を変えると言うあたりが彼っぽい。
それでも、アクション映画だし、青春映画では考えられないくらいに登場人物が死んでしまう。
前作の最後で、グウェンの父親が最期に「娘に近づくな」という言葉を残す。死ぬ間際のメッセージだし、関わったらこのように死んでしまうかもしれないと考えられるし、説得力がある。
前作がそんな終わり方だったから、今作で彼女との関係はどうなるんだろうと思って観ていて、何事もなかったように電話をしていたので、不思議に思っていたら、ちゃんと、父親の幻影に苦しんで一度は別れていた。
けれど、やっぱり好きー!ってことで、ロンドン行くよ発言が飛び出したんですね。
でも、結局グウェンが死んでしまう。
地面に打ち付けられていなかったので、気絶しているだけかと思ったけれど、お葬式のシーンがあったので、実は生きているということはなさそう。原作でも死んでいるようです。
こちらは青春物と思って観ていて、何が起こっても彼女と一緒にいたい!というピーターの想いを、ヒーローらしくはないけれど、それもありだろうということで、いっそ微笑ましく観ていたのに、まさかその彼女が死んでしまうとは。どちらかというと青春ものとして楽しんでいたのに、急にアクション映画になってしまったので驚いた。

最初に時計の歯車が映って、それが確かピーターの腕時計の内部だったんですが、後半、グリーンゴブリンと対決するのは大きな時計台の内部で、歯車を使った戦闘シーンがあるので、なるほどここに繋がるのかと思った。

最初に「アレクセイ様だぞーがはは」と出てきて、スパイダーマンに華麗に倒される悪者が出て来るのですが、それも最後にも出てくる。最後に出てきた時には、巨大な機械を纏って、二足歩行から四足歩行で突進して、これを倒す事でスパイダーマンが復活するので、ここでもかませ犬的な役割だった。なので、ちょい役だと思っていたのですが、これがライノというちゃんとした敵らしく、“三人の敵がスパイダーマンに襲いかかる”と数にもカウントされているし、原作にもちゃんと出てくる敵らしい。
ちなみに、エンドロールで知ったのですが、演じていたのがポール・ジアマッティ。『ウォルト・ディズニーの約束』で観た、あの人の良さそうな印象とはうって変わっていてわからなかった。
そういえば、『ウォルト・ディズニーの約束』の作詞作曲兄弟を演じた一人、B・J・ノヴァクも出てた。会社の嫌な上司役。

三人の敵のもう一人はエレクトロ。演じたのはジェイミー・フォックスで、こちらも『ジャンゴ』とは印象が違う役。スキッ歯とバーコード頭で冴えない風貌。誕生日に残業を申し付けられ、♪ハッピーバースデートゥーミーと自分で自分を祝っていて事故に遭って、生まれた敵。被害者なのでかわいそうだった。スパイダーマンに何をされたというわけではなく、逆恨みだったように思う。

そして、もう一人の敵がグリーン・ゴブリンで、演じたのがデイン・デハーン。楽しみにしてました。もう出てきた時から苦悩を抱えていて、常にどこか暗い影を背負っていて、笑顔も儚い。社長の息子なのでいいとこのぼっちゃん風だし、オズコープ新社長になるし、育ちの良さそうな感じが似合う。
体調が悪い役なので、目の回りが隈というか、茶色っぽくなっていて、色の白さが際立つ。
この人も逆恨みでスパイダーマンの敵になるんですが、暗い顔から一転しての悪い事を考えた笑みがたまらない。久しぶりに会えた友人との談笑の顔も儚いものだったし、企んでいる笑みがやっとちゃんと笑ったという感じ。
広い意味で見ると、『クロニクル』や『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』などと一緒の役です。
ちゃんとは映らないけれど、グリーン・ゴブリン姿もいかす。特殊メイク姿、もっとしっかり観たかった。オールバックにすると額の広さが目立ちます。
倒されてはいなかったので、次回も出てくるようです。

敵が三種類も出てくるとわちゃわちゃしそうだけれど、ライノは最初と最後(というかライノ姿は最後)だけだし、グリーン・ゴブリンとも決着がついていないし、それぞれがぶつかることはなかった。三つ敵がでてきていて、しかも、恋愛要素に結構時間が割かれているから、なんとなく全体的にあっさりしていた。

前作でもそうだったかもしれないけれど、スパイダーマンの動きはかなり俊敏なので、キメるシーンではスローになって全動きを見せてくれる。キメでスローになるのが少しザック・スナイダーっぽくもある。
スパイダーマンって飄々としていて軽いんですよね。糸をぽんぽん出したり、ビルとビルの間もひょいひょい飛んで行く。もうこれはヒーローの性質が違うからス パイダーマンってこうゆうものなのだろうし、仕方がないんですが、キャプテン・アメリカを直前に観ていると、あのゴリゴリした感じのほうが好みかもしれない。

おまけ映像はミスティークがどこかに潜入している映像。X-MENはX-MENなのでしょうが、なにか繋がりがあるのかもしれないけれど、いまいちわからず。今度公開されるフューチャー&パストの予告的な映像なのかもしれない。

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