『GODZILLA ゴジラ』

旧作は観ていませんので、予備知識などはほとんどないまま観たけれどおもしろかった!すごく巨大だった。
以下、ネタバレです。









一応、家族もの寄りのストーリーがあるんですが、ごっそり無くてもいいような感じがした。特にアーロン・テイラー=ジョンソン演じるフォード関連のエピソードが余計に思えてしまった。最後も、爆弾処理班がその場面で生かされるのか!と思ったら、別に処理できていなかったし、都合良くヘリは来て救出されるし、家族ともすぐに会えていた。未曽有の災害っぽかったので、あんなにすぐに会えるものなのかな…と最後までしらけ気味になってしまった。

ハワイのモノレールみたいなところから外のパニックになった様を見るシーンや、レールの上で追いかけられるようになるシーンは、ムートーやゴジラに比べて人間の小ささが実感できたし、無力さもよくわかったので良かった。でもそれなら、別に名前のついた登場人物である必要はないし、家族の存在もなくていい。

父親が隠蔽を暴こうとして、疑っていたフォードもそれを信じざるを得なくなって…というのはあって良かった。ならばそちらだけで、フォードの奥さんと息子の話を削っても良かったのではないか。

あと、フォードの父親と渡辺謙演じる芹沢博士の話ももっとあっても良かったと思った。サリー・ホーキンス演じる助手ももっと活躍してほしかった。ちなみにフォードの父親役は、『ブレイキング・バッド』でウォルターを演じているブライアン・クランストン。
要は、アーロン・テイラー=ジョンソンが良くなかったような気がしてきた。『キック・アス』の時とは違って、だいぶビルドアップされていた。腕っぷしが強そうだし、これは『キック・アス3』はないな…と思った。『キック・アス』のときはもっと良かった気がしてたんだけれど…。役のせいなのか、筋肉のせいなのかわからない。
謙さんとサリー・ホーキンスとウォルター役の人の三人がうまく協力して、ゴジラやムートーと対して欲しかった。

でも、今作において、本当に人間は無力で対することはできていなかった。人間が様々なことを考えて、案を実行したとしてもうまくいかない。それだけ“敵”が強大すぎる。それに、向こうは別に人間のことなどどうとも思っていない。イェーガーでも出してこないと対抗できない。

車の窓から外を見ているようにワイパーが映る映像や、ゴーグル越しに見ているようにゴーグルの枠が映っていたりと、あたかも映画を観ている人がそこにいるような映像が多かった。
ゴジラとの最初の邂逅シーンも空港の窓の外に足だけが見えて、全体像はわからない。でも、窓から足しか見えてないということは、相当大きいことがわかる。そして、カメラが外に出て、下からぐわーっと上がっていき、顔のところまで行ったところで咆哮。ゴジラのとらえ方として完璧だと思う。
もちろん大きさを実感するためにはなるべく大きいスクリーンのほうがいいし、咆哮で劇場がびりびりなるので音響もいいほうが迫力あると思う。私はIMAXで観ました。

ハワイでバカンスを楽しんでいる人やサンフランシスコの会社にいる人などの前に、ゴジラやムートーは急に現れる。日常生活と隣り合わせでいきなり襲われるので、災害のような感じだ。今作において人間はどうせ無力で逆らうことなどできないのだから、一つの家族をピックアップしなくても十分に怖さは伝わるし、ピックアップすることで、逆にうまく行き過ぎ感がわざとらしく思える。

それで、その災害に立ち向かう方法として、イェーガーの無い人間たちができることはただ見守るだけなんですね。芹沢博士が、ゴジラに任せようみたいなことを言う。
なんとなく、芹沢博士は昔、旧作のゴジラを観ていて、ゴジラファンで、今作は物語の中だけだと思っていたゴジラが実在したのか!と思ってるような気がしてしまったけれど、そんな話ではなかった。
でも、それくらい、今作はリアリティがあるというか、実際の日常生活と地続きな感じがしてしまった。

ゴジラとムートーの対戦はまるでプロレスのような感じだった。別に人間を救おうと思ってやっているわけではないので、野生動物を見ているようだった。それでも、長い尻尾を巧みに使ったり、ムートーの体内に自分の口から出るエネルギー砲(?)を撃ち込んで攻撃する様子は恰好良かった。これも満を持して、終盤で出てくる。

人間関連のストーリーは置いておくとして、ゴジラは存分に恰好良く撮られていたし、ゴジラにその気はないにしても正義の味方のようだった。監督は相当ゴジラ愛が強いそうだと思ったら、大ファンのようです。
ギャレス監督は元々、幼い頃に観たスター・ウォーズがきっかけで映画の道に進んだらしいけれど、今度、スター・ウォーズのスピンオフの監督をすることも決まっているらしい。きっとそれも愛を感じるものになるんだろうな。

あと、これはどうなのかわからないけど、原発事故、津波、電力会社や政府の隠蔽、広島への原爆投下なども直接関係あったりなかったりする感じで描かれていて、ゴジラだから当たり前っちゃ当たり前なんですが、日本のことを意識して作られた作品だと思った。そのわりに、不思議の国ニッポンみたいな描かれ方をしてるけれど、『ウルヴァリン:SAMURAI』ほどではないです。

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