『マッドマックス 怒りのデス・ロード』



過去作のリメイクではなく四作目とのこと。でも、過去作を観ていなくても楽しめた。
もちろん観ていたほうが世界観に入り込みやすいかもしれないし、オマージュも多くあるそうなので、気づいてにやにやできそう。

ストーリーはあってないようなもの。セリフもほとんどありません。
はっきり言って、文章で感想を書くような映画ではなくて、とにかく観て楽しむものだと思う。

4DXが好評らしいですが、『ワイルド・スピード SKY MISSION』がとてもおもしろかったので、同じ車モノであることを考えると、相性が良いのも頷ける。

私はIMAXで観賞しました。初めてTOHOシネマズ新宿のIMAXに行ったんですが、画面の大きさはまあまあ。音は良かった。
前に通路がある席にしたんですが、そこだとスクリーンに前の人の頭はかからないものの、少し前過ぎる感じがした。字幕などは見づらいかも。
今作はセリフがほぼないので字幕を読むこともそれほどなかったため、映画に没頭できて良かった。ストーリーが単純なこともあるけれど、上映の二時間があっという間でした。

また、大画面ならではの特徴として、それぞれの車のディテールや、イモータン・ジョーの砦の施設や、キャラクターの服装など、特に映画内ではセリフによっての説明の無い部分まで細かく見ることができたのも良かった。どれもとても凝っていて、そこからバックグラウンドが想像できるものになっている。多分、また観たら違うことに気づきそう。それくらい情報量が多い。
今作のパンフレットは900円と通常の映画より少し高いけれど、その辺の資料としてもかなり充実していて読み応えがある。そして読むと、車がどう改造されたかとか、一つ一つのストーリーがちゃんとあって、細かく作り込まれているからこそ、世界観が揺るぎないものになっているのだと感じた。

以下、ネタバレというほどのものでもないですが、少し内容に触れます。






マックスを演じたのはトム・ハーディ。トム・ハーディは映画によってまったく違う印象になりますが、今回はなんとなくマッチョ路線で来るのかと思っていたけれど、そうではなかった。『マッドマックス』のことをあまりよくわかっていなかった。『ブロンソン』っぽい感じかと思った。どちらかというと、今回は綺麗なトム・ハーディだった。

娘を助けられなかったことを亡霊に苦しめられるほど悔やんでいるせいか、影を背負っているし寡黙。
フェリオサ大隊長と5人の妻たちと一緒に逃亡するけれど、女性6人の中にマックスが一人混じっているせいで、少し萎縮しているようにも見えた。
笑顔はないけれど、よくやったというようにサムズアップしたり、目を合わせて頷いてみせたりと、女性たちに好意的。でも別に誰とも恋愛関係にはならない。

イモータン・ジョーの親衛隊のようなウォー・ボーイズの一人、ニュークス役にニコラス・ホルト。痩せていて白塗りで坊主、目の周りが黒く骸骨のような外見だったし、予告で観た時にもなんでニコラス・ホルトなの…と思ったけれど、ニコラス・ホルトで良かった。
彼は5人の妻のうちの一人と恋愛関係っぽいものになる。それでも別に、甘い言葉だとかキスシーンなんてものはありません。ただ、どんどん元々のニコラス・ホルトというか、イケメンがおさえきれなくなってくるのがたまらなかった。

ニュークスは輸血を必要としていて、マックスは健康体なので血液のために誘拐されたのですが、二人が血液のチューブで繋がれているのは見た目がとても良かった。マックスのことを「輸血袋」と呼ぶのもいい。
出撃するときにも輸血しながらなので、トム・ハーディが前面に縛り付けられた車をニコラス・ホルトが運転していて、二人が血液のチューブで繋がれていて…というのも、いいものでした。なかなか見られない。ニコラス・ホルトの体内にトム・ハーディの血液が混ざる…。

『マッドマックス』は暴力が支配する世界なんですが、グロテスクな残虐描写がほとんど出てこない。凄惨さですごさを見せようとすることが多いけれど、この映画は純粋なカーアクションだけで驚かされる。
カーアクションというと今年は『ワイルド・スピード SKY MISSION』でおなかいっぱいになったばっかりだけど、世界観が違うとはいえ、こちらも満腹になる。
それに、今作はほとんどのシーンが、お互い走っている状態でのカーチェイスなのである。大きく分けたら往路と復路というか、少し休憩はあるものの、大半がアクションだ。

車の性能の違いが面白い。岩をのぼるものもあれば、長い棒が付いていてその先にウォー・ボーイズがしがみつき、びよんびよんなりながら襲ってくる。

あと、なんといっても、スピーカーがたくさんついていて、後ろに太鼓をドコドコドコドコ叩いている人がいて、前ではバンジージャンプのヒモで括り付けられたギタリストが弾きまくる。火も吹く。
見た目的にはこの車がものすごいインパクトが強いし恰好良い。最後も3Dでこちらにギターが飛んでくる。
弾くことをなんらかのエネルギー変換して車が進んでいるのかと思ったら違った。ウォー・ボーイズたちを鼓舞していたらしい。
アクションシーンでは音楽はずっと続いているのですが、あの車が来たときには、ギターと太鼓の音が加わるのも楽しい。

音楽はジャンキーXL。最近、映画で名前をよく見かける気がする。
『300<スリーハンドレッド>〜帝国の逆襲〜』も彼なんですが、ネタバレなので詳しくは書きませんが、一番盛り上がるシーンの曲が好きだったんですが、今作ではその盛り上がりがずっと継続している感じです。




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