『ダンケルク』(8回目爆音上映)



現在丸の内ピカデリーにて行われている爆音映画祭での上映に行ってきた。
その他、スクリプトの感想も少し。

映画の内容にも触れますので、以下にネタバレがあります。









まず最初の、兵士たちが町を探っていて急にバンバンバンバン!と銃声が鳴る部分の音はかなりびっくりするような音。知らなかったらビクッとしていたと思う。

呼吸音が聞こえやすいとのことだったので気をつけていたのですが、最初のほうのトミーとギブソンが担架を運ぶところでだいぶ目立っていた。ただ、意識して聞いたのが初めてだったので別にいつも聞こえてたのかも。
また、商船の中でのシーンは陸の人たちが唯一会話があるシーンなのですが、ここでも呼吸音が気になった。

ファリアが一人残って、残燃料と相談するシーンは誰と会話するでもないけど表情は迷っていて、音も静かだ。
そして結局高度を上げていくときのエンジン音が力強かった。まるでファリアの気持ちが示されているようだった。

コリンズが「カモン、ファリア」と言ってる終盤あたりで陸海空の時間が重なるんですが、そこは画面が変わってもずっと同じ音楽が流れていて一番緊迫感がある。陸海空それぞれが大変な目に遭っているシーンです。
『インセプション』の各階層で各々がやるべきことをして戦ってるシーン思い出す。第三階層でフィッシャーがモルに撃たれて失敗するまでの盛り上がりの部分です。

ハイランダーズがホスピタルシップから乗り換えた船が魚雷で攻撃されるシーン、ギブソンが扉を開けて沈む時に、ブオンブオンと反響するみたいな音がなっていて、その低音がすごく強調されていた。

また商船(トロール船)が沈むときにもおなじような音が鳴っていて、これも反響してるみたいな音だけど、魚雷で攻撃された船が沈む時よりも速い音でびりびりいっていた。音とともに絶体絶命感も強調されている。
そして、ここから画面が変わって桟橋に行き、桟橋でも絶体絶命。不協和音のような音がしていて、もうこれどうにもならないのでは…と思ったところで、市民たちの民間船がかけつけてくるのをボルトンが発見する。
ボルトンが「Home.」と言った後で音楽も一気に優しいものに変わって、見ている方も安堵の息を漏らす。

ここも爆音上映『インセプション』のときも思ったけれど、より落差が付いていて観ている側の感情の振り幅も大きくなった。

『インセプション』同様、銃声がかなりクリアで鋭角な音にされている印象だったのですが、爆音職人が一番盛り上がってるなと感じたのが、桟橋に多数の兵士がいて、スツーカが来たのに徐々に気づいて、ホスピタル船が爆撃されるシーンです。ここの音が一番迫力があった。

爆音以外の感想ですが、もう気付いたことはそれほどないんですが、ファリアが機体を三回揺らすのが言われてわかった。
コリンズが水面に不時着するときに、ファリアがグッドラックというように右手を三回動かすんですが、その時に機体も動かしていたのかな。別の時かもしれない。
スクリプトも読んだのですが、この時にコリンズは迫ってくる水から逃げようともがいているのですが、機体を三回揺らすのは見ていたらしい。

あと、魚雷に攻撃されたとき、ギブソンは律儀に一回戻ってトミーたちのために扉を開けてあげるんですが、商船に水が入ってきたときもアレックスはギブソンを救うために一回戻っていた。あれだけギブソンのこと責めてたのに。
銃を突きつけはしたけれど、アレックスが直接殺したわけではなく、ギブソンは逃げ遅れたんですよね…。
また、スクリプトだと、この時、アレックスはギブソンの肩を掴んでるようなのですが、直接触れてる感じはなかったと思う。もう一度観たい。

スクリプト関連だと、ギブソンとトミーが桟橋の下に隠れる時にトミーが音を出してしまって、ギブソンが人差し指を口に当ててしーっってやってるんですが、それは絶対にない。やってたらさすがに覚えてる。

また、ドーソンとピーターは仲が悪かったのではないかという話も出ていて、そうではないと思っていたけれど、ピーターが最後にジョージの記事の載った新聞をドーソンに見せたときに、顔を見合わせて頷くんですが、そのあとピーターだけもう一度ドーソンを見ていた。
あの二度見は、ジョージが怪我した時にすぐに戻っていてくれたらジョージは救えたかもしれないのにという怒りが入っていたらどうしようと思った。

でも、字幕だとあの時のセリフが「手遅れだ」になっていたけれど、これもスクリプトを読むとイギリス側とフランス側を見て、結構イギリスからは離れちゃったのでもう戻るには時間がかかってしまうよということだったらしい。
ただ単に「手遅れだ」だと、ピーターはそんなの医者でもないのにわかるのか?と怒りそうだけど、場所のことを出しているならそれもそうだと納得したかもしれない。
だから仲が悪かったとかドーソンに怒っているとかは思いたくない。

また、トミー、ギブソン、アレックスが魚雷で攻撃された船から浜へ戻ってきた時の寝姿が三人三様でおもしろかった。
トミーは大の字で、ギブソンは横向きで丸まった胎児の姿勢。アレックスはうつ伏せでもしかしたらスフィンクス型と呼ばれるような膝が曲がった形だったかもしれない。いつでも起き上がれるようにという警戒の意味もあったのかなと考えてしまった。ハイランダーだし。少なくともあの場で大の字で寝るのはトミーくらいのものだろう。

このシーンのあとで、トミーが何かの缶詰に穴をあけて汁を飲もうとして、ギブソンがちょうだいと両手を伸ばすシーンがありますが、あれは野菜の缶詰だったらしい。スクリプトを読むと直接内容に関係のないけれど詳しい部分がわかっておもしろかった。
ジョージとアレックスがだいぶ動くしよく喋ると思った。


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