『ディパーテッド』


2007年公開。アメリカでは2006年。
香港映画『インファナル・アフェア』のリメイクですが、そちらも未見のため、ストーリーを知らないまま見ました。オリジナルとの違いもわかりません。

ポスターなどから、レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンのバディものなのかと思っていたけれど違った。
片方がギャングの内部に入って囮捜査をし、もう片方がギャングのスパイとして警察官になる。
お互いが正反対の立場ながら同じ状況にいるというのが面白い。ばれるの?ばれないの?も二倍である。特にポルノ映画館でのシーンと廃ビルへの襲撃シーンはスリリングだった。

レオナルド・ディカプリオは映画の中での演技とはいえ、人を殴るのは勿論、棒で思いっきり顔を叩いたりとかなり凶暴だった。眉をひそめ、常に苦悩した表情を見せていた。

一見、清廉潔白そうに見えて、実は…というのがマット・デイモンだった。彼の立派な人物に見える雰囲気はなんなのだろう。マン博士も同じですね。
マット・デイモン演じるはサリバンもマン博士も、根っからの悪人ではない。どちらもどうしようもない事情があって、少し悪側へ足を踏み入れたが最後、ずぶずぶと抜けられないところへ落ちていった感じがする。

囮捜査とスパイ、それぞれがそれぞれの場所で身分を偽っているため、二人が一緒に出てくることはほとんどないけれど、初めて電話で話すシーンは満を持してという感じがして盛り上がった。
結局は双方とも打倒フランクとなるけれど、片方は警察官として、片方は個人的な事情でということなので、共闘することはなかったのは残念。呉越同舟ものではなかった。

また、二人は顔を合わせないけれど、片方と同棲している女性がもう片方の担当医であり、何も知らないまま一人の女性が二人の間にいたのも面白かった。脚本がうまい。二人とも、その女性の前では本心をさらけ出していた。普段身分を偽っている二人が唯一自分に戻れる場所だったのだろう。

ラスト付近で唐突に始まる銃撃戦と、そして誰もいなくなった感はまさに香港映画。オリジナルでどうなっているのかわからないけれど。
緊迫した状況の中、あっさりとまさかのタイミングで急に撃たれ、驚くべき事実が明かされたかと思ったらそいつも撃たれ、結局最後には生き残るかと思われた人物も言い訳する間もなく撃たれた。主要人物が撃たれてからの展開のはやさは、目がさめるかのようだった。あのまま静かに終わるかと思ったら大間違いだった。

最後に銃をぶっぱなすのがマーク・ウォールバーグ。序盤はレオナルド・ディカプリオ演じるビリーのことを下品な言葉で罵るだけ罵っていて感じが悪かった。けれど、最後は上司の仇か囮捜査部の生き残りとしてのプライドか、きっちりカタをつけていたのが良かった。



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