『スーサイド・ショップ』


2012年公開。アニメ作品のため意外な気がするけれど、『髪結いの亭主』、『橋の上の娘』のパトリス・ルコント監督。

物々しいタイトルですが、絵柄も暗め。少し、ティム・バートンの描くキャラクターにも似てる。首つりの縄やナイフ、銃、毒など、確実に自殺ができるアイテムを取り揃えた店が舞台で、『ようこそ、自殺用品専門店へ』という原作小説があるらしい。
序盤に歌が入ってミュージカル仕立てなことを知る。曲調も暗めでお化け屋敷を思わせる。
最初に出てきた人も、もしかしたら主人公なのかもしれないとも思って観ていたけれど、店で毒薬を買い、あっさり自殺してしまった。
相当ブラックだけれど、一体どんな話なのだろうと思っていたら、店の夫妻に子供が生まれ、状況が変わっていく。

店にはすでに子供が二人いて、その子たちはすでに店の雰囲気に染まっているというか、成長してもドクロが好きだったり、表情が暗かったり、猫背だったりなのですが、新しく生まれた子供アランはまっさらで、表情や考え方が明るい。アランに感化されて、家族や店に来た客が変わっていく。

特にお姉さんの変わり方が劇的だった。たいしてキャラクターのデザインは変わっていないはずなのに、どんどん可愛く、セクシーになっていくのがわかった。アランから貰ったシースルー生地のスカーフで踊るシーンは印象的。

また、ラストに向かうにしたがって、あれよあれよという間に最初のおどろおどろしい雰囲気が払拭されていき、結局自殺用品店が大繁盛クレープ屋に変貌するというまさかの結末を迎えていて驚いた。

父親の名前がミシマだった。三島由紀夫と関係があるのかな、でもフランス語を喋っているしな…と思いながら観ていたら、途中で日の丸の付いたはちまきをして「セップク」と言い出したので、三島由紀夫から取ったミシマで間違いないと思う。日本刀で追いかけるシーンもあった。


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