『ルートヴィヒ』


2013年公開。ドイツでは2012年公開。バイエルン国王、ルートヴィヒ二世を描いた映画。
ルートヴィヒの弟、オットー役でトム・シリングも出ています。

“ワーグナー生誕200周年に贈る…”と公式サイトには書いてあるけれど、ワーグナーはそこまで重要な役でもなかったと思う。他の人が嫌う中、ルートヴィヒには寵愛されていた。ルートヴィヒは戦争よりも芸術を好む、心優しい王として描かれていた。
けれど、心優しくても情勢は戦争へ向かっていき、彼も巻き込まれてしまう。最初から戦闘へ乗り気だったオットーも、後半で発狂してしまう。

王室が舞台とあって、とにかく豪華絢爛。城の中の内装、衣装、黄金の馬車など、目をみはる。
また主役のルートヴィヒを演じたザビン・タンブレアがとにかく魅力的。美貌という言われかたもしていますが、美しいというよりは個性的な顔立ちだと思う。ドクター・フーの11代目ドクター、マット・スミスに似ていた。
また190センチ以上とかなりの高身長。これはキャストを決める上での条件としても出されていたらしい。身長の低いトム・シリングと並ぶと結構な身長差があって、まるで親子のように見える。けれど、ザビン・タンブレアが1984年生まれ、トム・シリングは1982年生まれなので、トム・シリングのほうが年上だった。

身長が高いだけでなく、バレエダンサーのように手足も長い。王に就任したときにマントを着けて踊るシーンがあって、とても美しかった。そのまま、鏡の前に行って、王の身なりをした自分にうっとりした表情で口づけるのがセクシーでした。

ちょっとこの俳優さんが魅力的すぎるので、年数が経ったシーンで別の俳優に変わってしまったのはショックだった。似ても似つかぬ方だったので、その人がルートヴィヒなのだとは思わなかった。
40歳で亡くなったそうだけれど、演じていた俳優さんは50歳にも60歳にも見えた。周りに信用できる者など誰もいないといった感じに、頑固で人の意見を聞かなくなっていた。しかも、それが間違った方向へ進んでいき、ついには幽閉されてしまう。
画面全体も暗い。華やかさもない。
伝記映画だから晩年も描かなくてはいけないのもわかるけれど、少し長く感じてしまった。143分と上映時間が長い映画なので、晩年を短くしてほしかった。それか、長いなら長いでザビン・タンブレアをもっと見たかった。

0 comments:

Post a Comment