『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』


2012年アメリカで公開。日本ではDVDスルーでした。
原題がRise of the Guardiansで、もともと『不思議の国のガーディアン』という邦題まで決まっていたのに公開が見送られてしまった。

原因ですが、アメリカでの成績がふるわなかったせいもあるかもしれないのですが、出てくる人物があまり日本に馴染みがなかったからだと思う。

このストーリーはおとぎ話の主人公版アベンジャーズみたいな感じで、普段なら別々に活躍しているキャラクターが集められている。
サンタクロースは馴染みがあるだろう。イースターバニーも、時期に不二家でペコちゃんがウサギの着ぐるみを着ていたし、日本においても売り出されているイメージがある。
ただ、子供が抜けた歯を枕の下に置いておくとコインに変えてくれるトゥース・フェアリーや、睡魔ザントマン(英語読みでサンドマン)については馴染みがないだろう。

このストーリーは子供たちがサンタクロースや他のキャラクターや妖精を信じられなくなったら?というのが主題なので、日本の子供は信じる信じない以前に知らないので、どうしようもない。そう考えると、メルヘンチックな作品だけれども、かなりターゲットが絞られていると思う。

ただ、大人でも存分に楽しめる作品でもある。ジャックフロストは、子供に雪をぶつけて擬似的に一緒に雪合戦を楽しんでも、サンタクロースやイースターバニーほど有名ではないため、子供たちには認識されない。信じていなければ、いないことになってしまう。

子供たちの夢を守るのがガーディアンズの役割であるが、ガーディアンズは子供たちに信じてもらうことで存在できるので、逆に守られてもいる。
この関係の描き方が素晴らしかった。
どこか飄々とした悪餓鬼だった彼がガーディアンズの仲間になって、子供たちの夢を守ろうと思った時に、子供に認識されるんですね。やっと、姿が見える。一緒に遊んでいたのは僕だよと伝える。抱きしめる。
一人きりだったジャックフロストがちゃんとみんなの前で存在できた。単なる夢物語だけではなく、孤独感からの解放も描かれていて涙が出た。

ただ、悪役であるブギーマンも同じように信じてもらえないから見えないと言っていたんですね。結局彼は、最後にまた認識されなくなってしまう。いくら怪物とはいっても、ジャックフロストとも似ているところがあると思ったので、彼一人だけがかわいそうだった。

初見は飛行機内で、今回は映像配信をパソコンで観たため、両方とも小さい画面になってしまったが、細かいところも作り込まれているので大きいスクリーンで観たかった。
最初のジャックフロストの雪祭りのシーン、そりでみんなで歯を集めにいくシーンなど、空を飛ぶシーンも多く、迫力がありそう。
また、サンタクロースのおもちゃを作っているシーンや、イースターバニーのたまごを塗っているシーンも大画面で観たい。
ジャックフロストがガラスなどを凍らせるのは、『アナと雪の女王』と同じくらい氷表現として美しい。

キャラクター造型も独特なんですが、この作品のように戦うサンタクロースは初めて観た。二刀流です。太ってはいるけれど、ちゃんと動けてかっこいい。
子供に信じてもらえなくなったために、途中でもふもふの普通のウサギの姿に変わってしまうイースターバニーは、普段は2メートルで、ブーメランを二つ持っていて、これまたかっこいい。

そして、ジャックフロストの容貌は、私がこの映画を観るきっかけになった。氷の妖精だからですが、銀髪で肌が白い。でもパーカーを着ているなど、ほぼ普通の少年の姿です。旅行中にこの少年の姿を観て、美少年っぷりに驚いて、帰りの飛行機の中で映画を観ることにしました。それで、飛行機の中なのにも関わらず号泣。

声の出演は、ジャックフロストがクリス・パイン、サンタクロースがアレック・ボールドウィン、イースターバニーがヒュー・ジャックマン、トゥース・フェアリーがアイラ・フィッシャー、ブギーマンがジュード・ロウと、主要キャラクターがかなり豪華な面々になっています。


0 comments:

Post a Comment