『インターステラー』


試写会にて。
何も情報を入れないまま観ました。
以下、ネタバレです。




本当に何もわからないまま観たので、もしかしたら地球は荒廃してもう住むところがない、地球を汚した私たちが悪い、みたいな説教まじりの環境映画なのかなとも思っていたんですが全く違った。地球は荒廃していたけれど、私たちが悪いという要素は全く出てこなかった。荒廃している原因については言及されていなかった。

トンデモ映画といえばトンデモ映画な気もする。でも、規模の大きいトンデモ映画です。

宇宙に出て行くんですが、私が宇宙のことを知らなすぎてなんとも言えないんですが、たぶん、本当の宇宙とはだいぶ違うところがあるのではないかと思う。
それを考えるとSFでもないような気もする。

だいたい、SF映画ならば、ロボットの形状にももっとこだわると思うんですよね。すごく簡素な、真四角のロボットが出てくる。もっとヒトガタとかにすればいいのに、四角い。でも、粋なことを喋るし、SF映画によく出てくるタイプの愛すべきAI。そのため、あの形状が謎。
最初に出て来た時は、エヴァンゲリオンのSound onlyのような、どこかで声を出している人が別にいるタイプの物体なのかと思った。あれで独立しているとは。
ちなみに、『アイアンマン』だとジャーヴィスがポール・ベタニーだったり、『月に囚われた男』だとガーティがケヴィン・スペイシーだったりしましたが、今回は特に有名な人というわけではなさそう。(ジョン・シム主演の『Life on Mars』のアメリカリメイク版に1エピソード出ているらしい)

あと、普通のSFだと考えられないのは、宇宙服同士での取っ組み合い。宇宙飛行士同士ってそういえば、あんまり喧嘩をすることってなかったような。それが、頭突きをかまして、相手のヘルメットの部分を割ったりする。「お前のほうが割れるかもしれないぞ!」「五分五分だ!」みたいな言い合いがありましたけど、そもそも、頭突きで割れちゃうものなのか。それほど、相手のヘルメットも強固ということなのか。

マン博士が手動でドッキングさせようとするときの映像も、あまり他のSFでは考えられないアナログなひやひや感。

何にしても、SFにあんまり慣れていない人が撮ってるなというのがわかっておもしろい。

あと、ブラックホールとか、ワームホール、次元なんかの説明も、この映画独自のものなのか、本当のところどうなのかがわからない。
私は詳しくないので、この映画のルールで考えて観ていたけれど、詳しい人は噛み付いたりするかもしれない。

この星での一時間が地球での○年間というルールは、少し『インセプション』を思い出した。また、宇宙と地球でそれぞれ持ち場は離れていても一つの目的に向かって活動している様子も『インセプション』と似ている。
また、サイトーとコブもそうでしたが、なんらかの事情によって、同じ時を歩んで来たもの同士の時がずれてしまうのが好きなので、ラストのシーンや、地球ではあっという間に23年間経ってしまった時のビデオレターの溜まり具合などは切なかった。ドクター・フーでもそんなエピソードがありました。

ただ、時の進み方にしても、星に降り立った瞬間から変わってくるのかどうかがよくわからなかった。あと、宇宙船も一体何分割できるのかとか、ドッキングしていたのは宇宙ステーションなのか、それにしては動いていたけれど…など謎が残った。もう一度観た時にちゃんと注意していようと思う。

最後、クーパーがどうやって助けられたのかがいまいちわからなかった。アメリアの顔が見えたけれど、アメリアは恋人の星へ行ったあとだったし、幻だったのだろう。
酸素が残り○分と言われていたけれど、どうやって、どこで、誰に助けられたのか。

アメリアの恋人が発見した星は空気があるようだったけれど、最終的には地球の人々はそこへ移住することになるのだろうか。

いくつか疑問も残っているので、もう一度しっかり観てみようと思う。

マット・デイモンが出てくるのはカメオ扱いなのかノンクレジットだったこともあり、まったく知らなかった。
ノンクレジットのわりに出演シーンが多く、しかも、すべてが嘘というちょっと悪役めいた役。すべて嘘だったので、はっきり言って彼にあんなに時間をさく必要があったのかなと思う。マット・デイモンは嫌いではないけれど、だったらもっと、ちゃんと意味のある役で観たかった。

クーパーの息子の成長した姿をケイシー・アフレックが演じているのですが、兄のベン・アフレックとマット・デイモンって大親友ですよね。まさかその繋がりで…とも思ってしまった。マット・デイモン、次回のノーラン映画にはもっとちゃんとした役で出て欲しい。

全体的には『インセプション』と似てるといえば似ているんですが、『インセプション』が前半にルール説明をして後半に実戦(実践)をしていたのに対して、この映画では合間合間にその都度ルール説明が入るので、まったく気が抜けない。一生懸命観ていると、知らぬ間に169分経っている。
『インセプション』では結局一人も欠けることはなかったけれど、今回は仲間がどんどん死んでいくのはつらい。でも『インセプション』は会社の跡取りの考え方を変えさせるのが目的だったのに対して、今回は地球の危機と話が大きくなっているので仕方がないのかもしれない。
それと、ルール説明にしても、『インセプション』は夢の話だし100%の創作として説明をそのまま聞いているけれど、『インターステラー』に関しては宇宙がまず実際にあるから、ルール説明を聞いても、でも本当のところはどうなんだろうと考えてしまう。
すべてノーランの創作、エンターテイメントと割り切ってしまえば楽しめる。




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