『嵐が丘』


2009年、イギリスiTVで放送されたエミリー・ブロンテ原作の『嵐が丘』のドラマ化版。全二回。70分弱ずつなので、それほど長くはありません。主演のトム・ハーディ目当てで見ました。

原作は読んでいないのですが、最初と最後にヒースクリフやキャサリンの娘や息子の話が入っているのはドラマならではらしい。大枠はおそらく同じ。
原作が古典なので、ストーリーについて文句を付けるのは無粋かとも思うんですが、キャサリンが強い気持ちでヒースクリフと一緒になることを選べばこんなことにはならなかったのではないか。
普通のラブストーリーだと、家柄より先に、熱烈に愛した人がいるなら一緒になると思う。
結局、ヒースクリフを捨ててエドガーと結婚して、子供ができたあとも、ヒースクリフに対しての想いは変わらなかったみたいだし、一度結婚してしまったとしても、子供が出来る前にどうにかするとかできなかったのだろうか。
貴族でもないし、時代も国も違うので、事情もあるのだろうし何とも言えないですけども。なんとなく、キャサリンのずるさが際立って見えてしまった。
ラブストーリーではなくて、ヒースクリフの一生と考えればいいのかもしれないけれど、そうすると、ヒースクリフの悲惨さが際立ってしまう。

ヒースクリフを演じているのがトム・ハーディで、彼目当てに観たんですけれど、どうにもイギリス時代物のひらひらの衣装と長めの髪型が似合わない。別の映画の軍服姿は似合うので、コスプレ全般が合わないわけでは無さそう。

例えば、ベネディクト・カンバーバッチは現代劇でも時代劇でも合う。それは時代を問わない顔立ちだからかもしれない。でもジェームズ・マカヴォイは現代的な顔立ちだけれど、時代物の衣装も合う。

何故なのだろうと考えたけれど、もしかしたら申し訳ないけれど、生まれ持った気品みたいなものが備わっているか否かという点かもしれない。
あと、それと繋がってくる話でもあるんですが、トム・ハーディって何か存在が生々しいんですよね。手が届きそうというか。届かないですけど。その辺にいそうというか。いないですけど。
だから、時代物に出てくると、トム・ハーディがコスプレをしているようにしか見えないのだ。髪型もかつらに見えてしまった。本当のところはわかりませんが。
トム・ハーディはあくまでも現代の人なのだ。

それと、生々しい存在なのと、セクシーなくちびるなせいで、キスシーンが妙に性的になってしまうのも問題だと思う。普段だと問題ではないし、売りだとも思うけれど、時代物には必要がないし、気になってしまう要素だった。

最初に出演者のクレジットが出るんですが、そこにバーン・ゴーマンの名前が出ていて驚いた。キャサリンの兄役で、ヒースクリフに優しくしてくれた父親が亡くなったあとで、急に威張り出す、バーン・ゴーマンらしい役。先輩が卒業したら急に態度がでかくなる後輩みたいな感じ。ヒースクリフのことも痛めつけるけど、後半にはお約束通りやり返されます。
『ダークナイト・ライジング』におけるベインとダゲットの部下の関係とほぼ一緒。トム・ハーディとバーン・ゴーマンは『レイヤー・ケーキ』でも共演してました。案外何作品も共演してた。

リントン家のお兄さん役は、どこかで見たことあると思ったら、『ウォーキング・デッド』の主役、アンドリュー・リンカーンでした。
お父さん役はケヴィン・マクナリー。この人も見たことある…と思っていたら、ジョン・シムの『バンク・ジャック 襲撃の火曜日』に引退間近の刑事役で出ていた。
キャサリン役のシャーロット・ライリーは、画像検索したらほとんどトム・ハーディと一緒の写真が出てきて、何かと思ったら去年結婚していたらしい。


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